嵐を呼ぶ楽団
劇場公開日:1960年2月28日
解説
若尾徳平・井上梅次の脚本を、「夜霧の決闘」の井上梅次が監督した明朗編。撮影は「人も歩けば」の岡崎宏三。パースペクタ立体音響。
1960年製作/108分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1960年2月28日
ストーリー
ジャズ界の草分け・故牧新太郎の遺児・宏志は、恵まれた天分をもちながらはげしい性格のため、いつも勤め先をしくじっていた。今日も、人気絶頂のショー・ダンサー天路ルリ子の伴奏中、即興の曲をひいてルリ子に面バされた。この日から、自分のバンドを持つ--ということが宏志の夢となった。ドサ廻り、九州への巡業の途路、彼の作曲の才を見込んだペットの三谷が協力を申し出た。しかしルリ子の公演とかちあった宏志のバンドは散々の不入りあげくのはてにマネージャーに夜逃げされてふとん部屋にとじ込められてしまったが、ジャズ狂のベースにつかれた宿の息子・一夫、ドラム狂の番頭・吉川に助けられてやっと脱出。大阪へ帰った宏志と三谷のもとに一夫と吉川、それに九州で知りあった流しのギター引き、鉄ちゃんこと渡辺、それに車中で顔のあったサックスのうまい車掌の只野がやって来た。かくてこの六人が力を合わせてその名も昔の宏志の父のバンドそのまま楽団「ブルー・スター」が生れた。キャバレーの楽団募集に出かけた一同は、そこで緒方セツ子という歌手志望の娘と知り合って、コンビで見事採用された。宏志の作曲した歌がつぎつぎとヒット、ついに人気投票のトップに立った。バンドも小人数のコンボからフルバンドへ、そして宏志の体当り的交渉が成功、ルリ子も出演することとなり「ブルー・スター」の人気は絶頂にたっした。しかし宏志に愛情をもつセツ子と、彼女に好意をよせる三谷との感情のもつれから楽団は解散せざるを得なくなった。仲間は散って、それぞれの分野で活躍していたが、宏志の才能を惜しみ、「ブルー・スター」に生甲斐を感じる皆は、ルリ子を動かしてバンドの再編成を決意させた。こうしてセツ子は三谷と、宏志はルリ子と結ばれ、「ブルー・スター」はかつての人気をとりもどした。