グッドバイ(1989)

劇場公開日:

解説

1970年代の初め、学生運動の中で挫折していく青年の愛を描く。脚本・監督はPFF出身の加藤哲、撮影は塩谷真がそれぞれ担当。

1989年製作/日本
劇場公開日:1989年9月9日

ストーリー

全共闘運動に翳りの見え始めた1970年代の初め。ノンポリで映画青年の守は、黒のセーターとジーンズの似合う女性活動家・澄江と出逢った。彼女の生意気な口調に反発を感じつつも、守はその少女のような愛らしさに惹かれていった。次第に守は澄江の姿を求めて、集会にも顔を出すようになった。ある日、守は内ゲバの乱闘から澄江を救い出し、二人は手を取って逃げた。その時から二人が恋におちるのを誰も止められなかった。しかし、ストイックに運動へ青春を捧げていた澄江の仲間たちは二人を吊しあげた。澄江との楽しい日々を送っていた守だったが、初めてデモに参加した日に乱闘に巻き込まれて頭に重傷を負った。澄江は自分がデモに誘ったことを悔い、何度も病院を見舞ってくれたが、やがて来なくなった。守は退院したが、思考はままならずろくに口も利けなかった。澄江のことが忘れられず、守はボーッとした毎日を送っていたが、ある日、澄江と自分の親友・杉崎が付き合っていることを知りショックを受けた。澄江が落ち込んでいる時、杉崎が支えになってやり、愛が生まれたのだった。澄江も杉崎も守のことが気になりながらどうすることもできなかった。守は妹に付き添われておもちゃ工場で働き始めるが、そこへ澄江と杉崎が見舞った。しかし守は錯乱状態になる。守は幻想の中で、ピエロとなり、澄江と杉崎の結婚式に現われた。そして、澄江を連れ出すと守は元戻りの姿になり、彼女もウェディングドレスを脱ぐと黒いセーター姿になったのだった。

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