戦場のメリークリスマスのレビュー・感想・評価
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40年ぶりに観た戦メリは少しも色褪せず、面白かったですニャ😇
敵軍との大規模な戦闘シーンゼロでも反戦映画が撮れるのを大島渚監督は実証してみせてくれたのだ🫶
ビートたけし、ボウイ、坂本龍一の演技と教授のサウンドトラック、あらためて素晴らしいと思った次第🥹
あまり覚えてないけど、公開当時は日本ではスターに脚光が行っちゃって映画としての正当な評価は得られなかった気がするな(違う?)
デジタルリマスター版が出ている今こそ再評価されるべき作品
ホモソーシャル
以前ビデオで鑑賞しましたが、リバイバル上映にて劇場で再鑑賞しました。ビデオよりも劇場で鑑賞した方が100倍位良かった。
現実なのか幻なのかも良く分からない、不確定要素だらけの戦場がまるで茶番劇の様で、こんなことをまともに信じてこんなことをまともに実行していた当時の日本軍がいかに狂っていたか。
でも、彼らの狂気も正気になる瞬間があって、ヨノイはセリアズと、ハラはローレンスと会った時だと思いました。ヨノイの思い描く美学にセリアスはピタリとハマったのだろうし、ハラの人懐っこい性格がゆるりとしたローレンスの性格に合っている様に見えました。お互いを人間と思わない環境で人間と認識する瞬間。
正気というのは、究極のところ、人間を人間だと認識ができる状態なんだと思います。
ハラキリから、生き埋めまで、ホモソーシャルの世界では、ホモセクシャルへの差別は実に異常です。このホモセクシャルへの差別の異常さは、逆に男性の本能の中に少しでもホモセクシャルの種があるからではないでしょうか。
ホモソーシャルの中では禁忌なはずなホモセクシャルな感情が、微妙なタッチで描かれていましたが、確か、戦国時代は戦場でのホモセクシャルは一般的にありましたよね。
ホモセクシャルが禁忌になったとしても、男性が男性に対して感じる慕情やエクスタシーは、隠しきれないし抑えきれない。そんな秘めた感情を日本的にシャイに描ききった作品だと思います。大島渚のボーイズラブ。私も男性だったら、もっとエクスタシーを感じたかもしれない。
ビートたけしと坂本龍一を世界に知らしめた映画
ビートたけしにとっても、坂本龍一にとってもターニングポイントになったし、日本映画界にとってもターニングポイントになった映画でした。
『戦場のメリークリスマス』
1983年。
監督:大島渚。
製作:ジェレミー・トーマス。
原作:ローレンス・ヴァン・デル・ポスト
脚本:ポール・メイヤーズバーグ
(俳優をはじめとして国内及び外国資本、製作・脚本と多国籍で作られた
国際仕様の当時としては巨大なプロジェクトの映画です)
今回、日本映画専門チャンネルの4K修復版(放送は2K)が
放映されて、遂に観ることが出来ました。
(ケーブルテレビの場合、日本語字幕が付くのも利点です)
主演の3人。
デヴィッド・ボウイ(撮影時35歳)
坂本龍一(撮影時30歳)
ビートたけし36歳)
世界的ロックスターのデヴィッド・ボウイ。
伝説のバンドYMOの作曲兼シンセサイザーの教授こと坂本龍一。
