自動車泥棒
劇場公開日:1964年10月4日
解説
新人和田嘉訓のオリジナル・シナリオを、和田嘉訓が監督した青春もの。撮影は福沢康道。
1964年製作/98分/日本
原題または英題:Car Thieves
配給:東宝
劇場公開日:1964年10月4日
ストーリー
神聖ホームの孤児、酋長は今日も、仲間のアントニオ、ワラジ、ゼニガメ、コング、ゴロツキ、コムギらと共に駐車したジャガーから車輪を盗み出した。酋長の夢は、自分達で自動車を粗立てて日本を脱出し、アフリカに渡ることだった。彼等の秘密のアジト防空壕には、これまでの戦利品--自動車の部分品が山積していた。ある日、仲間の一人ハツコが、新宿のスケートリンクで知りあった大学生朝雄にいただかれてしまった。怒った酋長は、朝雄を呼びだして痛めつけた。が、どうやらハツコは朝雄にほれてしまったらしい。始末にこまった酋長は朝雄を捕虜として、防空壕にとじこめた。都合のよいことに、朝雄は自動車の運転免許を持っていたのだ。そんなうちに、神聖ホームは創立十周年記念をむかえた。創立者エスラン大師の前に、一同は整列した。エスラン大師の乗って来たベンツを見て酋長の眼が輝いた。ベンツのエンジンをいただこうというのだ。エスランがホームに入ったすきを見計らって、酋長とその仲間は、エンジンを取りはずして防空壕に持ちこんだ。準備はととのった。が、そんなときになって仲間のゼニガメやアントニオがホームを去っていった。だが、はじめは逃げ腰だった朝雄が、今はやる気になって酋長と協力して、自動車を組みたてた。やがて自動車は完成し、酋長、ワラジ、朝雄を乗せて、ホームをとびだした。横須賀に着いた酋長は、ワラジ、朝雄を残して、一人銀行を襲った。が、襲撃は失敗し、MPに追われた酋長は、防空壕に逃げ帰った。しかしMPの弾丸が車にあたり、酋長は車もろとも爆発し、消えてしまった。やがてかけつけた朝雄の眼前に、幻のようにヨットが近づき、それが酋長の眼に変り、さらに逆立したキリンとなってまた吸いこまれるように海のかなたに消えていった。