嘘(1963)
劇場公開日:1963年3月31日
解説
第一話「素晴らしい悪女」の白坂依志夫が脚本を執筆、「黒の報告書」の増村保造が監督、撮影は「背広の忍者」の石田博。第二話「陽気な殿様」の笠原良三が脚本を執筆。「その夜は忘れない」の吉村公三郎が監督、撮影は「温泉芸者」の小原譲治。第三話「しとやかな獣」の新藤兼人が脚本を執筆、「お琴と佐助」の衣笠貞之助が監督、撮影は「停年退職」の渡辺公夫。オムニバス映画。
1963年製作/99分/日本
原題または英題:When Women Lie
配給:大映
劇場公開日:1963年3月31日
ストーリー
〔第一話プレイガール〕「愛さなければ傷つかないわ、あたし処女は守る、高く売らなければならないから」という万里子は短大生、彼女のノートには六本木族の菊村葉介から三十二歳のプレイボーイ、大垣秀夫に至る四人のボーイフレンドの評価が記されてある。毎日この四人を巧みなかけもちでデイトする。しかし、本命の葉介をアパートに訪ね、そこで彼に抱かれている女友達の美恵を見た時、万里子の行動は変った。挑むように身体を投げ出した万里子は葉介とその夜を共にした。翌朝、二人の間にはある種の感情が芽生えたかに見えた。「後悔はしない、やり直す自信はある」と胸をはって出て行く万里子の顔は明日をみつめていた。 〔第二話社用2号〕テレビタレント晴海新子は製薬会社々長山中重兵衛が東京支店出張の際の社用二号というのが本当のところ。しかし、もともとシブチンの重兵衛社長、最近では月お手当二十万と新子の濫費をもてあまし、安上りの縁切を目論んだ。ある日、例によってお手当メッセンジャーとして訪れた仙崎青年は意外や彼女に向かって突進し、二人は当然のようにベッドの中で結婚式をあげてしまった。とたんにドアをノックしたのは重兵衛社長、即座に縁切の宣告となった。もちろんクビだと思った仙崎が大阪へ栄転すると聞いて、新子も万事を悟った。数日後、猛烈な怒りはどうやら収まっても、新子の胸に宿った仙崎の人の好い笑顔は消すすべもなかった。 〔第三話3女体〕薄汚いアパートで男が女に撃たれて死んだ。男は田代幾馬、婦人物のセールスマンで、女は彼の内縁の妻と称する伊藤道代である。数カ月前、セールスで石巻に行った田代はの娘道代と関係を結び、その田代を追って道代が上京して二人は同棲するようになった。彼は再三石巻へ帰るようにすすめ、道代もついに折れてアパートを出たはずだった。裁判が始ると道代の証言はくるくると変り法廷を混乱させた。正妻の安子は幾馬を庇って道代をなじり、また夫にとっては天罰だもと言い出す。そこへ道代にピストルを手渡したという謎の女、時枝の登場である。平然たる表情の時枝はそんな覚えはないと言放った。三人の女の愛欲と妄執が生んだ三様の証言。みんなが田代を愛していたことだけは事実であろう。
スタッフ・キャスト
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林万里子滝瑛子
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菊村葉介ジェリー藤尾
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植野次郎仲村隆
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山田義昭鹿内孝
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大垣秀夫小林勝彦
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竹中美恵江波杏子
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林心平潮万太郎
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林年子村瀬幸子
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林俊次青柳直人
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アメ横のおばさん村田扶実子
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クロークの男三角八郎
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ボーリングの青年森矢雄二
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ボーリングの青年山中雄司
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晴海新子叶順子
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仙崎康夫川崎敬三
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山中重兵衛益田喜頓
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望月山茶花究
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道子穂高のり子
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タカシ大辻伺郎
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とよ子渋沢詩子
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後藤早川雄三
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重役夫人町田博子
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岡田大川修
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運転手網中一郎
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道代乙羽信子
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安子森光子
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時枝中田康子
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田代幾馬船越英二
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警部補宇津井健
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刑事原田玄
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裁判長滝沢修
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検事北原義郎
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判事A丸山修
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判事B伊東光一
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弁護士春本富士夫
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廷丁此木透