アカルイミライ
劇場公開日:2003年1月18日
解説
「CURE」「カリスマ」など話題作が続く黒沢清監督の「回路」(00)以来2年振りの新作。TV「サトラレ」などで人気のオダギリジョー、浅野忠信、藤竜也の3人が初共演。工場で働く雄二が、唯一心を許せる存在は同僚の守だけ。しかし、守はある日、大切に育てていたクラゲを雄二に残して、突然、姿を消す。呆然とする雄二の前に、守の父親が現れ、雄二は彼とともに暮らすようになる。
2002年製作/115分/日本
配給:アップリンク
スタッフ・キャスト
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2021年3月31日
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鑑賞方法:VOD
アカルイミライが待っていた、夢が正夢になった。と考えればまあよし。エンディングを高校生たちが歩く姿にしたのはなんかセンスいいな。
2021年2月22日
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この作品における「クラゲ」の立ち位置がとても秀逸だと思った。
生きているのか死んでいるのか分からない。見た目からは想像できないような猛毒を持つ。それなのに人を引きつけるような魔力がある。
これがそのままマモルが持ち、ユウジが獲得しつつあった「怪物性」の象徴になっていた。
この象徴がそのままメタファーになることで、クラゲとそれぞれの登場人物の関係性の変化が「怪物性」への向き合い方の変遷になっている。物語終盤、マモルの父が海に向かおうとしているクラゲに触れて刺されるところなんか物語序盤の父と子の面会室のくだりそのままだった。
父、上司、同僚、とクラゲに刺された(刺されかけた)彼らのことを考えると、マモルが向けていた敵意や排他的な意思がそのまま物語上のクラゲによる被害の大小になっていたようにも思えるそう考えると、物語中唯一姿が映らないクラゲの被害者である彼女はマモルが持つ「家庭」への敵意とも解釈できる。
ここで考えなければならないのが、他でもないマモル自身がクラゲを淡水へ馴染ませようとしていたことだ。クラゲが「怪物性」のメタファーだとするならば、マモルは「怪物性」と向き合いそれを不自然であるとしながら淡水という名の「社会」に馴染ませようとしていることになる。もしマモルが本当に「怪物性」を「社会」に馴染ませようとしていたのなら、それはきっと失敗してしまったのだろう。まるで物語中、ユウジがマモルからの指示が嫌になって水槽を倒してしまったように。
頭の中でまとめながら書いているから混乱してきた。
つまり何が言いたいかと言うと、物語内の「ユウジ&シンイチロウ(マモルの父)とクラゲの関係性の移り変わり」がそのまま「マモルが「怪物性」と向き合い失敗するまでの過程」の比喩になっており、それを俯瞰的に見る観客がメタ的に「怪物性」の存在と触れ合うという構図がこの映画にはあるのではないかということだ。
2020年7月15日
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鑑賞方法:DVD/BD
恐るべき傑作中の傑作です
2003年の公開の時にはそのテーマや意味や意義は判りづらかったかもしれません
しかし、公開から20年近くたった今ならそのテーマは明確に見えてきています
テーマは失われた10年いや今では20年なのだと思います
雄二も守も超氷河期世代です
ふわふわして何の目的もなく生きていく若者
それはクラゲです
しかし猛毒を秘めているのです
その毒で殺される人間も出るのです
雄二と守の父親世代は団塊の世代です
つまりあのおしぼり工場の社長や、守の父親の世代です
彼らはバブルと共に崩壊しつつあるかっての日本そのものです
おしぼり工場の社長は昭和の人間関係を象徴しています
電器製品リサイクル店の親父は、正に家電製品や電子機器で世界を制覇した産業日本の象徴です
どちらも、もはや時代遅れになってしまっているのです
それを認めようとせずにいつまでもそのままでいようとしています
明るい未来を信じていた人なのです
マモルはそのどちらも拒否したのです
そして自分の未来も拒否したのです
彼は雄二に
「行け」のサインを出していました
つまり我に続けのサインでした
雄二はそのサインを見過ごしてしまいますが
クラゲを東京の中に放ってしまうのです
結果的にそのサインは実行されました
クラゲは増殖して運河や川にいっぱいになって流れていくのです
あの不良高校生達は、バブル崩壊とともにうまれた子供達です
かれらはバブル崩壊後の日本しか知らずに育ってきたのです
かれらは生まれながらにしてくらげなのです
海水でなくても生きていけるクラゲなのです
ラストシーン
遊歩道を歩く不良高校生達
その後ろに同年齢の子供達が続いて行きます
あの運河、そしてやがて川いっぱいに流れていくクラゲの光景と同じ光景なのです
そして今は2020年
事態は進行していくばかりです
誰の目にもクラゲがいっぱいだと分かるようになりました
運河も川もクラゲでいっぱいです
クラゲは駆除されなかったのです
その守もいまは40歳くらいの中年男です
彼は家庭を持ったのでしょうか?
子供を持ったのでしょうか?
彼の老後はどうなるのでしょうか?
子供がいたならどういう未来が待っているのでしょうか?
アカルイミライ
明るい未来とどうして漢字ではないのでしょうか?
そんなもの実態はない、信じちゃいない
言葉だけのもので意味はないのです
だから発音だけのカタカナなのです
日本の未来
それこそクラゲのようにふわふわして浮遊してどこにどう流れていくものかわからないのです
失われた10年は20年となり、30年にもなるかも知れなません
もしかしたら明るい未来なんて来ない知れないのです
バブル崩壊に続く日本の実相を描いた名作です
これこそ絶対に映画にしなければならないテーマです
誰かがやらなくてはならないのです
だからこそ黒沢清監督が撮ったのです
日本の映画の最先端にいるのは黒沢清監督です
2020年6月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
何を撮りたかったのかな…
クラゲかな
アパートかな
ボロい一軒家かな
ゾンビみたいな服かな
運転席と助手席の二画面かな
地下に降りる階段のある面会室かな
どれも良い画面だけど
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あ!子役の松山ケンイチを見逃さなかったあたしエライ