続社長行状記
劇場公開日:1966年2月25日
解説
「社長行状記」の笠原良三がシナリオを執筆、コンビの松林宗恵が監督したサラリーマンもの。撮影もコンビの鈴木斌。
1966年製作/90分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1966年2月25日
ストーリー
フランスのチオール商会と技術提携して、見事不況の既製服業界を乗り切った栗原サンライズKKの社長弥一郎は、好調のときこそ、現状に甘えず、次々に新手段を打ち出して益々社運の隆盛を計ろうとチオール商会の日本支配人安中との提携を、より発展させ、安くて魅力のある婦人既製服の製造販売に乗り出すことを思い立った。ところが、この安中という男、社長の秘書原田伸子をはじめ、秘書課長小島の妻洋子、弥一郎の最愛の妻峰子、行きつけバーのマダム町子らを、口説きまわる大変な男。これには弥一郎も堅物の後藤常務も大弱り。しかし、社運の隆盛のためには、目をつぶろうと、弥一郎の心は意外な程堅く、好きな馬もみんな売り払い、浮気も、色気もなしの聖戦を展開することになった。おさまらないのは佐々営業部長。接待費は押えられるし、パッパと芸者とも遊べないとあっては、派手好きの佐々にとっては、なぶり殺しにされるのと同様の苦痛だ。そんな時、佐々部長の待ち望んでいる絶好のチャンスが廻って来た。いよいよ安中が、生地を仕入れるための実地見学に、福井に出向くというのだ。勇躍した佐々の安中らへの接待ぶりは完壁だった。そうしたある日弥一郎は小島にほろ苦い青春の想い出を語った。金沢の兼六公園は、旧四高時代に芽ばえたプラトニック・ラブのゆかりの地なのだ。やがて、この視察旅行もとどこおりなく終り、一行は東京に帰った。が、それをおっかけるように、金沢の親友・金沢大学教授富岡が、弥一郎に地元の会社への融資を申しこんできた。義理と人情にからまれた弥一郎は、無理を承知で、これを承諾してしまった。仕方なく弥一郎は、自分の私財である馬を売り払い、このピンチをきり抜けた。弥一郎は巨万の金を貯えるより、平凡な社長である方が、より幸福であることに気づいた。