ウルトラQザ・ムービー 星の伝説

劇場公開日:

解説

古墳の近くで起こった原因不明の殺人事件に巻き込まれたテレビ局員たちが体験する不思議な出来事を描く。昭和41年に放映されたTVシリーズ『ウルトラQ』の映画化で、脚本は「ゴルフ夜明け前」の佐々木守が執筆、監督は「ラ・ヴァルス」の実相寺昭雄、特技監督は大木淳吉、撮影は「悪徳の栄え」の中堀正夫がそれぞれ担当。

1990年製作/106分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1990年4月14日

ストーリー

古墳の近くで連続怪奇殺人事件が起った。被害者は古墳盗掘者と、古墳近くのリゾート地を測量中の技師で、いずれも体を貫通した穴があき、海水に濡れていた。一方、古代史スペシャル番組を取材中の浜野は史跡調査なしに始めた団地造成工事に遭遇し、憤る。その時、工事の振動で古代怪獣薙羅が目覚め、人間を襲った。そして、浜野は「竜宮城へ行く……」との言葉を残し失踪する。淳、由利子、一平は捜査のため、浜野の生地である西伊豆から竜宮島へ渡った。そこで真弓という女と出逢った淳は、彼女の不思議な行動に、怪奇事件の犯人ではないかという疑問にかられるのだった。真弓は淳に「浜野さんを探さないで……」と告げて消える。淳たちは浜野の手帳が落ちていた丹後半島へ行った。そこで再び真弓が現れるが、一平が頼んだ警官に捕まってしまう。しかし真弓は薙羅を呼び出し手錠を壊させて逃亡してしまう。やがて常世島にたどりついた淳たちは、そこで宇宙に楽園を求めて飛び立つロケットを見る。無用の争いをさけるため、真弓と浜野、常世を信じる人々、薙羅は地球を去っていったのだった。

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映画レビュー

4.0実相寺ワールド炸裂

2024年10月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

知的

難しい

この映画が劇場公開されたのは1990年なので、約35年前の作品です。
帝都物語や屋根裏の散歩者、D坂の殺人事件など、実相寺昭雄監督の何とも言えない作風が大好きです。
以前に入手し、保存していたDVDを再鑑賞し、改めて感動しました。
民俗学の知識がないのと、舞台がどんどん変わっていく展開なのとで、公開時は十分に理解出来ませんでしたが、今回改めて鑑賞し、ようやくストーリーの辻褄が合いました。
浦島伝説、竹取伝説、天女伝説に古代史を絡めた骨太のストーリーは知的好奇心をくすぐりますし、水平垂直を無視した画角、歪曲収差を無視した映像、光線や逆光の多用等、実験的な実相寺監督の作風が全編通して炸裂しています。
また、帝都物語に続く石井眞木のサントラも、クラシックに根差しつつ、おどろおどろしさを十二分に醸し出しています。
浜野が万丈目と戸川に真相を打ち明けるシーンは、浅草吾妻橋にある黄金のうんこビルにある、フラムドールというビアレストランですが、先日やっと聖地巡礼出来て感動しました。
盛り上がりに欠けると言えば欠ける気もしますが、それを遥かに凌駕する、言葉での説明が難しい独特の雰囲気に酔いました。

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だるちゃ

3.0懐かしのTVタイトルから現代のタイトルへ・・・・やっぱりカラーは綺麗だ。そしてナレーションはかつてのTVシリーズと同じく石坂浩二・・・嬉しい。

2022年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 浦島伝説、天女伝説、全国津々浦々に伝わる神秘的な世界。真っ赤な衣装に包まれたワヅミジンの真弓(高樹澪)の姿も異様だが、そのワヅミという言葉から渥美半島や安曇野などの名残のある地名の話が面白すぎる。殺された人間たちは古墳を荒らそうとする者や近くにリゾート地を乱開発しようとする業者たち。自然・環境破壊に反対する者たちを古代神獣薙羅(ナギラ)によって倒すのだ。遮光器土偶が動いたり、怪獣が現れたり、しまいにゃ真弓は地球人ではなかったという展開。

 日本古代史や柳田邦男などが好きな人にはたまらないのだろう。丹後半島にある常世橋。その“常世の国”を信じる人は古代より迫害され続けていた。さらに進んで、土偶が宇宙服に似ていることから宇宙人を絡めた内容だ。丁度バブルの真っ最中ということもあって、リゾート乱開発と自然破壊をテーマにしたのも頷ける。

 映像は凝った部分が多く、かなり金をかけた映画なのか?ロケも映画の内容以上に大変だったと思われる。それに実相寺昭雄らしく斜め映像やズームアップ多用、サブリミナルっぽい映像が盛りだくさん。

 舞踏に田中みんを発見。

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kossy