サラリーマン清水港
劇場公開日:1962年1月3日
解説
「南の島に雪が降る(1961)」の笠原良三のオリジナル・シナリオを「続社長道中記 女親分対決の巻」の松林宗恵が監督したサラリーマン喜劇。撮影は「香港の夜」の西垣六郎。パースペクタ立体音響。
1962年製作/92分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1962年1月3日
ストーリー
株式会社清水屋といえば一流の酒造会社である。清水屋が今日あるは社長の山本長五郎一人が偉かったのではない。その名も清水二十八人衆と知られた、口も八丁手も八丁の模範社員が控えていたからである。商売仇である黒駒醸造はブラック・ホースというウィスキーを新造。これに対抗すべく清水屋はマウント・フジなる新酒を試作した。そんなところへ中国のバイヤー邱六漢が、酒の大量買入のために日本にやってきた。専務の大柾、工場長の小政、秘書課長石松の三人は、邱六漢を芸者〆蝶の誕生パーテーに招待した。だが、清水屋の特級酒は邱六漢に合成酒とけなされてしまった。あわてた長五郎は、銀座のバー“千代子”に河岸をかえ、マウント・フジを持ち出したが、一足先に運ばれたブラック・ホースに邱六漢は軍配をあげた。清水屋挽回に残された機会は、創立三十周年記念行事でその総力を示すことだった。清水港をあげての祭典も石松のガール・フレンド妙子が、追分と婚約したことから、石松の泥酔となり、会はメチャクチャとなってしまった。しかし、ヤケクソとなった石松の飲む焼酎をなめた邱六漢の目が輝いた。邱六漢はこの焼酎の大量契約を申し込んできた。清水の二十八人衆は原料の乾し芋を仕入れに四国に急行した。だが、社長の長五郎は〆蝶の誘惑をうけて大阪でストップ。金比羅代参のために一と足先に到着した石松を待っていたのは黒駒に買収されたイモ会社の社長都田吉兵衛だった。黒駒のワナにかかって禁酒を破った石松は、都田の寝返りを怒って鉄拳をふるってしまった。一大事の電話をうけて都田の家にかけつけた長五郎をみて、吉兵衛の妻時子は首をかしげた。吉兵衛は長五郎と逢うということで家をあけていたのである。吉兵衛は時子にさんざん油を絞られた。時子と娘京子の口添えで、都田の芋も長五郎に売り渡されることになった。--遥かに見はるかす富士の山。清水屋は今日も日本晴れだが、大柾、石松の子分達は、親分の浮気未遂の決算を、蝶子に報告すべくテンテコ舞いであった。