売れっ子漫才師のビートたけし。
ボウイと龍一は、その美しさで魅了するし、
坂本龍一は【一度聴いたら脳裏に刻まれるテーマ曲】を作り、
後の「ラストエンペラー」でのアカデミー賞作曲賞に繋がった。
ビートたけしは、この映画出演をキッカケに映画に興味を持ち
その後役者に力を入れて、「その男凶暴につき」で満を辞して
映画監督として華々しくスタートして、
「HANABI」「ソナチネ」などを作品多数。
『戦場のメリークリスマス』で現場を完璧に掌握するカリスマ
大島渚への傾倒があったと語る。
この映画の奇跡のキャスティングが実現した第一の要因は、
世界をアッと言わせた『愛のコリーダ』1976年の成功にあるのでしょう。
デヴィッド・ボウイはこの映画出演のために2年間のスケジュールを
あけて待ったそうです。
さて作品はインドネシアのジャワでの捕虜収容所を舞台に
イギリス人捕虜と日本人軍人の交流を描いている。
日本軍大尉や軍曹の横暴かつ野蛮な行いを、やや俯瞰から見た
客間的に描写した映画です。
収容所長のヨノイ大尉(坂本龍一)
ハラ軍曹(ビートたけし)
一番の主役のセリアズ少佐(デヴィッド・ボウイ)で、
セリアズの心の傷・・・弟への悔いが回想シーンで描かれます。
この映画は世界13ヵ国に配給され、国際的プロジェクトが組まれました。
当然「ハラキリ」を入れなければ外国人は満足しないでしょう。
2度ほど切腹の場面がありますが、描写は非常に穏健。
殆ど血が出ません。
切腹の介錯(かいしゃく)も形だけ。
首が転がることはありません。
(R指定を回避したのかと思われます)
ヨノイ大尉のセリアズ(ボウイ)への同性愛的愛情。
これが秘めた恋のように描かれ、セリアズがヨノイを慰めるかのように、
ヨノイの両方の頬にKissすると、なんとヨノイは失神するのです(?!)
(このシーンって日本男児にとってはプライドを傷つけられた、
恥をかかされたシーンなのだろうか?)
そこは正直なところよく分かりません。
日本軍の蛮行の描写もほどほどです。
(しかし俘虜を殴るシーンはとても多かったですね)
かと言って俘虜と日本国軍人ハラと通訳ロレンス中佐(トム・コンティ)
との友情も描き切れてはいるかと言うと、描き切れていない。
人間ドラマとして今ひとつ盛り上がりません。
タイトルは原題が「メリークリスマスMr.ローレンス」ですし、
邦題の「戦場のメリークリスマス」から、俘虜と日本軍人の
心の交流の生まれるシーン、
「クリスマスパーティ」などをを想像しました。
ところが胸熱のクリスマスシーンなんてどこにもでないのです。
セリアズが南国の花(ハイビスカス🌺の花弁)をむしゃむしゃ食べるのと、
酔っ払ったハラがセリアズとローレンスに、
「釈放だ!!釈放しろ!!」と叫ぶシーンが、ハイライト。
【セリアズの処刑シーン】
一体、デヴィッド・ボウイは何時間、
首だけ出して灼熱のジャワの熱した砂の
洞穴に埋められていたのでしょう?
大変な肉体的苦痛を我慢したのは確かです。
デヴィッド・ボウイはこの映画に命懸けで臨んでいました。
脚本的にポイントが絞れていない、
感動ポイントがない、
反戦を伝えたかったのか?
