黒い海峡
劇場公開日:1964年12月31日
解説
「ギター抱えたひとり旅」の山崎滋と「男の紋章 喧嘩状」の甲斐久尊が共同でシナリオを執筆「愛しながらの別れ」の江崎実生が監督したアクションもの。撮影は「敗れざるもの」の横山実。
1964年製作/103分/日本
配給:日活
劇場公開日:1964年12月31日
ストーリー
槙はボスの船場にいわれるままに船場の恐れる邪魔者を消し、そのまま警察に自首した。数年前、槙は人を轢き殺し、さらに父にも自殺された。そんな苦境を救ってくれたのが船場だったのだ。やがて三年の月日がたち、槙は久方ぶりに横浜に舞いもどった。以前は新興勢力だった船場組も、今では港湾荷役を一手に仕切る横浜一の組にのし上っていた。また槙をしたっていた船場の娘則子は、父と喧嘩し家を飛び出し、デザイナーとして独立していた。だが槙が帰ったのを知った則子は自から愛を打ち明けた。“とっつあん”と呼ばれて組の者に親しまれている竜作老人も、そんな二人を祝福した。一方槙の同僚哲次は、一年前に知り合った歌手知佐子と平和な家庭を築こうとしていた。そんなある日、ペイの取引きに出た哲次が、身内の山下を刺すと、そのままペイを持逃げして姿を消してしまった。槙はボスの命令で、神戸に哲次の姿を追ってとんだ。神戸には昔船場が面倒をみた藤野の一人娘敏子が、ステーキ・ハウスを開いていた。藤野の情報で槙は、キャバレーで歌う知佐子をみつけた。また、槙はそのころになって、自分の後を影のようにつける船場の雇ったボディー・ガード尾崎の存在を知った。知佐子の出演しているキャバレーは神戸一のボス大月のものだった。知佐子は今では大月の情婦となっていた。大月はそんな知佐子の後をつけまわす槙を消そうと、哲次をそそのかし殺させようとした。月あかりの別荘で二人は対決した。が、ここで槙は哲次から以外な事実を聞かされた。槙の父が自殺をしたのは船場の脅迫がもとであり、轢き殺したと思った人間も、船場組の竜作老人であること、また哲次が逃げ出したのも、船場から殺人の現場をみた知佐子を消せといわれたからだった。二人はお互いの非を詑び、哲次は槙の協力で知佐子をとりもどすと北海道にたった。横浜に帰った槙の前に、船場と、船場にそそのかされた則子の弟三郎が立ふさがった。が、意外にも竜作の弾丸が船場を倒した。泣きくずれる則子を後に槙は悄然と港を後にした。