唐獅子株式会社

劇場公開日:

解説

組長の命令で新人歌手売り出しに狂奔するやくざの姿を描く。小林信彦原作の同名小説の映画化で、脚本は「アイコ十六歳」の内藤誠と桂千穂の共同執筆、監督は「“BLOW THE NIGHT!” 夜をぶっとばせ」の曽根中生、撮影は「のぞき」の鈴木耕一がそれぞれ担当。

1983年製作/102分/日本
配給:東映
劇場公開日:1983年12月17日

ストーリー

三年ぶりに刑務所から出所した須磨組組員ダーク荒巻は、島田組のチンピラに襲われ、九死に一生を得てようやく組の所在地にたどりついた。ところが、そこには、「唐獅子通信社」の見慣れない看板が……。親分の新し物病が始まったらしく、兄貴分の哲は専務と呼ばれ、組の様相は一変していた。翌日、ダークの出所祝が須磨邸で開かれた。シェフは親分の長男・安輝。コック姿で料理を運びやくざ稼業には全く関心がない。そこへ親分の娘・輝子が現れ、「これからはビデオの時代」と提案する。かくて、唐獅子ビデオの看板が掲げられた。さらに、親分は芸能社を作り、どこで見つけてきたのか新人歌手・伊吹ひとみを東京のテレビ局主催のスーパースターコンテストで優勝させろと命令する。ところが、ひとみは体は魅力的だが、歌の方はカラッきしダメ。そして、ダークがマネージメント、原田が歌のレッスンを担当することになった。デビュー曲も出来上がり、東京へ飛んだダークたちは、クラブでまずテレビ局のプロデューサーと評論家を買収する。そこに島田組が現われ、三人は捕まり、監禁された。翌朝、やっとの思いで抜けだしたダークたちは、コンテスト会場にギリギリで到着し、「唐獅子ロック」を歌ったひとみは優勝した。その夜、ダークの自分への愛の独り言を聞いたひとみは、彼に抱いてくれと告げるが断られ外に飛び出した。大阪に戻ったひとみは哲の前で、ダークにベタベタする。ある日、島田組がひとみのマンションにやって来た。居合わせたダークとひとみは逃げだし、やがてモーターボートでの闘争が始まった。そこに、島田組とダークの争いを心配していた栗林警部補が助けに入り、足をゲガする。次の日、栗林を見舞ったダークとひとみは、奥さんに死なれ子供をたくさん抱えて困っている彼の姿を見た。坂津音楽祭当日、子供を連れてお祝いにかけつける栗林に、意を決してダークは「ひとみはあんたが好きだから嫁にもらってくれ」と頼む。そんなダークを哲が「よくやった。惚れた女を他人に渡すはのつらい」と慰めるのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
構成
笠原和夫
脚本
内藤誠
桂千穂
原作
小林信彦
企画
天尾完次
プロデューサー
井上眞介
木村政雄
林信夫
撮影
鈴木耕一
美術
今保太郎
音楽
甲斐正人
主題歌
山本譲二
録音
川島一郎
照明
梅谷茂
編集
西東清明
助監督
田中雄二
スチール
関谷嘉明
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フォトギャラリー

映画レビュー

2.5見たいものと見せたいもの

2022年8月7日
Androidアプリから投稿

当時、私は十代でしたが学校でも話題になりました。
あのやっさんが主役の笑えるヤクザ映画となれば、校内暴力が日常語になっていた少年たちには原作を知らずとも、期待を膨らませるには充分でした。

冒頭、島田組は要らない。
出所を出迎える伊東四朗らのシーンから始めて、荒巻が塀を出たらそれが妄想であり、組へ駆けつけて初めて紳助が偉そうに登場したほうが解りやすいのでは?

全てがそんな感じで演出も脚本もムダが多すぎる。
妹だの観客にとって紛らわしいシーンも要らない。
とにかく、人間関係の説明が雑。

ひと通りの関係性を示して、やっさんと桑名がバディの信頼を築いたところで甲斐智枝美に振り回される。
そこへ噂話にしか上がらなかった島田組が急襲という形で初登場すればいい。

個人的にもっと、やっさんのアクションや桑名正博の色っぽさを見せて欲しかった。
甲斐智枝美は魅力はあるが、惚れた腫れたで揉めるには説得力が乏しい。観客が納得するエピソードが貧しいからである。

原作とかけ離れていても、こちらが見たいもので構成されていれば文句の量も減っていたはず。
やっさんが主役だから見ていられるのであって、仮に大御所を主役に迎えてこんな仕上がりになっていたら目も当てられないだろう。

作る側を責める気は無いけれど、観客へ見せたいものは、どこまで絵になっていたのだろうか。

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K・M

2.5笑っていいですか

2019年8月1日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

笑える

単純

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odeonza
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