黒田騒動

劇場公開日:

解説

北条秀司の原作を「ふり袖小天狗」の高岩肇が脚色し「自分の穴の中で」の内田吐夢が監督、「続・獅子丸一平」の吉田貞次が撮影を担当した。主なる出演者は、「荒獅子判官」の片岡千恵蔵、「御存知快傑黒頭巾 新選組追撃」の大友柳太朗、「美女と怪龍」の片岡栄二郎、「まぼろし怪盗団 (三部作)」の南原伸二、「青い果実」の三浦光子、「織田信長」の高千穂ひづる、「殺人現行犯」の中原ひとみなど。

1956年製作/108分/日本
劇場公開日:1956年1月8日

ストーリー

家康の没後十数年、いまや徳川幕府は外様大名の取り潰しと切支丹弾圧に必死だった。外様大名の雄、筑前の黒田長政は五十二万石の安泰を図るため、剛毅な嫡子忠之の廃嫡を決意するが、若侍たちの訴願と城代家老栗山大膳の忠誠に動かされ、大膳に後事を託して永眠した。家督をついだ忠之は鷹狩りの一日、猟師弥次兵衛の娘お秀を見染めて側室に迎え、弥次兵衛を士分として抱えた。また、忠之は軽輩から取り立てた寵臣倉橋十太夫の進言で二百人の足軽隊を組織し、鉄砲、大砲を調練させ、事態を憂慮する大膳の諌言に耳をかさなかった。大膳の長崎勤番の留守中、忠之は切支丹信徒のお秀の方の懇望で、禁制の軍船建造に着手したが、賦金の倍額取り立て、作業員の使役、強制寄附など、漸く領民に怨嗟の声が昂まった。幕府は大目付竹中妥女正を実情調査に差し向けたが、これを知った大膳は途中で足止めさせ、腹心に命じて軍船を焼き払った。激怒した忠之が討手を向けるや、主家を救うため、大膳は幕府に忠之を訴え出たのである。江戸城中に忠之、十太夫らと対決した大膳は、奸臣らの罪状をあばいて、忠之に謀叛の意志のないことを力説した末、切支丹信徒からお秀の方にあてた重大な密書を老中に提出した。かくて、忠之にはお咎めがなく、筑前から福岡五十二万石に国替えとなり、主家に汚名をきせたかどで、大膳は家名断絶を申し渡された。十太夫は遠島に、お秀の方も逐電した。もはや後顧の憂いなく、ただひとり広い書院に端坐する大膳の胸に去来するのは、遂に主家を守り抜くことができたという喜びであった。

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