次郎長青春篇 つっぱり清水港
劇場公開日:1982年12月28日
解説
博奕好きの青年・次郎長が、知り合った仲間と一緒に、やくざとして売り出すまでを描く。脚本は「土佐の一本釣り」の前田陽一と「神様のくれた赤ん坊」の南部英夫の共同執筆、監督も前田陽一、撮影は「なんとなく、クリスタル」の長沼六男がそれぞれ担当。
1982年製作/91分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1982年12月28日
ストーリー
気は優しくて力持ちの青年、次郎長だが博奕好きなのがたまにきずだ。母が死んだ日、フィアンセのおみつと墓の前で二度と博奕をしないことを誓う。その夜、賭場に行った次郎長は、母の香典ばかりか、おみつまでもカタに賭けて負けてしまう。翌日、やくざに連れて行かれるおみつを呆然と見送る次郎長。そこへ、幼なじみの小政が現れ、これからはやくざの時代だと次郎長を誘う。銀蔵と久兵衛の出入りに参加した二人だが、周囲はヤル気がなく、気合十分の敵側の青年、鬼吉とともに牢にブチ込まれてしまう。牢にいた大五郎に、今のやくざは共存共栄を企り、喧嘩などやらないと聞く。牢から出た次郎長、小政、鬼吉は銀蔵の賭場を荒し、まんまと大金を手に入れた。やくざ稼業はチョロイもんだと、再会した大五郎を仲間に入れた四人は次郎長一家を名乗った。しかし、思ったほど世間は甘くなく、四人はほうほうのていで萬七親分のところにワラジをぬいだ。そこで次郎長は、なんと萬七の後妻となっていたおみつと再会した。一歩間違えれば女郎に売られていたところだったので、萬七につくすとおみつは語った。かつては名親分と言われた萬七だが、古風なやくざにこだわるために落ち目となり、大政や直吉など数人の子分しかいない。次郎長は、萬七の命令を受け、お参りに行く道中、武家娘の志乃と、おとものやたら喧嘩早い石松に出会い、次郎長は彼女に一目惚れしてしまう。しかし、志乃には結婚を約束した勤皇の志士、数馬がいた。その頃、萬七の縄張りを狙う銀蔵は、次郎長がワラジをぬいでいることを言いがかりに喧嘩をしかけて来た。いよいよ出入りというとき、萬七は引退を表明する。次郎長、鬼吉、石松、小政、大政、直吉、大五郎の七人だけが残った。その夜、近くで数馬が銀蔵の手下に斬り殺された。実は、数馬は高い志も坐折し、勤皇の動きを幕府に伝えるスパイとなっており、銀蔵の下働きをもしていた。そして、幕府の力が弱くなってきたので、もし権力が変った場合を考え、数馬の存在が邪魔になったのだ。翌朝、数十人の手下を連れた銀蔵に七人は襲いかかった。激戦の末、七人は大勝利を得た。次郎長と石松は、志乃に数馬は勤皇のために立派に戦って死んだと話す。粋なやくざ姿で街道を歩く次郎長一家を、今は茶店をやっている萬七とおみつが見送っていた。