喜劇 負けてたまるか!
劇場公開日:1970年6月13日
解説
野坂昭如の原作を「クレージーの殴り込み清水港」の田波靖男が脚色し、コンビを組んだ坪島孝が監督した喜劇。撮影は「野獣の復活」の内海正治が担当。
1970年製作/90分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1970年6月13日
ストーリー
「もはや戦後ではない」と言われた昭和三十一年。大学を中退した寺川友三は、ほそぼそと生活していたが、ふとしたことから黒井組の親分の仙吉を知り、その紹介で流行作詞家の奥田斗志夫に弟子入りした。だが、そこは、海千山千の連中の集まるガタガタ事務所だった。日頃のうっぷんを晴らすべく、久しぶりに事務員・良子と外出した友三は、その夜、飲むほどに酔うほどに、良子が心の恋人の左右田美智子に見えて、とうとう、彼女を抱いてしまった。こうなれば女は強い。亭主がいるからと尻り込みする友三を、良子は泣き落し戦術で口説き、強引に妻の座に居坐ってしまった。そろそろ運が向いてきた。ラジオ作家の大庭と知り合った友三は、独立のチャンスとばかり、放送企画研究所なるCM会社を作り、そこで初仕事として電気メーカーの専属代理店の大京企画に狙いをつけ、良子の前夫・銀之助と一緒に、CMテープの試作品をもって営業部長東妻のところへ乗り込んだ。だが仕事に関係ないエロ・テープの入手を頼まれ、友三はほとほと困ってしまった。仕方なく友三は越井とねじり鉢巻きで、腕立て伏せをやったり、自分の腕にキスしたりの大熱演。このお蔭で、やっと、東妻から仕事を貰った友三たちは、口紅のCMソングで一躍CM業界のトップにおどり出たが、これも、束の間、友三の椅子は、いつのまにか伏兵・銀之助に奪われてしまった。だが、友三は負けてはいない。次々に時代で変るトップ企業の変動で即座にくるくる変るCM業界の裏側を縫って水虫の友ちゃんは頑張って行く。