日本の夜と霧

解説

日米安全保障条約の改定・批准に反対する安保闘争を舞台にした、時代背景色の濃い作品。霧の深い夜、新安保闘争で結ばれた新聞記者・野沢と女子学生・玲子の結婚式が行われていた。しかし、逮捕状が出ている全学連の学生・太田が突然乱入し、国会に向ったまま消息を絶った学生・北見の謎の失踪事件を叫び始めた。そこから、当時の学生運動の陰に起こった様々な事件が暴露されていく。上映4日目にして打ち切りとなった作品で、浅沼社会党委員長刺殺事件、安保闘争直後の世相などにより、再上映にも3年の歳月を要した問題作。大島監督はこの上映中止に抗議し、松竹を退社した。

1960年製作/107分/日本

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映画レビュー

3.5☆☆☆★★★ 鑑賞直後にWikipediaを確認。 色々なエピソー...

2024年3月16日
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☆☆☆★★★ 鑑賞直後にWikipediaを確認。 色々なエピソードが残っているのだけど、如何にも〝 勢いだけで作っちゃった 〟感満載な内容には「そりゃそうだろうなあ〜」…と言った思い。 更には多くの出演者達が、「何をやってるのか分からなかった…」とあると、これはもう苦笑せざるを得ない。 内容に対して、あれこれと語れるだけオツムが良い訳ではないので辞めておきますが。個人的には結構楽しんで観てました。大島作品の中では比較的分かり易い方の部類に入るんじゃないですかねえ。少なくとも、この後に撮影した『儀式』や『紋死刑』等の作品と比較してではありますけど、、、 それにしても激しいディスカッションの連続で。それによって発生してしまう、多少(と言うか、大いにですけど)感じる違和感等の疑問点を言わせない程の迫力を生み出しているのは圧巻でした。 公開直後に浅沼刺殺事件が勃発し、直ぐに松竹は日和った為に公開中止となるのもむべなるかなと言った思いですね。 まさに、監督大島渚と共同脚本でもある石堂淑朗の、【想いの丈】のみが沸点に達したからこそ日本の映画界に産み落とされた《怪物作品》であったのでしょう。 Wikipediaを見ていて思ったのですが。脚本の石堂淑朗は後に、黒澤明に対して一貫して批判的だったのは分かるのですが。小津安二郎を絶賛していた…ってところは意外でした。 少なくとも、大島渚・篠田正浩・吉田喜重といった面々と始まった松竹ヌーベルバーグは。小津を筆頭にして生み出された、独特の大船調に対するアンチテーゼだと思っていただけに。 2022年3月15日 シネマブルースタジオ

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松井の天井直撃ホームラン

4.0こんな結婚式は嫌だw

2024年2月20日
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序盤までは画的にも楽しめたけど、中盤以降は党内部のドロドロした暴露大会が中心だった。けど、それはそれで楽しめた。リーダーである中山が、数々の告発に遭い袋叩きにされながらも、自分に向けられる批難=党への否定という、お馴染みの論理で弁舌巧みに場の流れを誘導していくサマはとても良かった。 ラスト、滔々と語る彼の長台詞を聞かされながら、誰かゲバ棒で頭ぶん殴ってやればいいのにと思っていたけど、実行する者はおらず、皆がなんとも言えない雰囲気で立ち竦んでいるのがとても良かった。 棒読みや言い間違い、言い淀みは制作の裏事情に目をつむって、「緊張」や「緊迫感」の演出と脳内変換してやれない事もなかった。 役者がセリフを喋らされているということの暴露は、学生が所詮、政治的言説を喋らされているに過ぎないという意味も含んでいるのかしら(多分違う笑)などと思った。

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抹茶

3.0ハンディを逆にリアリティ構築の武器にした大島渚の非凡さが…

2022年11月15日
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鑑賞方法:DVD/BD

ミステリー仕掛けの ディスカッション舞台劇の様相だが、 何か壮大な実験映画を見せられたような 鑑賞気分だった。 また、頭の弱い私には 外国映画で良く経験することだが、 誰が誰やら分からなく点や、 描かれる場面がどの時点の話なのかが 分からなくなってしまうことがあって、 もう少しその点が分かりやすい編集で あったならばとの思った。 この作品、解説には、 異例のスピードで制作しなければならない 背景があり、 台詞を間違えても中断せずに撮影を続けた ことが独特の緊張感を生んだ、とあった。 演出で凄いと思ったのは、 各俳優が言い間違いでも、 通常の会話ではあることなのだからとして、 それを顔に出さないように 徹底指導して演技させたことだろう。 ハンディを逆にリアリティ構築の武器にした ところにも大島渚の非凡さを感じる。 話は、社会への怒りが ともすれば身内に向かってしまうのは、 少し間違えると連合赤軍のリンチ事件同様に 発展しかねない危うさも感じる内容だ。 半ば内部崩壊したような 当時の左翼運動ではあるが、 政治を自分達の手で本気で変えようとした 社会に対する当時の先輩世代の真剣さには、 ある意味ノンポリだった世代の私は 尊敬の念をいつも覚えている。

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KENZO一級建築士事務所

2.0珍作。

2022年11月10日
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初見。 全編台詞劇でいて台詞トチりをまんま使う。 だから緊張感増の意図らしいが、それが気になって主張が入って来ん。 寧ろ笑えるNG集な珍作。 にしても本編を全く表さぬ客寄せ下世話なポスター。 これをやり切る大島渚と昭和という勢い。 だから必見と敢えて言おう。

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きねまっきい