続・兄弟仁義
劇場公開日:1966年8月13日
解説
「大陸流れ者」の村尾昭が脚本を執筆、コンビの山下耕作が監督した仁侠もの。撮影は「骨までしゃぶる」のわし尾元也。
1966年製作/89分/日本
配給:東映
劇場公開日:1966年8月13日
ストーリー
大正初期である。渡世人桜井清次が上州伊勢崎の土木請負業者梅原利三郎の助っ人をするためやって来た。折しも利三郎は利根川護岸工事を博徒の親分岩佐時蔵に妨害され、縄張りをも狙われていたのである。利三郎に初めて会った清次は彼の侠気にすっかり惚れ、護岸工事に打ちこもうとする利三郎の心中を察すると、単身時蔵一家に殴り込んだ。しかし代貸龍吉を傷つけただけで取り押えられてしまった。そこへ利三郎とは兄弟分の流れ者稲上長次郎が入り、その場を静め、また居合わせた武州の大親分で時蔵にとっては叔父の藤ケ谷初太郎が清次の身をあづかることにして丸く収めた。更に初太郎はこの喧嘩ならずと、利三郎と時蔵を和解させて手打ちの披露をした。それを面白く思わない時蔵は手打式の後の花会を龍吉につとめさせ、ひそかに初太郎暗殺の計画を練っていた。時蔵一家にあってひとり龍吉だけがまともで、清次も敵ながら男の友情を感じていた。龍吉は必死に時蔵の初太郎暗殺を止めさせようとしたが、事もあろうに時蔵は龍吉に刺客を命じた。龍吉は身のまわりのものを一切恋人のきくに送ると、死を覚悟で初太郎の許にかけつけた。そしてあえなく血に染まって倒れる龍吉を見た清次は、龍吉に刺客を命じた時蔵がにくかった。彼はきくに別れを告げ、時蔵の家へ向った。時を同じくして時蔵の非情さに怒った長次郎は、息子の長吉を利三郎夫婦に託すと、時蔵を斬りに出た。途中で合流した清次と長次郎は気合鋭く、喧嘩仕度ものものしい時蔵一家の子分たちを一蹴し、逃げ腰の時蔵を斬り捨てた。そして自ら警察の縛についた長次郎を見送る初太郎、利三郎、清次の目に涙が光っていた。平和に戻った伊勢崎の町並に、今年も祭の名物縦樽音頭が響きわたるのだった。