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映画「TANNKA短歌」(阿木燿子監督)から。
歌人・俵万智の処女小説「トリアングル」が原作とはいえ、
ちょっとなぁ。(汗)
「監督・阿木燿子、音楽・宇崎竜童」の名前につられ、
観てしまった・・というのが本音である。
たぶん脚本の根底に、俵万智さんの刺激的な短歌があり、
それを映像化したのではないか、と思われる。
(最後に、使用されていた短歌を残すので、想像してください)
そんな作品の中、私がメモしたのは、バーでのワンシーン。
役どころも忘れてしまった、西郷輝彦さんの発した台詞。
「川の蛇行って、何のために起こるか知ってる?」
そして、答えを焦らしたあと
「そのおかげで、湿原の隅々まで水が配れる」と続く。
それを受けてバーのママ役、高島礼子さんが呟いた。
「自然は蛇行する知恵を持っているってことね」
これだけでも、知ってよかったなぁ。(笑)
■幾千の 種子の限りを 覚まされて 発芽してゆく 我の肉体
■唐突に 恋は始まるものだから さあ、もう一度 いえ、もう二度と
■渡されし 青銅色の ルームキー ずっしりと手に 重たき秘密
■朝刊のように あなたは現れて はじまりと言う 言葉かがやく
■水蜜桃の汁 吸うごとく 愛されて 前世も我は 女と思う
■ふと宿り やがて心の 染みとなる ユリの花粉のような ジェラシー
■うしろから 抱きしめられて 目をつぶる 君は荷物か 翼か知らぬ
■缶ビールなんかじゃ 酔えない夜のなか 一人は寂しい 二人は苦しい
■家計簿を きちんと付けて いるような 人を不幸に してはいけない
■八枚の 花びらを持つ コスモスの いつでも「きらい」で 終わる占い
■きつくきつく 我の鋳型を とるように 君は最後の 抱擁をする
■散るという 飛翔のかたち 花びらは ふと微笑んだ 枝を離れる