新唐獅子株式会社

劇場公開日:

解説

ケーブルテレビ局を経営することになったヤクザ者の奮闘ぶりを描いた、極道コメディ。監督は、本作撮影中に急逝した「Let's 豪徳寺」の前田陽一。前田監督の遺志を継ぎ作品を完成させた協力監督に、「格闘技オリンピック」の南部英夫と「かっ鳶五郎」の長濱英高。小林信彦の同名小説を基に、前田監督と「よいお年を」の北里宇一郎がオリジナル脚本を執筆。撮影を「ヤンキー烈風隊」の満井坦彦が担当している。主演は「幻の光」の赤井英和。スーパー16ミリからのブローアップ。

1999年製作/91分/日本
配給:ギャガ・コミュニケーションズ
劇場公開日:1999年2月20日

ストーリー

6年の刑期を終え出所した二階堂組の黒田哲夫(赤井英和)。彼を待っていたのは、すっかり様子の違った娑婆であった。しかも、二階堂組も暴対法施行以降「ニカイドーエンタープライズ」とその名を変え、ケーブルテレビ局「坂津テレビ」を経営していたのである。早速大親分・須磨(室田日出夫)の言いつけで坂津テレビの局長に任命された黒田は、慣れないながらも局の女性ディレクター・荒川蘭子(つみきみほ)や、大学出の舎弟・原田(榊原直哉)らと一緒に、番組作りや契約取りに奮闘し始める。しかしそんな折、若い組員が何者かに拳銃で撃たれるという事件が起こった。しかも犯人は、大胆にも坂津テレビの生放送中に「やくざ狩り」ゲームを宣言してきた。果たして犯人は、二階堂組に恨みのある者なのだろうか? 黒田は犯人を探すべくあちこちを走り回るが、犠牲者は増えるばかり。だが、奇しくもやくざ狩りのニュースを伝える坂津テレビは契約帯数が増え、視聴率もアップしていくのだった。ようやく、蘭子たちの調査で犯人とおぼしき男が浮上した。その男は、かつてルーキーとしてプロ野球に入団したものの、二階堂組が仕組んだ八百長試合に巻き込まれて球界を追われた宮島(永島敏行)というバーのマスターだった。しかし、たった一度の過ちで一生身動きの取れなくなった宮島に親近感をおぼえた黒田は、どうしても彼が犯人とは思えなかった。やがて、犯人から二階堂組組長射殺の予告電話が入った。怯える二階堂(麿赤兒)。ところが、須磨の命令で彼は坂津球場のど真ん中で犯人の挑戦を受けることになってしまう。警察が監視する中、犯人の予告時間が刻々と迫る。そして、二階堂を見張る黒田の前に、警官に扮した犯人が銃を向けて走りだした。駆けつけた宮島が投げたボールのおかげで、黒田はひるんだ犯人の男を押さえつけることに成功。だが、その時すでに二階堂は何者かによって射殺されていた…。事件は、全て劇場型犯罪を狙った関口というコスプレマニアの仕業として処理された。しかし、実は二階堂を撃ったのは、二階堂の射殺現場独占中継で坂津テレビの高視聴率を企んだ須磨の放ったヒットマンだった。須磨に呼び出された黒田は、二階堂の跡目を継ぐように命じられる。その後、蘭子は東京のテレビ局に引き抜かれ、黒田と宮島もまた、それぞれの日常に戻っていくのであった。

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