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映画レビュー
冒頭からカメラの手ぶれで酔いそうになり、出演者の学芸会レベルの演技...
冒頭からカメラの手ぶれで酔いそうになり、出演者の学芸会レベルの演技力が気になった。
このため、内容がほとんど頭に入って来なかった。
レギュラーメンバーに栗田ひろみと石橋正次、沖縄の陽光で、性のおおらかさが全面に溢れる
前作の『儀式』と異なり、素直子役栗田ひろみの愛くるしさと沖縄の陽光のせいか、明るい印象。儀式の設定と被るが素直子の兄さんかもしれない石橋正次のやんちゃな感じの笑顔も青春ドラマ風で魅力的。
ただ、映画骨格的には儀式同様、沖縄女性・小山明子を挟んで本国人の小松法正と沖縄人の佐藤慶が京大時代の穴兄弟で、石橋正次はどちらの子かも不明。象徴的に彼は沖縄語・日本語の翻訳を観光客に教えてお金を稼いでいる。誰も彼もこの関係性を悪とはせず、どちらの子?と聞かれ、凛として私の子と答える小山明子が、沖縄人の芯の強さを象徴してか、印象に残る。もしかして、将来の保険をかける意味で二股をかけた?
この性の自由さは、次世代の人間でも同様というかエスカレート?素直子のピアノ先生りりーは小松法正と近く結婚するが、石橋正次と積極的に関係するし、石橋正次も妹かもしれない中学生の栗田ひろみの唇にキスをする。この世代を超える性のおおらかさは、政治性が伺われた儀式とは違う印象で、フランス映画みたいで良いなあと思った。
最後に本国から殺されにきたという殿山泰司が、本土人を殺すという沖縄人・戸浦六宏を、言葉とは反対に海に突き落として終わるのは、結局は本国にいいようにされてしまう沖縄の運命の象徴なのかな?
相変わらず、大島映画は物語に複数の階層があり考えさせられ、魅力的。この後、愛のコリーダまで3〜4年ほど映画作れなかったのは大きな損失と思った。