Love Letterのレビュー・感想・評価
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図書貸出カードが懐かしい
「スワロウテイル」から岩井俊二もお気に入りの映画人の一人であるが、この映画は公開時に見逃していた作品。
前半、死んだ恋人宛に書いた手紙に対して返事が来るという、ややミステリー風、ファンタジー風に始まり、実は同姓同名だという話に進んでいく展開は斬新で気に入っている。
全体的に雪を中心とした映像(色彩をソフトにしている)、カメラワーク(固定せず手持ちが中心)とピアノやストリングスを主にした音楽は、いかにも岩井俊二ワールドといった感じで、気持ちが良い。
図書貸出カードという小道具が実によい演出効果を上げている。今は個人情報の観点から、ほとんどの学校では氏名の記入はなくなっているようであるが。他にもモチーフとなる舞台の設定、小道具が絶妙によい。そもそも舞台となっているのが中学校、自転車置き場、図書室等、もちろん手紙も。
范文雀、鈴木蘭々が懐かしい。
なお、手紙関連で思い出したが、中井貴一主演の「ラブ・レター(1998) 」もお勧めです。
過去と現在進行形のラブストーリー
感動の名作。
博子(中山美穂)と小樽に住む樹(中山美穂)の手紙のやり取りがミステリアスで面白い。
この作品からインスパイアされたと言われる有名な手紙のやり取りのラブストーリーの『イルマーレ』(2000年・韓国映画)との大きな違いはSFではないところ。
意味のある一人二役で良かった。
視聴中、一瞬どっちの中山美穂さんか迷う。
豊川悦司さんが傍におるほうが関西やろ、ほんで雪景色のほうは北海道の小樽だべ。
回想シーンの樹(酒井美紀)も中山美穂さんが演じても良かったかもしれない...って、そしたらもっとややこしくなるやん、ますますわかんねぐなるべさ。
郵便配達員が「ハンコください」というセリフが好き。今はあまり聞かなくなったので昭和生まれの私には懐かしい響き。
ポラロイドカメラで現在の校舎を撮影し、在校していた生徒たちに「本人に会えた」と言われるくだりは泣ける。さらに追い打ちで「好きな人の名前」という考え方に驚き、同時に感動がMAX状態になった。
そして「わがままな女」が「お元気ですかー私は元気です」を繰り返すのを秋葉(豊川悦司)が笑顔で見守るシーンも涙腺崩壊ポイントのひとつ。
『失われた時を求めて 第7篇』(著者 : マルセル・プルースト)をピックアップする岩井俊二監督のインテリジェンスと、藤井樹(柏原崇)の過去の恋と秋葉の現在進行形の愛の描き方の巧みさに脱帽。
話が出来杉くん
主人公の中山美穂Aが婚約者を亡くし、過去に彼からもらったラブレターに返事を出す。
返って来るはずもない手紙だったが、返信が来た。
何とそこに婚約者と同姓同名の女性が住んでいた。しかも中山美穂一人二役で同じ顔!
どんな偶然やねん!
その地(小樽)に行ったことでそれが判明し、単なる偶然ということになった時次の偶然が!
中山美穂Bには中学時代に同姓同名のクラスメイト(男)がおり、それが後のAの婚約者だったぁ!
どんな偶然やねん!
後はBがAに思い出を話して聞かせるという展開。
で婚約者がBを好きだった事に気付き、B自身も実は彼を好きだったことに気付く。
この男、モテるなあ。でもどんだけ中山美穂の顔好きやねん!
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以上、詩的に物事を考えられないタチなので、あり得ないこの設定に興醒めし、突っ込み所を探すに終始してしまいました。
ついでにこの映画の事象が起こる確率を計算してみました。前提条件は次の通り。
1.同じ顔の者は世界に自分以外に3人いると言われている。
2.世界人口は約70億人である。
3.同じ顔の3人はほぼ間違いなくアジア内にいるだろう。アジアの人口は世界の約60%である。
4.婚約者の名は「藤井樹」。電話帳データベースによるとこの名の者は4人いる。
5.このデータベース内に登録されているサンプル数は約2400万人である。
1~3より、無作為抽出した人物が自分と同じ顔の確率 = 3 / (70億 * 60%)
4~5より、その人物が死んだ婚約者と同じ名前の確率 = 4 / 2400万
※本来は婚約者の旧住所宛でその人物に手紙が届く確率も必要だが、計算できないので無視します
これらの積を取ると、(8.4*10の15乗)分の1となる。つまり約1京分の1の確率!
