尼寺(秘)物語
劇場公開日:1968年2月22日
解説
テレビ畑の西沢裕子がシナリオを執筆し、「兄弟仁義 関東兄貴分」の中島貞夫が監督した“(秘)”シリーズ第三作目。撮影はコンビの赤塚滋。
1968年製作/89分/日本
原題または英題:The Secret of the Monastery
配給:東映
劇場公開日:1968年2月22日
ストーリー
琳光寺には門跡尼の万里小路秀英をはじめ、恵照尼、浄真尼、法順尼、そして下女はなの五人が住んでいた。ある日、秀英は本寺の宗務総長覚全に、白蟻に喰い荒された本堂の修理を頼んだ。しかし、覚全はその費用に不満で引受けようとしなかった。秀英はこの一件を、執事として手腕のある浄真尼に任せることにした。浄真尼は本寺と交渉を始めたが、それにつけ込んだ覚全に無理やり手ごめにされてしまった。初めて男を知った浄真尼は、それ以来、本能を抑えようと苦悩しつづけるのだった。そんな時、琳光寺にキクという若い男が寺男としてやってきた。彼に心を燃やしたはなは自ら進んでキクの前に身体を投げ出した。はなは、本能を抑えようとする戒律に縛られてはいなかったからだ。浄真尼はそんなはなの態度を羨ましく思い、また、はなが愛しているキクにも好意を感じた。だが、浄真尼はその後も度々、覚全に身体を奪われていたのだ。慣例の儀式の費用、そして、本堂修理の費用は、寺院後援者の寄付に頼らざるを得なくなり、その橋渡しを顔のきく覚全に頼むより仕方なかったのである。覚全はそんな自分の立場を、最大限に利用する男だった。ところが、キクと浄真尼が親しいのを誤解したはなが、多額の寄付をしてくれた長尾の家宝を壊し、責任を浄真尼にかぶせた。はなの企みはすぐにバレたが、浄真尼はこれを機会にこの寺を去る決心を固めた。浄真尼は、覚全が自分の肉体だけを目的に利用していたことや、役職を利用して使い込んでいた多額の金の埋め合せに、琳光寺の宝物を盗ませようとしたことから、激しい憎しみを抱いていた。そして覚全を殺して寺を去ろうと決心したのだった。だが、それを察したキクが、一足先に覚全を殺していた。浄真尼は寺を去って行ったが、彼女の腹には、覚全の子が宿されていた。