牛乳屋フランキー

劇場公開日:

解説

森永乳業提供、キノトオル・小野田勇合作、文化放送連続放送劇の明るいユーモアとペーソスに満ちた物語。脚本は「飢える魂」の柳沢類寿、「しあわせはどこに」の西河克己、中平康が共同脚色、「夏の嵐」に次いで中平康が監督する。撮影は「逆光線」の姫田真佐久。主な出演者は「妻恋峠」のフランキー堺、南寿美子、「デンスケの宣伝狂」の市村俊幸、「隣の嫁」の利根はる恵、「愛は降る星のかなたに」の小園蓉子、「若いお巡りさん」の宍戸錠、その他、中原早苗、岡田眞澄、杉幸彦など。

1956年製作/84分/日本
配給:日活
劇場公開日:1956年12月5日

ストーリー

堺六平太は長州の追分から遥々上京してきた。それというのも堺家の遠縁に当る杉香苗が営む牛乳屋が商売仇のブルドッグ牛乳屋に邪魔され苦境に陥ったのを応援するためで、六平太は祖父の小五郎翁の長州男児の名を恥かしめぬよう、という訓戒を受けて勇躍やって来たのだ。ところが香苗の店は五十万円の借金があったり同僚の新吾がブルドッグに寝返ったりでうまく行かない。六平太はしかし一生懸命。牛乳配達ばかりか、撮影所に勤める松原君の恋文を南郷隆盛翁の娘英子に届けてやったりする。アパートに一人住いのマサヨは仲々のお色気の持主だが人使いもうまい。六平太は初対面ながら掃除までさせられ揚句に洗面器をひっくり返す。マサヨの悲鳴に、彼女に予て眼をつけていたブルドッグの親爺が、そこへ乗込んできて六平太との間に大喧嘩が始まるが、六平太は祖父の訓戒を思い出して次の配達先へ急ぐ。サービス本位の六平太は、こうしてお得意をふやして行くが、ある日、杉牛乳店にマサヨが来た。鼻下長のブルドッグの親爺を丸めこんで、この店をバーにするため五十万円の借金を種に掛合に来たのだ。遂に六平太は故郷の祖父に泣きつく。しかし上京した小五郎翁も金の方はさっぱり。困りぬいたところへ南郷隆盛氏が乗込んできた。松原君の英子宛に出した恋文を六平太が出したものと怒鳴りに来たのだ。ところが小五郎翁と隆盛翁は昔の話から逆に打解け、隆盛は、金ばかりか英子も六平太に差上げると言出す。慌てたのは六平太、漸く奇計を案じ、うまく英子を松原君の花嫁にすることに成功する。ブルドッグに五十万円も返し杉牛乳店はお得意が増える一方、六平太の人気は上り、ブルドッグは脱税がバレて散々の体となった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

3.5温かみあるお人よしの配達が巻き込まれるドタバタ喜劇

2022年1月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

1956年若き頃のフランキー堺の日活映画。中平康監督。喜劇映画の傑作と言われている。翌年1957年には川島雄三監督の「幕末太陽傳」に出演する。
様々な役どころをこなすフランキー堺であるが、この映画はドタバタ劇的なお笑い、人情映画である。今ではあまり見かけない牛乳瓶での朝の配達先で起こす「サービス」をモットーとした何でも屋は、庶民生活の中で温かみあるお人よしの配達人をうまく醸し出している。
個人的にはフランキー堺のキャラクターはあまり気に入ってはいないが、プロのジャズ・ドラマーからの俳優への転身後の映画として、人気を博したのもうなづける。

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M.Joe

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