想い出のかたすみに
劇場公開日:1975年4月26日
解説
ゆれ動く青春期の青年と娘の生活とさわやかな恋を描いた青春映画。脚本・監督は「泣いてたまるか」の宮崎晃、撮影は「砂の器」の川又昂がそれぞれ担当。
1975年製作/88分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1975年4月26日
ストーリー
笹原未知は、女子大生で人形劇研究会に属している平凡な娘。未知は同じ大学の津村隆夫に恋焦がれている。隆夫は、未知の兄の嫁さんの弟なのだが、隆夫は未知を子供あつかいにして全然相手にしてくれない。返って隆夫の友人の坂本が未知に惚れている。ある日、隆夫は姉夫婦が、二年間アメリカに行く事になったので、マンションに移り住むように頼まれた。隆夫はすぐに快諾した。が、マンションを人形劇の稽古場にしたいと考えていた未知は、隆夫に頼むが拒わられてしまった。隆夫のマンション暮しが始まった。そんなある夜、美しい女性が姉を訪ねて来た。亮子と名乗るその女性は、姉が不在だと聞くと、くずれるように倒れた。隆夫は驚いて亮子をベッドに寝かすと、未知に看病を頼んだ。未知は部屋を一週間に三日借りる事を条件に引き受けた。やがて、未知の看病で亮子の熱は引いた。彼女は姉と同級生で、嫁いで九州に行ったものの、夫とうまくいかず飛び出して、相談しに来たのだった。隆夫は美しい年上の女、亮子にすっかり心を奪われてしまった。亮子が実家に帰ってからも、隆夫は度々亮子を訪ね、ついにホテルで一夜をともにした。亮子が、夫が事故で怪我をしたために九州へ帰ったので、隆夫も、すぐ九州へ彼女を追った。隆夫のいないマンションでは、未知とその仲間が人形劇「青い鳥」の稽古に余念がなかったが、未知にはいつもの精彩がない。亮子の家を訪ねた隆夫が見たのは、そこで夫と二人で再出発しようと決心した亮子の姿だった。想いが破れてすごすごと帰って来たマンションには未知が待っていた。しつらえた人形劇の舞台の上から、未知の操るミチルが隆夫を迎えた。「九州へ青い鳥を探しに行ってどうだったの?」「ただのカラスだった」「青い鳥は結局、家にいたのよ」「……」「でも、この劇の終りは、その青い鳥も家から逃げて行くのよ」未知はマンションを飛び出した。彼女を追いながら隆夫は未知の心がわかってきた……。