いつか誰かが殺される
劇場公開日:1984年10月10日
解説
父親の失踪とともに謎の事件に巻き込まれた女子高校生が、いろいろな人間に出合い成長していく姿を描く。赤川次郎原作の同名小説をモチーフに「お嬢さんの股ぐら」の高田純が脚本化、監督は「性的犯罪」の崔洋一、撮影は「晴れ、ときどき殺人」の浜田毅がそれぞれ担当。
1984年製作/97分/日本
配給:東映
劇場公開日:1984年10月10日
ストーリー
財閥・永山家では毎年、家長である志津の誕生日に一堂に会して賭けに興じることになっている。今年の趣向は、実在しているかどうか分からない人物を探し出してパーティーに招待しようというもの。子供達の名前の一文字をそれぞれとり、また、夫が死んで18年ということでモリヤアツコ、18歳なる人物を志津は選んだ。早速、探偵・橘進之介が派遣された。その頃、守屋敦子は、高校生活最後の夏休みを迎えていた。新聞記者をしている父・洋一とのデート中、高級ブランドが並ぶブティックで試着室を出た敦子の前から、父の姿が消えた。ブティックの店長・高良和夫をツケ馬にして彼女は帰宅したが、父の姿はない。不信を抱いた敦子は、新聞社を訪ねてみるが、やはり不在。編集長の山形は、「お父さんから、何か預からなかったか」と問う。帰り際、敦子はバッグの中に小さなフロッピーディスクを発見。その足でクラスメイトのパソコン少年・渡壁正太に解読を頼んでみる。敦子が帰宅すると、部屋中荒らされており、男女の二人連れが飛び出して行った。翌日、再び敦子が新聞社を訪れると、新聞社はつぶれていた。そこに橘が現れるが、彼をふり切って飛び出した敦子に昨日の男女が襲いかかる。バイクで逃げる彼女を救ったのは、高良と店員・趙だった。敦子は高良がリーダーとなっている妙なグループに身を寄せることになる。彼らは偽ブランド商品を売って生計を立てているまがい者師達であったが、高良の恋人・梨花ら、グループの優しさは心地良い暖みを持っていた。やがて正太によってフロッピーディスクの内容が解読された。それは、東京で暗闇する国際スパイ組織のリストの全てで、敦子の父もスパイの一員だった。同じ頃、国際スパイの組織に捕えられた父は、この世の人でなくなろうとしていた。そして、敦子が隠れていたグループの家も警察の急襲を受ける。グループはバラバラになり、梨花は娘・百合と共に沖縄へ旅立った。敦子は、一人残った高良と共に事件の関係者を集め、フロッピーディスクのコピーを配る。その席で橘は、漸く敦子に志津からの招待状を渡すことができた。永山家を訪れた敦子は、志津と彼女の祖父母が昔、中国大陸で一緒だったことを知る。敦子は高良と愛を確かめあった後、彼にもっと相応しい女性になるために、バイクで旅立って行った。