人生を80年とすると、80 * 365 * 24 * 60 * 60 = 約2.5 * 10の9乗(秒)
これらの積を取ると、(3.4*10の6乗)分の1となる。つまり約34億分の1(回/人生)!
そう、34億回生まれ変わって1秒だけ体験する奇跡がその時起こったのである・・・
自分のヒマ人さに感心します・・・・
生きてるって素晴らしい絆の良さが映像化された傑作 大人でも感動する
追記
知らなかった面を秘密を暴いていく探検家のようによっぽど彼のことが好きだったんだな彼のいろんな面を知りたいんだろうな彼女から彼への最期の愛なのだろう その結果若かりし頃の彼の初恋が実ったのだ 彼の最期の歌はなんていうか空間を飛び越えて広がっていくような歌だなすごく純な思いの強さを信じていた彼だから
生きてる人のことではなく死んでしまった人のことを考えて思って生きる勇気を温かさをもらう 降り積もった雪に寝ころぶ=仮死のマネごと 死んでしまった人の事を考えてる
振り返って今共に生きてるっていいな明日あの人に会いに行くことができる最高だ相手の事大切にできる全然手遅れじゃないという気持ちになれる
百選もの巷に溢れ歌われている絆や生きてほしいといった類うんざりしてきたでもこれほど見てる側の心に迫ってくる映像は他にない 岩井俊二はすごいな~
韓国で岩井俊二は人気らしい今日もK-POP歌手ような人たちがグループで来ていた 正直見せたくない日本人だけで楽しみたい隠しておきたいぐらいの傑作
恋人同士でも友達同士でも見てはいけないこの映画は一人で見なくちゃ
ラストシーン亡き彼の青春の初恋がよみがえって彼女に届き両想いになってエンド胸の高鳴りを私もともに感じたブワッと瞬息風がこっちにふいてきたかのような気分になったもらい泣き切なすぎる
ノスタルジー宝箱のような思い出お元気ですか~私は元気です
彼が雪山で遭難した時に死ぬ間際歌った青い珊瑚礁
自分自身一度もモテたことないし青春時代もひたすら暗かったおかしかっただからこういう系の映画は嫌い漫画もでも岩井俊二は違う
それに主人のこともあるし 上質な恋愛映画って身近な人を大切にやさしくしてあげたくなる
青い珊瑚礁 by松田聖子
私の恋は南の風に乗って走るわー
失われた時を求めて プルーストの本
中山美穂=広瀬アリス指先からすべての振舞いが美しい トヨエツと鈴木蘭らん
過去の出来事の真実が明らかになることで、登場人物が救われていく温かみのある物語、そして鮮やかなラストシーン
岩井俊二脚本・監督による1995年製作(113分)の日本映画。配給:日本ヘラルド映画
ヒロインが通っていた高校の図書貸出カードの裏に、高校時代のヒロイン酒井美紀の美しい肖像スケッチ(亡くなった同級生が高校生時代に出した一種のLove letter)が描かれていたというラストシーンが、凄く鮮やかであった。恥ずかしながら自分も、高校時代に類似趣旨の創作物を女子生徒に贈ったことを思い出した。
このラストシーンのために、藤井樹という同性同名の男女での図書委員活動、駐輪場での待ち伏せで返したテスト答案の裏への落書き、貸出カードに100以上と沢山の藤井樹の名前の記載があったこと等、幾つかの伏線が組み立てられている脚本も、実にお見事。
肖像スケッチは、転校前に少年からヒロインに渡された小説『失われた時を求めて 第7篇見出された時』(マルセル・プルースト著)の貸出カードの裏にあった。読んだことは無いが、おそらく、この映画の言わば原典の様な小説なのだろう。
