ハロルドとモード 少年は虹を渡る 劇場公開日:2010年7月17日
解説 「さらば冬のかもめ」「シャンプー」「帰郷」といった名作で知られるハル・アシュビーの監督第2作。広大な邸宅に住み、ほしいものは何でも手に入る立場にありながら、死に取りつかれた自殺マニアの少年ハロルドは、ある時、80歳の老女モードと出会う。生きる喜びに満ちていたモードとハロルドはやがて互いに愛し合うようになるが……。ふたりの交流を通じて、愛すること、生きることの素晴らしさを描いた青春映画。日本でも上演された大ヒット舞台劇の映画化作品。1972年日本初公開。2010年「ZIGGY FILMS '70S '70年代アメリカ映画伝説」でリバイバル上映。
1971年製作/91分/アメリカ 原題:Harold And Maude 配給:日本スカイウェイ、アダンソニア
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2022年6月25日
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鑑賞方法:DVD/BD
いやぁ~、こんなにブッ飛ぶ面白さで、笑えて心揺れる傑作だとは思わなかった! 「死んでいる」と自分の事を言う青年ハロルドが、ひとりで突飛な行動を起こす序盤パートも意外性あふれているが、生き生きとしたお婆さん=モードが登場してからは意外性に拍車がかかり、物凄い展開になっていく。 お婆さんのモードが「モラルに縛られて自分をごまかすな」と言うと、ハロルドは「生きてなかった。何度も死んでいた」と言うあたりも含めて、名言だらけの映画。 トンデモナイ展開が本作の魅力なので、詳しくは記載しないが、ハル・アシュビー監督の大傑作!
2022年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ー 冒頭から、死に憑りつかれた19歳の少年ハロルドは、たびたび狂言自殺ー首を括ったり、首を切ったりする振りをするーを繰り返しては両親を驚かせていた。 そんなある日、彼が出会ったのは自分と同じく見ず知らずの人の葬儀に出席する80歳のおばあちゃん、モード。 毎日を謳歌するモードの姿に心動かされたハロルドは、やがて彼女に惹かれて行くが…。 ◆感想 ・今作は、ジャンル分けで言えば、コメディになるのであろう。 モードの自由奔放過ぎる数々の行為。 他人の車を勝手に乗り回し、街中を暴走。果ては取り締まりに来た白バイまで勝手に乗っていってしまう。 ・街路樹が、排気ガスで死に掛けている姿を見て、モードはその木を森に戻す。猛スピードの車に乗せて。 - ここは、重要なシーンであると思う。 自由奔放なモードの腕には、且つてナチスドイツの強制収容所に入れられた際の番号が刻印されているのである。一瞬、映るだけであるが・・。 それ故に”一度死んだモード”は、自由奔放に振舞いながら、自殺願望のあるハロルドに、”身を持って”生の大切さを伝えたのだろうと思う。- <自殺願望を持ちながら、致死に至らない程度の行為で止めるハロルドは、真に死を求めているわけではない事が、彼の言葉から分かるシーンも印象的である。 - 実験の際に”一度死んだと思った”彼の母親が警官の腕に倒れ込んだ姿を見た際に彼が感じた事。彼は母親の愛に飢えていたが、自分が死んだと思った母が自分を大切に思っている事に初めて気づいたのである。- 死地を脱して、自由な人生を満喫したモードが、身を持って生の大切さをハロルドに伝えるシーンは印象的である。 今作は、コメディ要素を塗しながら、生の大切さを描いた作品である。>
2022年2月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
アナーキーでチャーミングなおばあちゃんが印象的な作品.こじんまりとした抗議活動としてあんな生き方も悪くない.80歳で薬を飲んで死ぬというのは悪くないものだなと思うようになってきたかもしれない.医学化されて病院の中で体を切り刻まれて死ぬことよりも
自殺願望の少年にとって相手は誰でも良かったんだよね、たまたま外見が年老いた女性だったってこと。 人生は引かれたレールじゃなくて、自由で、危険、脱線しなきゃ面白くない。成長しない。 そんな豊満な生き方、考え方を、モードと関わったことで、ハロルドの心がゆっくりと楽にほぐれて行く。 ハロルドが見ているのは、老いた外見ではなく、モードの心地よい生き方。 心地良いから結婚したい、だっていつもいっしょにいたいんだもん。 人を外見や年齢で判断していては、一生四角い箱から出られず、ありきたりなつまらない人生になっちゃうんじゃないかな。 この作品には深い意味があるね。