衝動殺人 息子よ

劇場公開日

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解説

息子を殺された父親の悲しみと、同様の境遇の人々と共に、被害者遺族を保護する法律を作る運動を進める姿を描く。昭和五十三年『中央公論』三月号に掲載された佐藤秀郎の同名のノンフィクションを映画化したもので、脚本は砂田量爾と「スリランカの愛と別れ」の木下恵介の共同執筆、監督も同作の木下恵介、撮影は「燃える秋」の岡崎宏三がそれぞれ担当。

1979年製作/131分/日本
原題:My Son! My Son!
配給:松竹

ストーリー

京浜工業地帯の一角で鉄工所を経営している川瀬周三は、昭和四十一年になって、めっきり身体のおとろえを覚え、工場の実務を二十六歳になる一人息子の武志に譲った。そして、秋には、妻・雪枝の郷里から田切杏子を迎え、結婚式をひかえていた。順風満帆、周三にはおだやかな老後が残されているだけのように思えた。昭和四十一年五月、武志は、友人吉川と近くの釣り堀に出かけた帰り道、ある若者に、すれ違った瞬間、腹部を刃物で刺された。武志の傷は深く、「お父さん、口惜しいよ、こんなことで死ぬなんて、仇は必ずとってくれよ」と言うと、周三の腕の中で息たえた。犯人は事件から三日後、自首してきた。ヤクザに「お前には蠅の一匹も殺せないだろう」と言われ、カッとなって、“誰でもいい、最初に行きちがった奴を殺そう”と話す。武志の葬儀を境に、周三の生活は一変した。工場を放り出し、墓地通いが続く。昭和四十二年二月、事件から十ヵ月近くして判決が下った。被告が未成年であり前途あることから〈五年乃至十年の不定期刑〉であった。軽すぎる刑に周三は怒った。周三は法律相談の窓口を訪ねるが、こうした故なき災害に対する被害者遺族の補償は全く無いに等しかった。周三は法律の勉強を始め、そして、事件発生以来熱心な取材にあたっている新聞記者、松崎から紹介された、娘を殺された中沢や全国の同様の境遇の人たちと被害者遺族を保護する法律を作ってもらうよう国会に働きかけることを誓う。周三は、工場を売却した資金で全国を回って、被害者遺族に会った。遺族の一人から京都の若手大学教授がこの間題に取りくんでいると聞き、周三は京都に行き、運動は大きく前進した。やがて、周三を中心とした全員の長い間の努力が実って、新聞やテレビも取り上げるようになり、政府も重い腰を上げた。昭和五十一年七月、周三は参考人として衆議院法務委員会へ招かれた。そこで法律の矛盾とこれまでの自分の体験を涙なからに訴えたのである。だが、その直後、周三は極度の疲労による心筋梗塞で倒れてしまった。昭和五十二年一月、周三は息子武志が息を引きとった病院で、六十六歳の生涯をとじた。枕元で妻雪枝がそっと語りかけた。「あとは私がひきついで、運動は続けていきますからね、見ていて下さいね」

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第3回 日本アカデミー賞(1980年)

受賞

主演男優賞 若山富三郎

ノミネート

作品賞  
監督賞 木下惠介
脚本賞 木下惠介 砂田量爾
主演女優賞 高峰秀子
音楽賞 木下忠司
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映画レビュー

4.0無差別通り魔殺人への憤りが貫徹した愛とメッセージの結晶

Gustavさん
2021年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

木下惠介監督の復活に拍手!
全盛期の映像美は無い。無差別通り魔殺人事件の社会問題に対する木下監督の憤りが、全編を通して貫かれ迷いがない。愛とメッセージの結晶。今日的なテーマを監督独自の叙情性と社会批評のバランスの上に表現した力作。主演若山富三郎の熱演と高峰秀子の秀演が作品の品格になる。

  1979年 12月9日  飯田橋佳作座

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Gustav

5.0・早い段階から現実に起こってることなんじゃないかという感覚になって...

小鳩組さん
2019年4月22日
iPhoneアプリから投稿

・早い段階から現実に起こってることなんじゃないかという感覚になってた
・題材からして当然だけど、事件や犯人より遺族について描かれる時間が長くて身近な出来事のよう
・とにかく富三郎のすごさを知った

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小鳩組
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