嵐の中を突っ走れ
劇場公開日:1958年10月29日
解説
石原裕次郎が再び活躍するアクションドラマ。『平凡』連載の松浦健郎原作の同名小説を執筆者自ら脚色「風速40米」の蔵原惟繕が監督した。撮影は「未練の波止場」の高村倉太郎。出演は「赤い波止場」のコンビ石原裕次郎と北原三枝。他に「明日を賭ける男」の中原早苗や、岡田眞澄・市村俊幸・西村晃らが出演。
1958年製作/90分/日本
原題または英題:Showdown in the Storm
配給:日活
劇場公開日:1958年10月29日
ストーリー
吉良千吉は東京の体育大学を卒業し、母校のバスケット部のコーチをしていた。友人の中川にさそわれ、乗馬の対抗試合に出場したが、相手チームの技術秀れた女の選手に惨敗した。オートバイで千吉は帰る彼女を追って行った。その女性は乗馬服を脱ぐと、見違えるように優雅であった。二人をからかったチンピラに喧嘩を売られ、向っ気の強い千吉は、今日の敗戦のウサ晴しに一暴れした。挙句、ブタ箱に一晩厄介になり、母校の仕事はチョン、--中川は彼に千葉・館山の女子高校の体操教師の口をすすめた。千吉はテレ屋で女性が大の苦手だ。辞退したが、恩師の言葉もあり、いやいやながら赴任することにした。女子高校は大騒ぎになった。なにせ、ぐっとイカす男が来たのである。白パンツ・スタイルが素晴らしいし、男らしい喋り方が可愛いし、というのだ。下宿は下宿で、そこの娘・道子や芸者・アン子の軟波攻撃が待っていた。が、千吉はこういう話を小耳にはさんだ。--彼のために前任の老人体操教師・上月がクビになり、東京にいる一人娘へ学資を送れなくなった。娘は中途退学したというのだ。知らずにしたことながら、千吉は苦しみ、その老教師を早速たずねた。彼は上月の人格にすっかり敬服する。翌日、東京から帰ってきた一人娘というのを見て、千吉は驚いた。いつかの乗馬の巧い女性・節子だったのだ。二人はあの時以来、好意を持ち合っていた。父の退職の事情を聞き、節子の千吉への気持がとまどった。千吉も自分を責め、ユーウツだった。--館山湾内に最近出来た水産研究所が研究という名目で爆薬を使って乱獲を始め、漁民はひどい不漁に見舞われていた。千吉のケンカ友達・内房タイムス記者古城はこの乱獲の裏にある五井という男の陰謀をかぎつけたが、どうすることも出来ない。漁民たちは研究所の仕打ちにフンガイし団結し、雲行きはおだやかでなかった。古城の話をきいた千吉は土地のヤクザ・助川組の男どもが毎夜、闇にまぎれて舟を出しているという情報を得た。彼は乾分に化けて、沖の助川組の本船へ乗りこんだ。彼の偽装がバレたのを機に、大乱闘が始る。彼はあらゆるスポーツを動員して一味をやっつけた。研究所の悪事は粉砕された。が、千吉は自分が教職の身でありながら乱闘事件を起したことの責任をとった。学校側のひきとめを断り、後任に上月老人を推して、辞職したのである。--館山駅で、東京へ帰る千吉と、再び学校へ戻れるようになった節子が、大勢の女生徒の見送りを受けてテレていた。