学生時代に恋されていたことを知って幸福感を感じた中山美穂・藤井樹だけでなく、他の登場人物も救われていく展開には暖かい感慨を覚えた。
中山・藤井樹の母(范文雀)は、同居の父親(篠原勝之)が判断を間違えて夫が死んでしまったとの誤解が解けたし、亡くなった藤井樹の恋人であった渡辺博子(中山美穂)は、藤井樹の故郷へ新しい恋人候補・豊川悦司に促されて行き、一目惚れされた訳を知ったことにより、前を向いて歩ける様になる。苦いことも含めて過去の出来事の真実が明らかになることで、未来へ向かう原動力が産まれるという構造が、観念的且つ論理的で興味深く、知的な映画だなとも感じた。
そして、青みがかった雪の中の映像、対照的に少し赤みを入れた色調の高校時代(図書館の揺れるカーテン等)の映像が何とも美しく、岩井俊二 が脚光を浴びたのも納得させられた。また、REMEDIOS( 麗美)によるという音楽も素敵であった。
監督岩井俊二、脚本岩井俊二、製作村上光一、企画重村一、堀口壽一、エグゼクティブプロデューサー松下千秋、 阿部秀司、プロデューサー小牧次郎、 池田知樹、 長澤雅彦、撮影篠田昇、照明中村裕樹美術細石照美、録音矢野正人、編集岩井俊二、音楽REMEDIOS
出演
中山美穂渡辺博子・藤井樹、豊川悦司秋葉茂、酒井美紀少女・藤井樹、柏原崇少年・藤井樹、范文雀、篠原勝之、加賀まりこ。
記録用 1995年作品
ミポリン若い!演技下手すぎて笑ってしまった。
トヨエツ一途でまっすぐな役が新鮮。今思い出してみたらこういう役が多かったかも。すっかり忘れてた。
映画の内容は何かを訴えかけるようなテーマがあるわけではなく、、、
亡くなった恋人の事を「もっと知りたい、忘れられない」という気持ちは伝わってきたし、切なくなるのだが・・・・。残念
初めての鑑賞
高く評価されてる映画と知っていたが
以前、録画に失敗し、いまだに見ていなかった
主人公の渡辺博子(中山美穂)は登山中の事故で恋人の藤井樹を亡くしていた
2年後(3回忌?)の法要の日に樹の母から中学校の卒業アルバムを見せてもらい
樹が中学3年まで北海道の小樽に住んでいたことを知る
かつて住んでいたところは国道が通り、その住所は存在しない
博子は存在しない住所の樹へ手紙を出す
届くはずのない手紙と思っていたが、なぜか返事が届く
相手は同姓同名の中学の同級生、藤井樹(女)だった・・・
昭和時代に流行した、アイドルが主演する恋愛映画と思っていたが違っていた
博子と樹(女)は不思議な文通を始める
博子は樹(女)に
「自分の知らない、中学生の頃の樹(男)の事を教えて欲しい」
「彼の初恋の人はどんな人?」
「彼が走っていたグランドの写真を撮って欲しい」
と手紙を送る
本当に愛していたのだろう
良いストーリーだと思うし、切なくなる
でも時々現れる秋葉茂(豊川悦司)で、すべてぶち壊し
死んだ恋人を「忘れられない、もっと知りたい」一方で
秋葉の事を受け入れてる
映画の序盤で、藤井樹からの手紙がそこにあるのに、しっかりキスしてるシーンでがっかりした
この主人公は二人の男を同時に愛せるのか?
自分も男だが、秋葉の気持ちは理解できない
一緒に登山して、樹は事故で死に、自分は生きて帰ってきた
普通なら博子に合わせる顔が無いと思うのだが
「博子ちゃんは俺が貰った」って、ただのチャラ男ですか?
