スキ!

劇場公開日:

解説

絶好調な人生を送る青年と不運の人生を歩んできた少女との運命の大逆転をコミカルに描く。脚本は「君は僕をスキになる」の野島伸司が執筆。監督は「ボクが病気になった理由」(第三話)の渡邊孝好。撮影は小野寺眞がそれぞれ担当。

1990年製作/92分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1990年12月15日

ストーリー

顔が愛犬に似ているというだけで社長令嬢の小百合に惚れられて婚約にまでこぎつけた氷介は異例の出世を遂げ、バラ色の生活を送っていた。片やツキに見放された生活を送っていた女子高生の双葉は占い師に13日の金曜日の6時6分6秒から数えて100人目の男と結婚すると幸福になれると言われる。そしてその青年こそ氷介だった。それ以来双葉は氷介につきまとい、小百合のいる前で氷介にいきなり「私と結婚して!」と叫んだり、あげくの果てには氷介のマンションに転がり込んでくる始末。初めのうちは厄介者だと思っていた氷介も、次第に双葉の純な気持ちに気付き、恋が芽生えていく。ところがそれによって絶好調だった氷介の人生が狂い始めた。別れたはずのオフィスラブの相手・瑞穂は妊娠したと泣きついてくるし、氷介の幸福をねたむ同僚の良喜に双葉と一緒の写真を撮られてそれを見た社長が小百合の婚約解消を迫ってきた。そんな時、氷介は双葉をかばって車にはねられてしまう。病院に双葉が見舞いに来ると、氷介は「お前は疫病神だ。永遠に消えてくれ!」と哀願する。そして双葉は氷介の前から姿を消すのだった。双葉がいなくなって再び氷介に運が戻ってきた。ケガは思ったよりも早く全快し、小百合も婚約解消を取消したいと言ってきた。そして豪華な婚約披露宴の席上で、小百合をエスコートする氷介は初めて自分の求めていた幸福がここにはないことに気付くのだった。そして数ヶ月後、高校を卒業し、夢の美大に通い始めた双葉は、すべての地位を捨てて自分の本当の生き方を探し当てた氷介と再会するのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5島崎和歌子が素晴らしい

2024年7月21日
iPhoneアプリから投稿

90年。当時もこういうタイプの映画をまったく観るタイプではなかったが渡邊孝好監督の前作『君は僕を好きになる』を偶然観て、それが予想外に良くて、これも映画館に行った。そしてスキと言い切れるくらいに好きだった記憶があってなかなか再見するチャンスがなく、観たくなって神保町で35mm上映を観に。

野島伸司のなんとなくトレンディで軽やかな感じのラブコメ脚本を渡邊演出はポップで過剰でイタズラに満ちた感じでギャグあり長回しありで活きた舞台にしていく。そして公開時も印象に残ってたのが2つくらいある音楽で進むモンタージュシークエンス、ひとつがデート、もうひとつがそれぞれ街を彷徨うところ。リアルな渋谷の街中のスローシャッターじみたふたりの、特に島崎和歌子の帽子で顔を隠すあたりは素晴らしい。というか、ファーストカットから島崎和歌子がとてつもなくいい。バラエティで活躍していくうちにすっかり忘れ、いや昔はかなりとてつもなくかわいかっよな、あれは幻かと思ったら幻ではなかった。あのままであるが、かなりいい。
そしてモノクロのラストシークエンス、まさかの走っていく島崎和歌子に涙する。

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ONI

4.0『スキ!』(1990) 神保町シアターさんにて未DVD化・未配信作...

2024年7月21日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

幸せ

『スキ!』(1990)

神保町シアターさんにて未DVD化・未配信作品を集めた「一度はスクリーンで観ておきたい――忘れられない90年代映画たち」(2024年6月29日~8月2日)特集上映にて鑑賞。

『君は僕をスキになる』(1989)に続き監督・渡邊孝好さん、脚本・野島伸司さん、主演・大江千里さんが再び参集。
 映画初出演の島崎和歌子さんと織りなすスラップスティックなラブコメディー。
バブル全盛期の日本の勢いを体現するかのような島崎和歌子さんの元気ハツラツとした演技と渡邊監督の演出が令和の今ではめずらしいので見どころですね。
大江千里さんは主人公二宮同様、なりたい自分になるため平穏な生活を捨てニューヨークでジャズピアニストとして活躍している現実が、あまりにも映画のラストと似通って予言のようで驚きでした。

 上映後は渡邊孝好監督のトークイベントがありましたが、なんと島崎和歌子さんがサプライズ登場。まさか最前席から1mの至近距離で対面できるとは思いもよらず、34年前と全く変わらない美貌と美肌とキュートさにまたまた驚きでした。
長年大型番組の司会を務めているだけあって、お客さん一人ひとりの状況を把握、気づかいしつつ、思いっきり楽しませて、きちんと時間通りに締める進行力は流石でした。

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矢萩久登