わが青春に悔なし
劇場公開日:1946年10月29日
解説
戦前の京大・滝川事件と戦中のゾルゲ・スパイ事件のふたつをモチーフに、ひとりの女性の反戦活動を描いたドラマ。“永遠の処女”原節子が芯の強いヒロインを好演。大学教授の一人娘・幸枝は学生たちのマドンナだった。野毛と糸川も幸枝に思いを寄せるライバルだが、野毛は反戦運動に身を投じ、糸川は取り締まる側の検事にと正反対の道を選ぶ。幸枝は信念を持って行動する野毛に惹かれ結婚するが……。ファシズムの吹き荒れる時代、自ら信じる道を強く生きる女性の姿を謳い上げたドラマ。
1946年製作/110分/日本
配給:東宝
スタッフ・キャスト
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2020年10月26日
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鑑賞方法:VOD
GHQ検閲下で作られた作品。ゾルゲ事件を基に作られているが、当のアメリカではこの映画の公開のすぐ後に「赤狩り」が始まる…プロパガンダなんてろくでもないね。
しかしやはり黒澤映画。
ダイナミックな演出。ストレートな表現。ポイントはちゃんとおさえていて映画として申し分ない面白さ。
そして原節子。黒澤映画に出演したときの彼女にはいつも驚かされる。前半の良い家柄のご令嬢から後半の百姓まで、同一人物とは思えない役の入り込み。
自我に目覚め、生きることを噛み締める女性像を好演。
2020年5月18日
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鑑賞方法:DVD/BD
時代倫理が違っても一級の作品のみ作る黒澤明は偉大。野毛と幸枝の中盤の二人芝居が秀逸。何故そのタイミングでライトをつけるのか。その灯りは後にどのような効果を生むか。「太陽はひとりぼっち」の冒頭のようだ。圧倒された。
2020年5月10日
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鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、映画館
原節子さんといえば小津作品のイメージが強く、黒澤作品でも「白痴」のゴージャスな装いが頭にあるのだが、あくまで私個人的には、この映画の中で夕べの田んぼに立つ野良姿が一番美しいと思うのである。
2020年1月8日
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鑑賞方法:DVD/BD
主演の原節子
彼女は1942年に戦争プロガパンダ映画のハワイ・マレー沖海戦でも主演をしている
その4年後が本作だ
まるで鏡に写したかのように左右が逆になっている
しかし内容は同じだ
つまりプロガパンダ映画だ
前者は海軍が、本作はGHQが、その違いだけだ
自分には戦争を賛美する前者の映画よりも、本作の方が背筋が凍るほど怖かった
黒澤明の仕事は本作でもプロフェッショナルだ
素晴らしい非凡な才能を示している
それだけに一層怖かった
このように私達は左右どちらにも、簡単に洗脳されてしまうのだ
映画が持つこの力を改めて恐れる
この映像の威力の前に、精神の自由を如何に確立できるのか私達は試されているのだ