映画の後半では、中学時代の二人の樹に感情移入してしまった
秋葉は登場しない。または恋人を失った博子を支える「恋愛を超えた友人」という設定なら星4以上なのだが・・・
映画の中で、存在しないはずの住所について明らかになっていない
他のサイトのレビューやネタバレサイトでは
「かつての樹(男)の住所には、同姓同名の樹(女)が住んでいた」
という記述があるが
樹(男)本を返しに来たシーンを見るとすでに樹(女)はそこに住んでいるようだ
博子がアルバムで見つけた住所は、初めから樹(女)の住所だったと思う
でなければ物理的にあり得ない
冒頭の40分に困惑
冒頭の雪景色の法事シーンがトリッキー。神戸なのか小樽なのか??? どういうこと? ダブルキャストに気ががつくまでしてやられた。
ミステリアスなスタート後がmオーソドックス。なるほど同姓同名かい。いまならもっとありがちかも。わが子たちの名も、今では男女ありになった。
中山美穂より酒井美紀が良かったな。それより、在りし日の范文雀が懐かしい。
同姓同名漢字も同じ男女がいて、中山美穂は一人二役、さらにこれら男女...
同姓同名漢字も同じ男女がいて、中山美穂は一人二役、さらにこれら男女の少女・少年時代も絡んできて、過去と現在を行き来するという入れ小細工のような造りの映画であるので話の理解は一見ややこしそうな感じもあるのだが、ああそういうことなのかとじんわり何かがこみ上げてくるようにわかってくる。わかってくる何か、それは女性が愛された理由と言ってしまえばあまりに短絡的すぎるかもしれないが、もう答えの得られようもない問いをかつての恋人の母親に吐露する中山美穂の心中は癒やしようのない悲しみに満ち、受け止める母加賀まりこもまた喪失の空虚を埋めようもない。「お元気ですか」と中山美穂は冬山に向かって何度も呼びかける。零下何十度の冬山で元気に暮らせるはずもないが、返信のあるはずのない手紙を書いてみようと思うほどまだ心の奥底に仄かなものを灯し続ける彼女の精一杯の叫びであるのだろう。あるはずのない返信を手にして謎解きに乗り出す中山と新しい恋人豊川。雪降る小樽の街での一瞬の邂逅。しかしそれは先代「君の名は」風に決して交わらない、交わってはいけない出会いなのだろう。映画には豊川を愛する弟子の女性、小樽の同姓同名の女性にアタックする郵便配達人、鈴木蘭々演じる中学時代のエピソードなども調味され、ことほどさように男女の愛・恋は成就しがたいものと言っておけばいいのだろうか。
ぶっきらぼうな恋、優しいピアノの音色
酒井美紀さんの無垢な眼差しに魅せられた。清楚な
セーラ服姿が魅力的でした。
主人公の恋人秋葉(豊川悦司)が、何処までも優しい。
図書室での映像がノスタルジックでいい。
本当に私の事が好きだったの?と問う博子(中山美穂)の心情、時空を超えて気付く互いの想いが切ない。
ざわめいた教室、大人びた雰囲気のクラスメイトの男子、そんな事を思い出しました。
NHK - BSを録画にて鑑賞
天国からのラブレター
中学生時代、よほどおませでなければ思春期真っ盛り、好きな人がいて胸ときめかせた思い出は誰にでもあるだろうから映画はそのきっかけづくりのようなもので、本当の物語は観た人それぞれの思い出の中にあるのだろう。それはまるで博子の手紙が樹に思い出させたのと同じレトリックである。
岩井監督は抒情的な雰囲気の表現がお得意のようだが観客心理を見透かしているかのような緻密さも併せ持った奇才なのでしょう。
樹が語る思い出は紛れもない初恋だったにも関わらず博子に促されるまで気づかないと言う設定に違和感があったのだが同時期に父親の死が重なったことで薄らいでしまったのだろうと推測させている。博子は自身が初恋の相手の面影として愛されていたのだろうと気づいて葛藤はあるものの秋葉と歩むことを選択した。それは山で死んだ藤井が樹を通して背中を押したようにも思える、まさに天国からのラブレターではないだろうか・・。
少女マンガのようでいて実に奥深いプロット、まさに岩井美学と称される真骨頂なのでしょう。
ただ、女性陣に比べて登場人物の男たちが癖の強い妙な人ばかり、あきらかに意図的に汚してコントラストを付けたかったのでしょうが頂けません。それにしても秋葉のように女心に寄り添える男というのは貴重な存在、強引さも併せ持つというのも現実的なのでしょうがさじ加減が微妙、豊悦の関西弁のセリフはえげつない。
個人的にはこういう作家性の強い作品は苦手なのですがBSでやっていたのでつい再鑑賞してしまいました。
瑞々しい
好きなんです。この作品。
何度見直したかわからない。
中山美穂の瑞々しさと、豊川悦司のネイティブ関西弁と。登場人物それぞれの想いが丁寧に描かれてるところ。本当に好きです。
特にラスト。若き、樹・男子が絵を遺す図書カードが「失われた時を求めて」第7巻って!! これって、誰にも見つからないところに想いをしたためたってことか! とんでもなく長大なこの小説の最終巻なんて。中学校の図書館で手に取る人なんていないだろう。
自分はこの小説、ダイジェスト版ですら挫折して読了できなかった。だからそこのところが、かなり沁み入るシーン。昔むかし、マリクレール日本版の月刊誌に連載されていたなぁ、このダイジェスト版。懐かしい。。
樹・女子が勤務する図書館のロケ地は、小樽の歴史的建造物?だそうで、観光できます。小樽、また旅行したいなぁ。
男向けかな?
