雲霧仁左衛門
劇場公開日:1978年7月1日
解説
非情な武家組織に追われて盗賊と化した男と、彼に熾烈な闘争を挑む火付盗賊改めの姿を描く、池波正太郎原作の同名小説の映画化。脚本は「影狩り」の池上金男、監督は「暴力街(1974)」の五社英雄、撮影は「愛情の設計」の小杉正雄がそれぞれ担当。
1978年製作/160分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1978年7月1日
あらすじ
享保七年頃、江戸では豪商富商が次々と襲われ大金を奪われる事件が頻繁に発生していた。強力な犯罪取締りの権限をもつ火付盗賊改め長官・安部式部は、怪盗雲霧一味の捜査に全力を傾注していたが手がかりは掴めなかった。ある晩、雲霧一味は式部の裏をかき、まんまと油問屋武蔵屋を襲う。事前に一味を武蔵屋に配し、金のありかを探知したところで根こそぎかっさらい、姿をくらました雲霧の名は一段と広まり、式部のいらだちは増していった。雲霧仁左衛門は、十年程前、公金横領の罪をかぶせ、家を焼き払ったうえ、許婚者の志乃まで奪った重臣たちへの怨念をはらすべく、天下の法に戦いを挑んでいたのであった。泥棒稼業から足を洗おうとしていた雲霧は最後の仕事として、尾張屈指の呉服商、松屋を狙う。一方、雲霧一味の動きを探知した式部も部下の山田や千秋ら腹心を従えて一味を追った。また、侍にしてもらう代償として、雲霧を捕える事を要求されていた富の市も、式部とは別に雲霧を追っていた。その頃松屋では、千代が店に入り込み人気を集め、主人の松屋吉兵衛は彼女を後妻にむかえようとする。松屋襲撃の日、火付盗賊改めも続々と尾張へ集まり、雲霧の動きを待った。雲霧一味は音もたてずに松屋に侵入し、金蔵を破り、金箱を舟に積み込んだ。最後の一箱を積み終えた時、突然対岸に火付盗賊改めが現れ、血みどろの死闘が始まる。夜が明けて戦いは終わったが、吉五郎をはじめ雲霧一味は殆が捕えられるか斬殺された。しかし、その中に雲霧の姿がなかったため、式部は雲霧捕縛に追求の手をゆるめなかった。そんな時、蔵之助が弟の身替りとなって、自首してくる。雲霧は兄の仇と己の怨みを晴らすべく、単身で尾張藩主継友、家老荒木十太夫を襲った。しかし、そこで雲霧は十年ぶりに再会した志乃から、継友の息子松寿丸は雲霧の子供であった事実を明かされ、驚愕する。志乃はそれを告げて果てた。そして秋、江戸広徳寺に式部が建てた雲霧の石塔の前で隠世姿の式部と僧姿の雲霧が、手向けの水と真白な花を各々携えてすれ違った。おたがいの心を輝く瞳の中にひめながら、激しく燃えた男同士の戦いは、ここに幕を閉じたのであった。
スタッフ・キャスト
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雲霧仁左衛門仲代達矢
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七化けの千代岩下志麻
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木鼠吉五郎長門裕之
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因果小僧六之助あおい輝彦
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黒塚のお松倍賞美津子
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州走りの熊五郎夏八木勲
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山猫三次川谷拓三
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治平下川辰平
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三坪の伝次郎松野健一
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大工小僧七松隆大介
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犬神の亀造早川純一
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安部式部松本幸四郎(9代目)
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山田藤兵衛高松英郎
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千秋与茂七内田良平
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岡田甚之勘山城新伍
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高瀬俵太郎石橋正次
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柳助次郎佐藤京一
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井口源助橋本功
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津山伝七原田清人
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政蔵稲葉義男
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おまき宮下順子
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富の市宍戸錠
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暁星右衛門山本麟一
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櫓の福右衛門成田三樹夫
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駒寺の利吉田中邦衛
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松屋吉兵衛丹波哲郎
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お伊玖の方(志乃)松坂慶子
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尾張中納言山口崇
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荒木十太夫梅宮辰夫
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大久保佐渡守加藤剛
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辻蔵之助初代松本白鸚
受賞歴
第2回 日本アカデミー賞(1979年)
ノミネート
| 助演女優賞 | 宮下順子 |
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用心棒
海辺のリア
椿三十郎
秋刀魚の味 ニューデジタルリマスター
影武者
鬼龍院花子の生涯
二百三高地
切腹
疑惑
ハチ公物語







