醉いどれ天使

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劇場公開日:

解説・あらすじ

戦後の混乱期。ヤミ市を舞台に飲んべえの医者と結核を患う若いやくざとの交流を描いた作品。新人・三船敏郎は痩せこけた頬にギラギラとした眼光を放ち出色の演技を見せ、この1本でスターダムにのし上がった。映像とかけ離れた音楽を配する演出手法は、この作品以降多用されている。戦後の混沌としたエネルギッシュな雰囲気が見事に描かれた本作は、黒澤=三船の黄金コンビ誕生の記念すべき作品である。

1948年製作/98分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1948年

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映画レビュー

3.5黒澤明監督と三船敏郎さんの運命の出会いとも言うべき日本映画史にとって重要な作品

2025年4月27日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ろくでなしのヤクザが結核にかかり、それを知った酔いどれの町医者が常に気にかけ治そうとするが言うことをきかず、ヤクザはヤクザで改心し足を洗おうとするけど難しく、結局ネックになっている親分を殺そうとするが・・・という見応えたっぷりで骨太の人間ドラマ

タイトルになっている“酔いどれ天使”は志村喬さん演じる主人公の町医者のことだけど、ヤクザを演じるデビューしたての新人だった三船敏郎さんがメチャクチャいい男でその強烈な存在感によって完全に主役を食ってしまい一躍大スターとなり、その後 黒澤監督と三船さんは合計16本の作品を世に送り出すことになります
中でも黒澤監督、三船さん、志村さんのゴールデントリオは世界一有名な日本映画の1本『七人の侍』(1954)を作り世界の映画史に名を刻みました

戦後の闇市や当時の風俗が映されとても興味深く、特に酒場で出てくるバンドの女性ボーカルが「♪ウワオワオワオワ・・・・♪」と歌うシーンの熱量に圧倒され、後で調べると2023年のNHK「連続テレビ小説」で主人公のモデルとなり 戦後の「ブギの女王」と呼ばれた笠置シヅさんということがわかり、道理で途轍もなくパワフルで只者でない雰囲気だったんだと納得でした

正直、もうちょっとセリフが聞きとり易いといいなと思いましたが80年近く前に作られた作品ですし仕方がありませんね(苦笑)

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Jett

5.0ワカフラビンの看板

2025年1月21日
PCから投稿

未だ後年の黒澤調は出ていませんが、同時代の邦画全般が引きずる戦前風の古臭さを感じさっせません。演技が良いというより演出が巧み、ストーリー展開もスピーディーというより堅実にドラマチックに展開します。

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越後屋

4.5迫力が

2024年7月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

三船、志村!

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K3

5.02人の天使と天使になれなかった男

2024年6月14日
PCから投稿

終戦後の1948年公開
黒澤明監督の酔いどれ天使

志村喬 演じる町医者
町のチンピラ三船敏郎
そのほか癖の有る俳優達
+ 結核の少女、久我美子

映画初出演の久我
駆け出しの三船
志村は中心にいる。

戦後の混乱期、人を生かす事に執着する医者は、絶望感の中にいるヤクザを治療し大きな病気を発見する。療養を進言するが聞く耳を持たない。しかしその眼は死への恐怖に怯え、治そうとも考えた。一方 同じ病気の少女は医者の言葉を聞き未来を見つめる。ある事がありチンピラは壮絶な死に方をする。医者は心を痛めた。良くなってきた病気、少女は埃にまみれた町で強く生きようとしていた。

チンピラの衝撃的な死に方
厳しいが根は優しい医者
笑顔の少女、白い花

どん底の日本の姿
そこから光を見せる
黒澤監督の手腕。
凄い人だと思う。

数日前、久我美子さんが亡くなった。
この作品は17歳くらいか?
いい監督、いい作品と出会った。
映画はその人の姿を残す。
多くの人の心に残すもの。



思い出しながら書いた。
また鑑賞しよう。

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星組