初見は随分昔。まだスワローティルも上映されて無い頃にレンタルで。
買っておいたBDで夕べ観たので鑑賞日に設定。
当時、身の回りで観た人間では男の方が好きなのが多かった記憶。主人公は女性で有るが、「女の恋は上書き」と言われるように、死んだ相手をいつまでも(死んでまだ二年だけど)思っているのは共感出来ないのかな?
情報一切無しで観た最初の方では、中山美穂が二役と言うのに気付かずに「?」となってしまった。どちらも雪が積もっているし、髪型も同じだし。髪型を変えるとか、分かりやすくしてくれても良かったかなとは思う。
まぁ、他の方のレビューに多い、酒井美紀→中山美穂?と言うのは同意。イメージと演技力的に中山美穂より和久井映見の方が良かったんじゃないかなぁと(まぁ、この作品の中山美穂は頑張ってたけど)
少し前に「ラストレター」を観たけど、岩井監督、若い頃に何か有ったんだろうなぁ。と思わざるをえない。
昭和 と思ったら既に平成だった作品。平成は意外と長かった。
画面の美しさ、映像美。
それまで邦画では追究されなかった物だった。
それが岩井俊二という人を一躍有名にしたのだと思う。
雪の中を歩く 喪服姿の中山美穂。
女優とは これです。と思わせられる圧巻の目鼻立ち。
一人二役で進むストーリーに
中学時代の酒井美紀。
酒井美紀は嫌いじゃないし、白線流しの時の彼女はもうセーラー服着せたら右に出る者はないって程の人だと思っている。
けれど!
酒井美紀が大人になって中山美穂には ならんでしょ〜。
だから 中学時代に好きだった人に似ていたからなのかもしれない なーんて思うべきなんだろうけど ちょっとなあ、、ってなる。
図書カードの裏の似顔絵で
ああこの人だって後輩たちが思うわけないと思うと 全然グッと来ない。
若い時代を別の人が演じるのは 全然ありだけども
顔はこの場合結構重要だと思うのにな。
死んだ人間に何度も何度も 元気ですか〜って
あの時代なら あり得たのだったろうか。
今はもうアントニオ猪木しか浮かばない。
豊川悦司の役の男の人は
自分の親友の彼女を好きで、そのうち結婚もして幸せに暮らすのだろうけれど、
彼は余裕である。
いくら彼女が死んだ彼に思いを残していても、相手はもう死んでいるのだ。
だから いくらでもこの先 自分が彼女を包み込む事が出来るしそのうち彼自身の方が死んだ親友に勝る思いを彼女から得られる自信がある。
こういう懐の深い男を
最近 なかなか見ない。
関西弁のこの豊川さんに男の度量を見た映画だった。
昔見たような見なかったような
出だしは既視感あったけれど内容は全く記憶になかった。
Amazonプライムにて視聴。
博子って残酷。
20年以上前に観たはずだったが、実はほとんど忘れていた・・・
誰の立場に立って観てしまうかで感想は変わってくると思うのですが、
秋葉(トヨエツ)が良かっただけに、博子(ミポリン)が嫌な女に見えてしまう。
今彼の前で、亡くなった彼を思い続けるって残酷過ぎないかしら?
