神田川

劇場公開日:1974年4月6日

解説

ヒット曲「神田川」を作詞した喜多条忠が、自らの愛と焦燥の学生生活を綴って書き下した同名小説の映画化。脚本は「喜劇 泥棒大家族 天下を取る」の中西隆三、監督は「忍ぶ糸」の出目昌伸、撮影も同作の源一民がそれぞれ担当。

1974年製作/84分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1974年4月6日

あらすじ

大学の人形劇サークルに所属している上条真は、巡業先で顔を合せた少女のことが忘れられなかった。東京。その少女との再会は偶然に訪れた。少女の名前は池間みち子、印刷場に勤める貧しい少女だった。二人の偶然の再会は、翌日神田川上流の散策を約束するまでに発展し、料亭の下働きで娘に金をせびる母を持つみち子、アルバイトをしながら自己の主張を人形劇に託して行動する真、そんな貧しい二人の心に、いつしか愛が生まれていった。そんなある日、真は、みち子をモデルに書き上げた「新かぐや姫」が仲間には不評だったり、エリートコースを辿っている兄から、彼の生き方を強く誹謗した手紙が届いたことから、酒に酔い、その勢いでみち子のアパートへ向った。完全に理性を失った真は、無理矢理にみち子を犯そうとするが、彼女は頑強に拒んだ。真は後悔の念を残し、北陸の巡回公演に出発した。公演は大成功たった。そして、その夜、みち子が真に全てを与えるために北陸の地まで追いかけて来ていた。燃え上る焚火の炎の中で二人は結ばれた。やがて、真とみち子の同棲生活が始まり、みち子は妊娠した。だがそれを知った真の兄は、検診と偽り、友人の医者のもとにみち子を連れ出し、強引に中絶を敢行した。真はサークルをやめた。二人の生活を守るために働かなくてはならなかった。だが、焦燥と貧困の中に、二人の生活を学業をなげうってまで働く真を見ることは、みち子には耐えられなかった。そんな時、サークルの仲間であるビゼンとマキシが雪山で心中した。ビゼンはみち子への、マキシは真への、それぞれの愛を遂行できなかったために死を選んだのだった。二人の遺体を見ながら、みち子はいつか真と離れなければならない自分の運命を悟り、真の「二人で生きよう……」との言葉にも、涙にぬれる顔を横にふり続けるだけであった……。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.50066 ワタシはもう忘れました。♪~

2024年7月13日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

1974年公開
まあ暗い物語
この時代はだいたい貧乏→出会い→不幸
で救いようのないシャシンばかり。
4年後に高校の文化祭で映画研究部が招聘。
特撮ものでカッコイーと思った草刈正雄と
お綺麗な関根恵子共演なので観に行ったが、
家に反発して身ごもって別れて
ってもうやめてくれー。

サントリーのCM
気分上々ハイニッカの演技はオットコ前炸裂でした。
50点
初鑑賞 1978年10月1日

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共感した! 1件)
NWFchamp1973

3.0古きよき昭和の映像

2018年8月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

当時美男 美女だった草刈 高橋が今とは異なる若い男女を描いてる!

コメントする (0件)
共感した! 1件)
ゆたぼー

2.0こんな腹立たしい映画も久方ぶりです お薦めできません

2025年6月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

神田川
1974年公開、東宝
主演 草刈正雄、関根恵子

もちろん、四畳半フォークの名曲「神田川」の映画化作品
そのはずなのですが

神田川は1973年9月20日の発売
すぐに大ヒットとなり、その年の紅白の出場候補になります(出場は辞退)
この唄の歌詞が極めて映像的でもあり、映画化という自然な流れです
なので、この曲が流れるものと当然期待しているのに、全く流れません、劇伴もその曲をアレンジしたものを何パターンも繰り出して涙腺を緩めにかかるということもありません
物語が終わり、ラストになってようやく曲が流れます
物語は歌詞の世界とは関係の無いもので、舞台が同じ神田川と言うだけの別の映画を間違って見ているかのような気分になります

しかも神田川のはずなのに私達観客は終盤には、山形鳴子の雪の山中に連れていかれているのです
そんなところに連れて行かれたくなんてないのに
連合赤軍の山岳ベース事件という
雪山での壮絶なリンチ殺人事件を思いおこされてしまうのです

地方からでてきた若い男女が、貧しいアパート住まいで同棲をしていた日々の思い出を何年か後に振り返って懐かしむというような歌詞の大意の物語の映画を観たかったのに、雪山の中、仲間二人が死んで、燃やされるシーンを見せられるのです

監督も、脚本家も、神田川の歌には何の思い入れも関心すらないのだというのが、観ていると伝わって来て騙されたんだと腹が立ってきます
神田川という歌がヒットしてるらしいから、それをネタにひとつ映画を撮るかというレベルで、昨今問題となっている原作へのリスペクトの欠如ですらありません
タイトルだけが同じだけの別の映画です

冒頭の人形劇が左翼的な内容で、幼児達にそんなものを強制的にみせるシーンは、本作の構造を
明示しているといえます

人形劇のかぐや姫の物語はもちろん南こうせつとかぐや姫というバンド名から思いついただけのことです
マコトは地方の名家の次男坊のようで、大学1年、ミチコは地元神楽坂の芸者の娘で零細出版社の雑用係
結局身分違いということで体制側の兄に仲を裂かれてしまうお話をかぐや姫のおとぎ話からもってきたというだけのこと
ほんの少しでも神田川の歌詞の世界を反映させよう、近づけようという意欲は全く感じられません
単に関根恵子を脱がせて話題を取れば映画はヒットするだろうという不真面目な態度です
こんな腹立たしい映画も久方ぶりです

お薦めできません

「赤ちょうちん」という南こうせつとかぐや姫のヒット曲を映画化した作品もありますが、これもまた歌の世界とは関係のないことを描こうとした腹立たしい映画です
こちらもお薦めできません

四畳半フォークの世界
貧乏臭くて受け付けない方も多いかも知れません
しかし本作はその四畳半フォークの世界ですらありません

半世紀も昔の昭和のお話
そんなものは令和の現代になんの意味も意義もない
ただの懐古趣味でしかないという批判もまた正しいと思います

歌詞では三畳一間の小さなアパート・・・でしたが、令和の今ならワンルーム マンションなだけで、銭湯がシャワーに変わっただけで大して変わらない
そのように考えてみれば、半世紀過ぎた令和の今でも繰り返されている物語のはずです

貧しく若い男女の同棲、すぐに壊れて何年かして懐かしく思いだす
そんな時代を超えたエッセンスを漉して結晶化したような物語を観たかったのです
それならば、神田川の歌のように永遠の生命を得て、21世紀に鑑賞する意味も意義も合ったでしょう

草刈正雄の男前さは圧倒的でした
それだけで☆がひとつオマケです

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あき240