あいつ

劇場公開日:

解説

突然、超能力を発揮するようになった高校生と彼を取り巻く人々との非日常的な生活を描くドラマ。脚本・監督は本作が劇場映画デビューとなる『ネコノトピア・ネコノマニア』(TVドラマ)の木村淳。共同脚本は「りぼん RE-BORN」の藤田一朗。撮影は「ほしをつぐもの」の伊藤昭裕がそれぞれ担当。

1991年製作/日本
配給:アルゴプロジェクト
劇場公開日:1991年8月10日

ストーリー

東京が水没することを願う高校生・光は、幼なじみの貞人からイジメの標的にされていた。そんなある日、光は「人が死ぬ所が見たい」と口走るノストラダムスが好きだと言う一風変わった雪という少女と、彼女の祖父・忠と出会い、アロハシャツにウクレレという奇妙な服装の忠から「明日大ケガをする」と予言される。翌日、光は貞人に殴られて大ケガをし、それ以来、光の身体に不思議な能力が備わる。スプーンや百円玉を曲げたり、切れた電球を輝かせたり、それはまぎれもなく超能力だった。そのころ、「一緒に自衛隊に入らないか」と光に言い寄ったり、貞人の行動にも異常が出始めた。そして思い余って貞人は雪を誘拐。おびき寄せられた光を水責めにして悦に入る。その時、光は超能力を使ってしまい、それによって貞人の腹心の少年が死んでしまう。ショックを受けた光は、忠が住むダルマ船に転がり込む。忠は光に「ここは宇宙船であり、私は他の惑星から来た」と告げ、光は町角で地球滅亡を警告するビラ配りに付き合わされる。一方、貞人は「外人部隊に入る」と言い残し、光の前から姿を消す。そんなある日、貞人の仲間たちが光の父・力也に重傷を負わせた。そして、貞人のしわざだと思っていた光の前に再び貞人が現れる。そして、夜通しで行われる二人の死闘。共に重傷を負い夜が明けた。数日後、病院の屋上で雪と話す光。彼にはもはや超能力はなく、普通の少年の姿に戻っていたのだった。

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3.5経済大国の無気力な若者達

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世の中をリセットしてくれる洪水を待ちわびるいじめられっ子、岡本健一演じる東光、刺激をいじめに求め、やがて海外部隊にまで思いを向け始める浅野忠信演じる不良のいじめっ子、岩田貞人、いつか誰かがこの退屈な日常から自分を連れ出してくれないかと、無為に過ごすフリーター?の少女、石田ひかり演じる小野雪。この三人を軸に話が進むわけだけど、この三人の演技というか言動が突飛でちょっと痛々しい。当時、新人類といわれた若者達は大人からはこう見えていたということか? だとしてもいろいろと違和感があって、主人公の光は一般にイメージされるいじめられっ子ではなくて、むしろ不良グループに目を付けられてる一匹狼。不良グループのリーダーの貞人を返り討ちにしたりしてるから根性ある。部屋に引き篭もって洪水の妄想をしているような内向的な少年かと思えば、不良に一人で立ち向かったり、女の子にも臆せずに話しかけたりと、よく分からない設定。不良の貞人もやさぐれてるのかと思えば、好青年のように振舞ったりするしwまあ、実は光のことを気に入ってるんだなという事は解ったが。小野雪は就職しているようなので、他の二人よりお姉さんかな?でも年上ぶったり年上のように扱われている素振りもない。急に歌いだしたり、とにかくとらえどころが無い。
学生運動したり、モーレツ社員として高度経済成長を支えてきた大人達から見た、とらえどころの無いフワフワした若者達をデフォルメした姿を描いているのかな?と思いながら観ていた。光に超能力を持たせたのも、超人的な力を得て、非日常的な人生を手に入れたいという、マンガ世代の若者の象徴なのだと思う。
世界一の経済大国になり、親の世代のように必死に働かなくても何とか食えていける世代、学歴社会になり、頑張っても先が見えてしまう世代、普通に就職して先の見えている人生に絶望している世代、それを打破したくても何をすればいいのか分からない世代、打破するために夢のような非現実的な事を夢想している世代、当時の大人から見た若者達の姿、当たらずも遠からずといったところか?当時の世相を知るにいい映画だと思う。

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