思い出だけでなく、今もなお手紙を書くという行動まで起こしてる。
その上、それを今彼に報告までして…
今もそんなにも忘れられなく想いを残してるなら、一人で想い続けろよと。
・・・まぁ、人間そんなに強くないか、、、。
誰かに側にいて欲しいし支えて欲しいもんね。
でも、残酷だ。
まぁ、そんなことも全て引き受けてどこまでも穏やかに見守るトヨエツがあったかくていい。
ラストシーン、彼が亡くなった山から昇る朝日に向かって叫ぶシーンはグッとくる。
これで博子の想いが昇華し、秋葉だけを愛していくと信じたい。
岩井俊二監督の才能を強く感じます 21世紀の市川崑というべき才能です
死別した恋人
忘れられない恋
同性同名の男女
瓜二つの二人の女性
博子の恋は朝日の中で成仏しました
その恋人が本当に愛していた女性
彼女には伝えることができずにいた想い
後悔し続けていた彼の想いが伝わったのはなぜ?
それは博子の彼への深い愛が合ったからこそです
彼が博子を愛したのは彼女と瓜二つだったからで、彼が本当に愛していたのは、似ていた女性の樹の方だったのでしょうか?
可哀想な博子
樹の代用に過ぎなかった?
彼が死後に本当に愛した女性へのラブレターを届けるきっかけ作りに、結局のところ利用された形になってしまっただけ?
そうではないと思います
確かに彼が博子を愛したきっかけは、樹に似ていたからかも知れません
ですが、その時目の前にいる博子自身を真剣に愛していたのかも知れないのです
そうだったからこそ、本当に自分を見つめて愛されたと感じられたからこそ、博子も彼を忘れられ無いほどに愛したのです
そのことをお山に昇る美しい朝日を浴びて博子は実感したのだと思います
あの温かい眩しい朝日は、博子への彼の眼差しだったのです
お元気ですか?私は元気です!
大声で伝えるラブレター
手紙で送ったラブレターと同じ文言です
ですが伝えたいメッセージの力点は違うのです
声は元気を、手紙はお元気ですか?なのです
本当に元気になったことを大きな声で伝えたのです
図書カードの裏のスケッチ
誰にでもある青春の一ページ
本の題名は失われた時を求めて
父を肺炎でなくした樹
自分もまた風邪をこじらせてしまいます
父との死別は彼との別れと結びついた記憶です
気丈に振る舞って笑顔を見せていても父と彼の両方を失った心の衝撃は強かったのです
それが心の傷になっていたことを、彼女はその図書カードで知ります
その彼女の心の傷がみるみるうちに癒えていくのを彼女は感じるのです
心の片隅にあった肺炎の影のような傷は、その青春の一ページであったのです
失われた時を求めて
青春の一ページだよ
いい思い出だよ
彼からの数年越しのメッセージです
博子と樹、二人の心の影は晴れ渡ったのです
新しい恋も始まるでしょう
博子だけでなく、樹もまた新しい恋に向けて歩み始めていくでしょう
春はもう目前です
名作です
タイトルバックのごく小さな英語表記も新しい映像感覚で素晴らしいです
雪の神戸、冬の小樽の寒むげなシーンが二人の主人公の心象風景を的確に表現しています
どこか日本離れした二つの港町の高台の光景
篠田昇の美しいカメラは光線と空気まで捉えています
岩井俊二監督の才能を強く感じます
21世紀の市川崑というべき才能です
美しい映像とストーリー
25年の時間差を感じたり感じなかったり…主人公の中学時代にさかのぼれば35年以上かな?!ワープロ、昔使ってたなぁ。どこやったっけ?不燃ゴミで出しちゃったかな。
答案用紙裏の♬今の君は~ピカピカに光って~♬の宮崎美子さんイラスト、懐かしすぎですね!GOROの別冊『激写』(篠山紀信全撮影)の本誌内のアイドル達よりまだ無名のデビュー作(?)で裏表紙を飾った宮崎さんに目が釘付けになった青春時代もまるで昨日のように…最後の図書カード裏のイラストにつながり重要な役どころですよね?
