君を忘れない(1995)
劇場公開日:1995年9月23日
解説
戦争という暗く悲しい時代を、明るく懸命に生き抜いた7人の若きゼロ戦乗りたちの、恋と友情を描いた青春物語。監督は「居酒屋ゆうれい」の渡邊孝好。脚本は「エンジェル 僕の歌は君の歌」でも渡邊と組んだ長谷川康雄。撮影監督は「サンクチュアリ」の高間賢治がつとめ、キャストには「高校教師」の唐沢寿明、「シュート!」の木村拓哉ほか豪華なメンバーが顔を揃えている。
1995年製作/日本
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1995年9月23日
ストーリー
1945年、蓑屋航空基地。海軍の若きエリート大尉・望月晋平は軍の特攻作戦への反発から腕のたつパイロットを育てるため、自ら隊長となり302特別飛行隊を組織した。しかし、部下として集まってきたのは、水を飲んでも太ってしまうという肥満体で高所恐怖症の高松一飛曹、ジャズをこよなく愛し唯一の慰めとして常にハーモニカを持ち歩く佐伯少尉、東京帝大出で反戦主義者の早川少尉、輝かしい戦績を挙げながらも心に傷をもち続ける軍国少年・三浦少尉、整備兵上がりで飛行機マニアの森一飛曹、海軍兵学校をトップで卒業し、望月の後輩でありながら彼との確執を隠しきれない上田少尉と、いずれもかなりの変わり者ばかりだった。しかも、上田と三浦以外はとてもパイロットと呼べるような操縦技術の持ち主ではなかった。しかし、激しい飛行訓練を通じて、始めはバラバラだった七人の心には少しずつ連帯感が生まれていた。そんな日々の中で、早川は偶然連れられて行った遊郭の娘・緑と激しい恋に陥ちる。戦火はますます激しくなり、他の隊の仲間たちは軍からの特攻命令を受け、次々と飛び立っていった。望月の別れた恋人・志津子に想いを寄せ、事あるごとに望月と対立し続ける上田は、特攻という作戦の必然性について望月に激しく問いかけるが、彼は何も答えようとはしない。ある日、302特別飛行隊に三日間の休暇が伝えられる。佐伯は残してきた妻子と金網ごしの再会を果たし、三浦は遠く秋田から祖母を迎えた。不安と苛立ちから、早川は夜中に隊を抜け出し、緑の元へと走る。切ない思いで緑は一緒に逃げてと早川に訴えるが、早川は脱走兵として捕らえられてしまう。望月は自分の使いで早川を町に出したと嘘をついてかばうのだった。七人が揃い、ついに出撃の日がやってきた。その前夜、望月は隊員たちの部屋を訪れ、初めて様々な自らの思いを語った。沈黙の後、高松は「俺はみんなのこと忘れませんから。ずっと覚えてますから」と答えるのだった。出撃の朝、望月は一つの苦しい決断を迫られていた。父であり上官でもある望月中将に呼び出され、戦果確認のために一機だけ帰還させるようにとの命令を受けていたのだ。望月は自分が残るよう父に命じられていたが、古いピアノで優しくメロディを奏でる佐伯を見て決心する。佐伯を指名した望月は、抵抗して暴れる彼の手のひらに弾丸を打ちこんだ。望月は操縦桿を握れなくなった佐伯に、生き残ってこの戦争のことを息子に話して聞かせてやれと頼むのだった。そして、佐伯を除いた六人は笑顔で戦闘機に乗り込み、青空へ向かって飛び立っていった。
スタッフ・キャスト
受賞歴
第19回 日本アカデミー賞(1996年)
ノミネート
話題賞 作品部門/俳優部門 |
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