それも不明です。
龍一とボウイの圧倒的な存在感と美しさ。
意外にも坂本龍一は軍服が似合っています。
そして通訳のトム・コンティの確実な演技力。
そして一番の儲け役はたけし。
威張り散らしていても実は小心で人懐っこく憎めない男ハラ軍曹。
たけしの弾ける笑顔と坂本龍一のテーマ曲が流れるラスト。
このラストシーンこそが映画史に燦然と輝いていています。
ラストで余韻に浸れるのは名画の証拠。
一度は観ておくに相応しい印象的な日本映画でした。
ボウイとリュウイチ
お気に入りのギャグを何度も使いたがるオヤジ
戦場と言いながらバトルシーンは無く、裏側の兵士や捕虜のみを描写。男しか出てこない。
たけしのコメディかと思いきや割とまじめな作品のよう。
弾は飛び交わないが、心理描写に重きを置いており、兵士という立場上の価値観、そこに愛や友情が交錯する様を描いている。
立場上の価値観は本来フェイクなもので、矛盾の中に思考を置かなければならない環境下の彼らの心情を鮮烈に描写している作品だと言える。
気軽に観るのも悪くはなさそうだが、面白いかは不明である。
良い点
・古い作品だが価値観は新しい
・犯人であろうがなかろうが、そのレッテルを貼られたものが裁かれればよい事
悪い点
・何と言っているか分からない部分も
・回想が異様に長い
その他
・BL
・ツンデレ
・まさかの作曲者
これは確かに、大島渚監督の代表作品と深く納得させられる一作
『愛のコリーダ』(1976)など、最近デジタル修復された大島渚監督作品を劇場で鑑賞できる機会があって、嬉しい限りなのですが、さすが名作だけになかなか席が確保できず何度かの挑戦でようやく鑑賞できました。
誰もが知る坂本龍一の旋律、戦争という極限状態における、錯綜する男達の関係性という大島監督のテーマ、そして(ビート)たけしをはじめとした俳優達の神がかった演技によって、確かにこの作品は大島渚監督の代表作であるだけでなく、映画史に残る作品であることを、現代の観客の目線でも深く納得させられました。
階級と民族性、管理する側とされる側、といった重層的な関係性が織り込まれているのに、作品の上映時間そのものは現代の大作映画と比較するとコンパクトで、それだけにローレンス(トム・コンティ)だけでなくほとんどの登場人物の背景は大胆に省略されていて(日本側の軍人は名字の漢字すら分からない)、「今ここ」の関係、接触に全てが凝縮されています。
北野武は本作によって映画俳優として注目を集め、その後のキャリアに繋がっていったのですが、ハラ軍曹という、残虐かつ冷淡だが、どこか愛嬌と無邪気さがある、という複雑な人物像を見事に演じていて、彼の映画人としての特性を見出した大島監督の慧眼には改めて驚かされました。
デジタルリマスターによって映像の色彩は極めて鮮やかなんですが、たけしと坂本龍一が早口で喋ったときに何を言っているのか分からないところが、『七人の侍』(1954)の三船敏郎を連想して少し笑ってしまいました。もしかしたら公開当時から聞き取りにくかったとか!?
トンチキ
著名人揃い踏みの大BL大会ってことで?
昔も今も日本人は、 ヒステリックな人種になってしまったものだ。
ボーイズクラブ
誰も決めず責任を取らず外からのインプットを断ち、集団で狂っていく日本人(と敢えて言う)を外から描いているような日本映画、今見ても鮮烈だった。当時見た人は、戦争の直接間接の体験や空気感をより知っていたはずで、その上でどう受け止めたかもあわせて知りたくなった。
特殊な環境であっても、人はなぜか人に惹かれることも分かりやすく描かれており、説得力があった。女性はゼロ人、エピソードでしか出てこない世界に徹して成功している。そういう世界があり、みな知っているということだ。
この映画を強く薦めてくれた人が、組織の中でたった1人でも正しいと思うことを貫く人で、観た後に納得した。薦められてから観るまでに3年以上かかっている。重い作品の予兆は見えていたのだという言い訳。
責任とは
4K化(上映は2K)でたぶん十数年ぶりに観賞。ストーリーも台詞もかなり覚えていて自分でも驚いたが、鮮明な映像に加え、画面構成もセットや衣装も全く古びておらず、懐かしいというよりとても新鮮に感じた。(音声(台詞)の方は一部が若干浮いているように聞こえるのが気になった。軍事法廷の英語のアフレコっぽいところとか)
過去の自分の印象はセリアズと弟の物語にフォーカスしていたが、今回はたけし扮するハラ軍曹への悲哀を強く感じた。表層的には中間管理職のそれに近いが、その結果が重い。
