ストロベリーロード
劇場公開日:1991年4月27日
解説
60年代のカリフォルニアを舞台に、広大ないちご畑に夢を託す日本人兄弟の姿を描くドラマ。石川好原作の同名小説の映画化で、脚本は「青い山脈'88」の山田信夫が執筆。監督は「海へ See you」の蔵原惟繕。撮影監督は「花の季節」の加藤雄大がそれぞれ担当。
1991年製作/117分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1991年4月27日
ストーリー
世界中がベトナム戦争に揺らいでいた時、カリフォルニアの日系人フランク町田の大農場では、多くの不法就労のメキシコ人や日本人の働く姿があった。その中の一人、久も日本からアメリカンドリームをつかむためやって来た青年だった。厳しい暑さと激しい労働に追われる日々、寂しさと孤独に悩み結婚した久だったが、そのアメリカ人の妻は一緒に農場で暮らすことが出来ずに去って行った。再び孤独に襲われた久は、弟の明を日本から呼び寄せ、日々の労働を続けて行った。その努力が認められ、ついに自分の土地を手に入れた久は、荒れ地に大きな未来を託して開拓する。しかし、若い明は同じように土地を見出すことが出来なかった。それはかつて彼らと同じようにこの土地にやってきて孤独だけを手に入れた老人、次から次へと仕事を求めて毛布ひとつを財産に渡り歩くブランケットマンの姿に不安を感じていたからであった。ある日、孤独な老人に生き別れの弟との再会が突然訪れるが、長い年月は弟の日本語の記憶を奪い去っていた。カタコトの日本語で共に暮らすことを望む弟だったが、老人はこのままの生活を望むのだった。一方、開拓を続ける久のもとへ、同郷の友・秋子がイタリア人の娘・シルバーナを伴って訪れた。そして久とシルバーナの間に恋が芽生えたころ、明も年上の日本人女性・尚子に出会う。移民局の妨害や、気まぐれな天候に苦しめられながらもたくましく育っていくいちごのように、アメリカン・ファーマーとして力強く成長していく久と愛を知り、別れを知り、一歩ずつ大人の階段を上っていく明。そして、人種差別や戦争の忘れ難い記憶を持つ周囲の人々の祝福を受けて結婚を誓い合う久とシルバーナ。太陽の輝きを受けたストロベリーロードはそんな二人を迎えるかのように暖かく続くのだった。