赤い鯨と白い蛇

劇場公開日:

赤い鯨と白い蛇

解説

テレビドラマの演出家として数々の名作を手掛けてきたせんぼんよしこが、78歳にして映画監督に初挑戦。孫娘と共に息子夫婦の家に向かっていた雨見保江は、その途中、戦時中に疎開していた館山の古い民家を訪れる。そこには家主の女性・光子が小学生の娘と2人で、失踪した夫を待ちながら暮らしていた。さらに以前この家で暮らしていたという美土里もやって来て……。偶然集まった世代も境遇も異なる5人の女性たちの人生を丁寧に描き出す。

2005年製作/102分/日本
配給:東北新社クリエイツ,ティー・オー・ピー
劇場公開日:2006年11月25日

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映画レビュー

4.0 「赤い鯨」はいつ出てくるのかと心配になってきますが、「ジュリ~!...

2018年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 「赤い鯨」はいつ出てくるのかと心配になってきますが、「ジュリ~!」ともだえる樹木希林が出てくればすぐにでも浅田美代子が歌ったはずだ・・・それは「赤い風船」やろ!  樹木希林の名前がまだ悠木千帆だった頃、「寺内貫太郎一家」や「時間ですよ」で共演していた浅田美代子。歌も演技も下手だったあのアイドル時代から比べると格段の進歩です。その浅田美代子演ずる光子が小学生の娘・里香(坂野真理)と暮らしていた館山市にある茅葺の古い家。そこへ老境を迎える保江(香川京子)が孫娘の明美(宮地真緒)に連れられてやってくる。保江は長男の元へ身を寄せようとする途中で、戦時中疎開したときに住んだこの家を懐かしんでやってきたのです。そして、10年前まで住んでいたというサプリメント食品のセールスをしている美土里(樹木希林)もやってくる・・・光子が蒸発した夫を忘れようと古い家を取り壊す予定だったところへ、タイミングよく元の住人が現れたという設定だ。  世代の違う5人が一同に会するシーンでは彼女たちの台詞のやりとりがとても面白く、むしろ舞台劇のほうが向いているのではないかと思えるくらい。しかも1対1となったとき、それぞれの互いの好感度がよく伝わり、その変化も絶妙な描写なのです。そして、個々にはそれぞれの悩みを抱えていて、わずか3日間の共同生活の中でそれが徐々に氷解していく。「きっと家が呼んだのよ」とかつての住人が偶然に出会ったこともさることながら、白い蛇によって家が守られているなどといった迷信的ではあるが、人と家、人と人との絆を感じさせる内容でした。  地味で渋いストーリーながら、「忘れてはならない人」への想いや「命の大切さ」などを静かに訴えてくる。映像もとても綺麗。特に瓶詰の海ホタルが好き。こんな商売っ気のない映画があってもいいのか?と思ってしまうほど素敵でした。  監督はこれが映画デビューとなる78歳の女性せんぼんよしこさん。まさに女性による女性のための映画なのかもしれないが、映画館は男が多かった・・・

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kossy

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