豊川悦司さんとタメの自分、ミポリンと同世代の妻、懐かし話は尽きません。
常連 名コメンテーターの皆さん、ラストレター鑑賞後のLove Letter観直し率高いですね~
実は私は初Love Letterでしたが『ノスタルジック』がキーワードとなる岩井俊二監督の作品、やっぱりいいですね。それにしても中山美穂さん、豊川悦司さん岩井作品には欠かせないですし本当にいい役者さんたちです。
若くしてお亡くなりになった范 文雀さんも久しぶりに拝見しましたがよかったですね。
『サインはV』で岡田可愛さんとX攻撃やってたジュン・サンダース時代を思い出します。監督の中山仁さんも昨年お亡くなりになりましたよね。(謹んでご冥福をお祈りいたします)
中学時代の柏原崇さん、酒井美紀さんはもとより、図書委員ネタ(藤井樹の4カードやそのカード探しの星取表には笑いました。)や先生の記憶力、鈴木蘭々さんの怪演もいいですね。
昔話ばかりで本編内容にあまりコメントしていないようで恐縮ですがいい映画でした!
お元気ですか?~あなたへ届けるラストレター
『ラストレター』鑑賞前に、併せて再見。
岩井俊二監督の長編デビュー作であり、代表作の一本。邦画ラブストーリーとしても珠玉の一本。
見るのは本当に久し振り。
昔見た時いい作品だった!…という好印象と何となく話は覚えていたつもりだったが、
改めて見ると結構細かい点は忘れていて…。でも、見ていく内に徐々に思い出してきた。
神戸に住む博子は婚約者の樹を2年前に雪山遭難で亡くし、その三回忌、彼の実家で卒業アルバムを見せて貰い、彼が中学生時代住んでいた小樽の住所に、ふと手紙を出す。
すると何と、樹から返信が…!
手紙が時空を超えて…?
…ではない。
返信相手は、樹の中学生時代の同級生で、全くの同姓同名、女性の樹。
その日から、博子と樹の不思議な縁の文通が始まり…。
改めて見ると、昔初めて見た時もそうだが、最初は設定を把握するのにちとこんがらがる。
あの人とあの人はこういう繋がりあって、さらにあの人とあの人は同姓同名で…。
ちとこんがらがるのは最初だけで、後はスッと作品世界に引き込まれる。
客観的に見れば、ツッコミ所と言うかあり得ねー奇跡の設定。
死んだ恋人の中学時代の同級生に同姓同名者が。さらにその人物と文通が始まる。
この数奇な巡り合わせには、『君の名は。』も真っ青!
今回久々に見て感じたが、新海誠監督の作品は岩井俊二監督の作品から多大な影響を受けているのが分かる。
繊細な描写、
甘酸っぱく、ほろ苦く、切ない作風、
それらを彩る雪の小樽の美しい映像と音楽…。
25年前なので、文通というやり取りがノスタルジーを醸し出す。
出来過ぎて美しく語られ過ぎていても、岩井監督の感性や手腕に今また改めて魅了された。
キャストがこれまた魅力!
何と言っても、中山美穂!
博子と樹の一人二役。内気な博子とナチュラルな樹。
見事に演じ分け、本作で多くの賞を受賞し女優としてステップアップした演技もさることながら、今も充分魅力的ではあるが、やはりその可愛らしさに悩殺!
樹(♂️)の友人で博子に想いを寄せる秋葉役の豊川悦司も好助演。作品にユーモアをもたらす。
そして、中学時代の樹(♀️)と樹(♂)の酒井美紀と柏原崇。
いつぞやのともさかりえ同様、酒井美紀も同世代で、憧れのアイドル…いや、ドストレートの清純派の存在であった。
これは昔見た時から気になっていたのだが、大人の樹と中学時代の樹、少々性格が変わったような…? 大人の樹は自然体、中学時代の樹はどちらかと言うと大人しい。大人になるにつれ、何があった…??