彼が戦犯となったのは、劇中の出来事だけで考えれば、デヨンの自死や強制整列させた傷病兵の死、セリアズの懲罰死などの捕虜虐待に対して、上官のヨノイ大尉と共に現場管理者として責任をとらされたのかと想像する。
彼には彼なりの世界観、秩序意識、任務に対する責任感があっただろう。それは国際的な規範からは逸脱していたかもしれないが、当時の彼に他の選択肢が、より正しくはそれを知る機会があったのか。ラストで行く末を悟りながらも、ローレンスにこぼす「どうして自分だけが」との感慨には無力感が込もっている。
今は戦争という状況ではないが、選択の余地なく役割を果たすことを求められ、その結果責任を甘受しなければならないということについて、かつて本作を観たときには感じなかった切迫感を覚える。それは、社会での自分の立場が変わったからか、世の中の動いている方向ゆえだろうか。
実際には(戦時の兵士と違って)そこから離れるという選択肢もあるのだろうが、いざというときに自分は腹を決められるだろうか。
追伸:「ペルシャン・レッスン」の感想を書いたとき、教え子のSS士官に全く感情移入しなかったのだが、ハラと同じ立場だと思い至って、自分のバイアスに気づかされた。
Let's Dance
もう二度と(映画館で)見られないと聞いたので。
今年40本目(合計693本目/今月(2023年2月度)6本目)。
どうも版権上の問題があるようで(よほどの事情があるのでない限り)映画館で見られるのはこれが最後(4Kリマスター版も含め)というところです。
当時の日本軍(第二次世界大戦)に関することなど、やや日本史よりの知識を要求してくる部分はありますが、中学歴史で習う範囲かな…と思います。
問題は4Kリマスター版だということで、それは画像がきれいになったことを意味しますが、音声についてはそのままなので、何を言いたいかわからない部分がいくつかあります(5日時点では、一般版「戦場のメリークリスマス」はプライム会員なら無料で見られますので、どうしてもわからない部分はそこで補うしかない)。
この当時の日本と外国の文化の違い、交流の在り方という点が含まれているのは良かったです。
ややBL(ボーイズラブ)的な要素があるかな、とは思いましたが、この当時の事情から男性「しか」原則として戦場にはいなかったというのはこれも事実で、ここは「極端にわたる範囲でない限り」、史実としてもそれはある程度推知できることであり、そこは減点なしかな…という気がします。
アマゾンプライム会員さんであれば一般版(4Kリマスター版でないもの)は見ることができるので、あうあわないの判断には使えますので参考にどうぞ。
やや若干気になった点もあったものの、極端に引くことも難しいので、減点なしにしています(上述通り、版権上の関係で「最後の上映ですよ」ということで見に行けたことの満足感のほうが大きい)。
私が生まれる前の映画、初めて見たけど最高でした。
2023年の再上映で軽い気持ちで見てみたところ今まで見た映画で一番好きな作品になりました。
ハマりすぎて映画館で2回、サブスクでも何度も見ました。
湿度の高い南国のまるで世の中から切り離されたような異様な場所は一つの国のようでそこでしか成り立たない秩序がある。そこいる人たちはみんな育った環境も受けてきた教育も理念も立場も全然違う。でもみんな人間。一人一人の人間。
映像、音楽、ストーリー、キャラクター、キャスト全てが最高で奇跡のような映画だと思います。映像の美しさ、色彩の使い方がたまらなく好きで、Merry Christmas Mr.Lawrenceの文字の出し方がかっこよすぎる。音楽の使い方も斬新で刺さるし独特なセットも素晴らしい、衣装もとても好きです。キャストも他はありえないハマり役ばかり。何をとっても最高です。
「この映画、よくわからない」って感想が多くて正直びっくりしました。でも、じゃあ自分が完全にわかってるのかと聞かれたらわかってないとは思います。ただ、人の感情は矛盾を孕んでいて白黒はっきりしてないと思うのでこれが正しい、間違ってるって話ではなくて、登場人物の気持ちを考えた時にいろんなことを思うその全てが正解なんだと思ってます。実際私も見るたびにいろんな視点や考えが出てきます。それが面白いです。そして苦しいです。大好きです。
外されている、常に外されているという鑑賞。 俯瞰的な観点がない。支...
稀有な傑作を観る最後のチャンスなのか
理解はできないが、今もなお新鮮な映画体験
疑いなく傑作!
この作品にかぎらないが
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