月光の夏

劇場公開日:

解説

出撃前の最後の思い出にピアノを弾き、戦死していった若き特攻隊員の実話をもとに描くドラマ。ラジオドラマの構成も書いた毛利恒之の原作(汐文社・刊)・脚本を、「遠き落日」の神山征二郎が監督。実話の地元佐賀県鳥栖市を中心した九州各地での映画製作の資金協力も話題となった。

1993年製作/112分/日本
配給:ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画=映画『月光の夏』全国配給委員会
劇場公開日:1993年6月12日

ストーリー

吉岡公子はかつて教師として勤めた鳥栖小学校の古いグランドピアノについて忘れられない思い出を持っていた。昭和二〇年初夏、当時ピアノ係をしていた公子のところに、目達原基地から二人の青年特攻隊員が訪れた。生きては帰れぬ出撃を前にどうしてもピアノが弾きたいと、一人の青年はベートーベンのピアノソナタ『月光』を、もう一方の青年は『海ゆかば』を弾いて基地に帰っていった。二か月後に戦争は終わった。公子が語るその思い出は新聞やラジオで報道され、平和の記念碑としてピアノは保存されることになった。地元ラジオ局の石田りえはドキュメンタリー作家の三池安文と共にピアノを弾いたと思われる元少尉風間森介を訪ねるが、風間は何も語ろうとしない。石田たちは生き残った特攻隊員に取材を重ね、特攻出撃を途中で放棄した隊員を幽閉していた“振武寮”の存在を知り、特攻平和記念館で『月光』を弾いた海野光彦少尉の遺影を発見する。それをきっかけに風間の閉ざされた心は徐々に開き、エンジンの不調で特攻から引き返したこと、“振武寮”に入れられた屈辱と絶望の日々のことを語り始めた。半世紀を経て思い出のピアノと再会した風間は、当時を振り返りながら『月光』を奏でるのだった。

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映画レビュー

3.5クラシックとのマッチング

2019年10月31日
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鑑賞方法:映画館

ただの特攻の悲劇ではなく、月光というクラシックをベースにして語られる作品。今は亡き田中実の実直な演技を観よ。

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