他キャストでは懐かしの鈴木蘭々が怪演でインパクト残し、樹(♀️)のおじいちゃんが好キャラ。少々惚けた頑固なじいさんながら、高熱を出し倒れた樹を「命に代えてもおぶって病院に送り届ける!」と吹雪の中を走るシーンは、孫思いで感動させられる。
亡き樹(♂)を今も想い続ける博子。
秋葉の気持ちを知りつつ、優しさや気遣いに甘えてしまいつつ、樹(♂)の事が忘れられず、新たな恋にも人生にも一歩踏み出せない。
そんな時不思議な縁で交流が始まった樹(♀️)。
彼女から自分の知らない亡き恋人の話や姿を聞く。
それを聞いて、博子は何を思ったかーーー。
話を聞くにつれ、おそらく女性なら、樹(♂)と樹(♀️)の関係が気になるだろう。
お互い、同姓同名故、ウンザリする相手。
でも、同姓同名の異性故、全く気にならないと言ったら嘘になる。
実際、クラスの策略(?)で押し付けられた二人での図書係。
窓際で本を読む樹(♂)をチラッと見つめる樹(♀️)の眼差し。
図書カードの裏に樹(♂)が悪戯描きした画は…。
時を経て届いたラブレター。
しかし、そんな二人の密かな想いを知って、博子に微塵の嫉妬や焼きもちを感じなかった。寧ろ、
拝啓樹(♀️)様、樹(♂)の事を色々教えてくれてありがとう。樹(♂)を実は好きでいてくれて、ありがとう。
そしてそんな私(博子)も、二人と出会えて、樹(♂)の事がますます好きに。
だからこそ、心の中に秘めつつ、もう思い残す事は無い。
お元気ですか?
愛する人へ、さよならと、新たな出発をーーー。
英語の答案用紙の裏に書いた宮崎美子のCMシーンの落書きが印象的だった。これがラストへの伏線となるなんて・・・さすが。
豊川の口ずさむ「青い珊瑚礁」もいい。好きなシーンは浜中先生の記憶力!生徒の名前を全部覚えてるなんてすごいですよね。こんな先生なら生徒も幸せだ。それが図書係の少女たちに現れてるような気もする。「藤井樹カードゲーム」は面白すぎだ。
クレジットが全部英語表記だったり、途中流れていた曲もはっきりしないのが難点といえば難点。で、藤井(柏原崇)の英語の点数は27点・・・breakの過去形くらい覚えなさい!失恋には重要な単語なんだから・・・
もっと言いたかったことは「風邪は早く治しなさい!」ということ。中山美穂の二役演技をわかりやすく差別化するためだったのか、小樽での藤井樹はずっと風邪をひいていたし、終盤にはそれが元で肺炎に・・・と、ここまで激しい展開にするのか?とも疑問に思いつつ、最も描きたかったのが、藤井君の初恋の方だった。考えてみれば、偶然同姓同名の子に送った手紙から神戸の中山美穂の物語だとばかり感じさせておいて、実は小樽の中山美穂の初恋をノスタルジックに描いた物語だったというギミックがあったわけです。それがためにクマさんを殺してもいいのか?などと、心配もしたけど、クマさんもみぽりんも大丈夫だったみたいです。
地上波で放映されたのを見たのが最初だったけど、あらためて見直すと色んな想いが散りばめられていた。風邪についての感情が高まる中、BGMに“風”の曲が使われていたような気もしたのですが、使用曲のクレジットには何もなかった。岩井俊二ならどこかにジョークみたいな部分があってもおかしくないのになぁ・・・笑えるところは鈴木蘭々の超ロングスカートくらいだろうか。
藤井樹
藤井樹(男性)の中学時代のやや無愛想な印象もあるエピソードは映像で沢山出てくる一方で、主人公に愛され、沢山の仲間に囲まれて魅力ある男性に成長したと思われる大人になってからのエピソードは関係者の口から僅かに語られる程度。
おそらくは、山に向かい元気ですか?と聞くシーンは、トヨエツが言うように一番の盛り上がりのシーン。
しかし、視聴者は、先に書いたように大人になってからの藤井氏を殆ど知らない状態なので、亡くなった後も藤井氏に心を寄せる主人公と気持ちが同期できず、短調な印象の映画と感じた。
全23件中、1~20件目を表示