出口のない海
劇場公開日:2006年9月16日
解説
太平洋戦争末期、2度と帰れないと知りながら、日本軍最後の秘密兵器、人間魚雷「回天」に乗り込むことになった1人の元甲子園優勝投手の生き様を通して、人間の尊厳を描く戦争ドラマ。04年の映画賞を総なめにした「半落ち」の佐々部清監督が再び横山秀夫の原作に挑戦。脚本に山田洋次、冨川元文。主演は映画初出演となる歌舞伎俳優・市川海老蔵。
2006年製作/121分/日本
配給:松竹
劇場公開日:2006年9月16日
劇場公開日:2006年9月16日
太平洋戦争末期、2度と帰れないと知りながら、日本軍最後の秘密兵器、人間魚雷「回天」に乗り込むことになった1人の元甲子園優勝投手の生き様を通して、人間の尊厳を描く戦争ドラマ。04年の映画賞を総なめにした「半落ち」の佐々部清監督が再び横山秀夫の原作に挑戦。脚本に山田洋次、冨川元文。主演は映画初出演となる歌舞伎俳優・市川海老蔵。
2006年製作/121分/日本
配給:松竹
劇場公開日:2006年9月16日
佐々部清監督を偲ぶ、自宅で鑑賞できる名作5選
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2014年2月8日原作未読
原作は『半落ち』『クライマーズ・ハイ』『臨場 劇場版』『64 ロクヨン 前編後編』『影踏み』の横山秀夫
監督は『半落ち』『結婚しようよ』『ツレがうつになりまして。』『この道』『大綱引の恋』の佐々部清
脚本は『釣りバカ日誌』シリーズの山田洋次
脚本は他に『うなぎ』『赤い橋の下のぬるい水』『福耳』の冨川元文
人間魚雷回天に搭乗する若い軍人を描いた戦争映画
戦闘シーンはない
回天を扱った映画は意外と多かった
特攻といえば神風特攻隊だが特攻兵器として開発されたのは回天が初
クレイジーという点では小型飛行機より回天が凌ぐ
作戦としては似たようなものだが回天は失敗が多く敵戦艦ではなく海底に刺さったまま抜けなくなりそのまま呼吸困難で亡くなるという死んでも死に切れない無念の死を遂げるケースも多かったらしい
飛行機ごとぶつける自爆攻撃は9.11でも活用されたが魚雷に操縦席を作るなどという発想は後にも先にも日本人くらいだろう
なぜか海老蔵と伊勢谷のやり取りはリアルにピリピリしていて観てるこっちが緊張する
配役
甲子園優勝投手で明治大学でも投手を続けたが海軍に志願し少尉から回天搭乗員になった並木浩二に市川海老蔵
明治大学競争部を辞め海軍に志願し中尉に昇進し回天搭乗員になった北勝也に伊勢谷友介
並木の恋人の鳴海美奈子に上野樹里
回天隊整備員の伊藤伸夫に塩谷瞬
回天搭乗員の佐久間安吉に柏原収史
回天搭乗員の沖田寛之に伊崎充則
明治大学野球部マネージャーの小畑聡に黒田勇樹
明治大学野球部キャッチャーの剛原力に平山広行
並木の妹の並木幸代に尾高杏奈
光基地先任将校の馬場に永島敏行
イ号潜水艦航海長の戸田に田中実
光基地将校の剣崎に高橋和也
久里浜対潜学校司令の佐藤に平泉成
イ号潜水艦艦長の鹿島に香川照之
並木の母の並木光江に古手川祐子
並木の父の並木俊信に三浦友和
虚しさ。くだらなさ。哀しさ。切なさ。儚さ。
哀しく虚しいな、戦争は。
生きる事も死ぬ事も出来ない時間、メンタルはどうなるんだろう。
宇宙に肉体1つで投げ出されるのと同じだろうな、深海で閉じ込められるのは。
不安と寂しさと恐怖と。暗い暗い深海で身動き取れない狭さで救助が来る分けでもなくただひたすら死を待つ。その状況に置かれた事がないがどういう時間の立ち方なのだろうか。
どんな死も嫌なものだ
死ぬのが怖くないなんて、衝動的な行動ぐらいだろう
考えたくないから日頃考えないのだ死について。
評論子は、その分野に詳しいわけではありませんが、ネットの解説によれば、工業製品の品質管理の分野に「デミング賞」というものがあって、それは、「戦後の日本に統計的品質管理を普及し、日本製品の品質を世界高水準に押し上げることの大きな礎となったウイリアム・デミング博士の業績を記念して創設されたTQM(総合的品質管理)に関する世界最高ランクの賞」とのことです。
(もちろん、デミング博士はアメリカ人)
戦後の日本に教えることができたくらいですから、太平洋戦争中のアメリカ工業界は、すでに(兵器の)品質管理手法を確立していたということになるのだろうと思います。それだけ信頼性の高い(品質的に優良な)兵器が対日本の最前線に供給されていたということになります。
一方で日本の側といえば、戦局挽回の切り札ともいうべき兵器(回天)を潜水艦に搭載し、せっかく敵前にまでたどり着いたとしても、肝心のその回天が故障で発進不能というのでは、何をかいわんやでしょう。
潜水艦の艦長としても、回天の出撃不能を聞いても別段驚かないところを見ると、そんなことは日常茶飯事だったことが窺われます。けっきょく、回天の兵器としての信頼性は、「その程度のもの」と言わざるを得ないのだと思います。
そして、そんな「やくざな」兵器に、文字通り命をかけて搭乗させられる搭乗員こそ、無念の一言では、その心情を言い尽くせないことでしょう。
そんな状況で太平洋戦争を戦った日本の「無茶ぶり」もさることながら、改めて戦争のない世の中の大切さに思いが至りました。評論子には。