戦場のメリークリスマスのレビュー・感想・評価
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何度見てもちょっと笑ってしまう。
例のヨノイがセリアズのキスによろめくシーン。坂本龍一の能面みたいな表情がとても好い。あと、俳優たけしは使いようだなと、改めて思った。ハラ軍曹のチャーミングさはとても感動的だ。そりゃあ見出されちゃうよね。「その男、凶暴につき」以降すっかり板についたバイオレンスたけしも好いけど、どこか照れたような人懐っこい愛らしさもこの人の魅力だと思う。
●ファーザー・クリスマス!
やっぱ坂本龍一ってスゴイ。曲がね。観終わって1、2日は、あの曲が頭の中で流れ続ける。
観終わって思い出した。監督は大島渚だと。ずいぶん日本人を悪く描くなと思って観てた。一方で、戦時中はこうだったのかなとか、外国からみたイメージかなとか。良くも悪くも、こういう日本人像もあるかもなと結論付けた矢先。
よくみりゃ男しか出てこない映画。キモいと清いの紙一重。
清さはデビッド・ボウイと坂本龍一ゆえか。
役者、ビートたけしがいい。ラストがまた粋だね。
完全に評価が分かれると思うけど、辛うじてオレは好き。戦時下で淡々と流れる日常と、静かな音楽と、誇張しすぎない事件の見せ方が表現統一されていて。
ファーザー・クリスマス!
淡々と、ゆるりと
興奮
知的
映画の舞台は、ジャワ島の日本軍捕虜収容所だから、当然の如く男しか出てこない。
国籍も違う、支配する者と支配される者同士であっても、そこは同じ人間、美しい同性を美しいと感じてしまう感情は、人として絶対に犯してはならないタブーだったのか。
その衝動をどうしても押さえきれなかったヨノイ陸軍大尉の姿が、ここではとりわけ特異に映る。
戦争映画なのに激しい戦闘シーンは一切出て来ないし、かと言って反戦のメッセージを声高に叫んでいる訳でもない。
今となっては坂本龍一とデヴィット・ボウイの突発的なキスシーンと、ラストで見せるビートたけしの画面いっぱいに広がる笑顔と、坂本龍一が手がけた単調な旋律が印象的な美麗なテーマ曲しか思い出せない。
かつての『愛のコリーダ』がわいせつ頒布罪で裁判沙汰になるほど、日本中にわいせつか、芸術かのセンセーショナルな話題を提供したのに対して、本作はあからさまな男同士の性描写もなく結構おとなしめだったように思う。
起伏の乏しいストーリーと相まって、そこが何とも惜しいところである。
う〜ん、よく分からなかった。盛り上がりがなく淡々としてて退屈でした...
う〜ん、よく分からなかった。盛り上がりがなく淡々としてて退屈でした。観直そうってモチベーションが上がらないな〜
デイビットボウイが素晴らしい!
話の流れは単調で、捕虜と日本人兵の日常がたんたんと描かれている。その平穏な日常もボウイ扮するジャック.セリアズが新たに捕虜として加わってから一変する。正直、ボウイの音楽には全然興味無かったけれど、彼の俳優としてのその存在感に圧倒された。彼がスクリーンに登場しただけで華があり、いかにも誇り高い英国軍人であることを感じさせる佇まいがある。坂本龍一演ずるヨノイも一目で彼に恋に落ちる様子も頷ける。ストーリーはほんと退屈だけど、ヨノイが狼狽したり、恍惚とした表情を浮かべたりで、セリアズに振り回され心が乱される様子が滑稽でもあり、気の毒でもあり、目が離せない。男女の恋愛よりも、男性同士の、それも敵同士の軍人の恋愛がプラトニックで高貴な感じがする。
ヨノイはセリアズに明らかに恋してたけど、セリアズがどう思っていたかわからない。平和な時代に出逢っていたら恋に落ちないかもしれない。多くを語らない映画で観る人に想像の余地をこんなにも残してくれた映画という事で、大いに評価できると思う。
曲は好きだが…
日本軍下の外国人捕虜、を描いているが
兵士の特異なふるまいを「日本人気質」と無理やり結びつけていると感じた。
実際に描かれているのは例えば同性愛者の嫉妬であるとか、
その人のパーソナリティに由来する行為であり、
日本人的な性質とは関係ないだろう。
日本人を良く見せる必要はないけど、
逆に偏見を生じさせるような描写も勘弁してほしい。
あと、ローレンスの日本語が聞きとりにくすぎる。
特に胸に響かなかった
名作とうたわれている所以がわからない。私の胸には響かなかった。 公開当時の世間の熱量が、今と著しく違うからかもしれない。当時見た人にとっては新鮮さは色褪せないのかもしれないが。
捕虜収容所という特殊な空間でおきる男たちの衆道のような関係性。坂本龍一演じるヨノイがデヴィッド・ボウイ演じる英国人将校セリアズに寄せる想いが、この映画の一つの軸になっている。
だが淡々としていて、特にスキャンダルな展開にもならず、話自体に起伏がない。同じ命令を繰り返すヨノイや反発するセリアズという構図に飽いてしまったし、セリアズの髭反りパントマイムにも鼻白んでしまった。
もう一組の主役、ビート武演じるハラとロレンスの間には、ちょっとした連帯関係が描かれるけれども、ハラが最後晴れ晴れと死を迎えられるほどの強い結び付きが劇中にあったとは思えなかった。
ただ、奇妙な日常感が印象に残る映画ではあった。脅したり虐げることが日々の仕事であって、兵士はそれをこなすだけという、戦争の不可思議さは感じたし、ところどころいい台詞もあった。 「私は個人の日本人を恨みたくない」 「変な顔だけど、目はきれいだ」 後者は、ラスト武のアップに呼応していると思う。
それにしてもロレンスの発音が悪すぎて、映画を観る以前の問題だと思った。 辿々しいを越えて、全く喋れないに等しい。アフレコしたのかしらないが、もししていないのなら、アフレコしないという変な業界人のプライドにかまけて、観客を置き去りにしていると思う。
ロレンスは言った。 「日本人は何かに焦って、集団で発狂した」 「個...
ロレンスは言った。
「日本人は何かに焦って、集団で発狂した」
「個々の日本人は恨みたくない」
我々、若い日本人は戦争を知らない。どれだけの、被害を受けたかは語られ聞いてきたがどれだけ酷いことをしてきたかは知らない。
この映画は、そんな日本人の行ってきた非情な行いを語っていた。
私の理解力が足りず、よく分からなかった
北野武の演技力がまだ未熟だった点が新たな発見であった。
私の理解力が足りず、伝えたいことがよく分からなかった。何度も繰り返し観る必要がある。
シュール
うーん...。シュール。
大掛かりなコントに思えた。
武さんが唐突にメリークリスマスと言い始めた理由など、よくわからないことだらけ...。
デビッドボウイが赤い花を食うシーンと
坂本龍一の表情がとてもよかった。
サントラは間違えなくTSUTAYAで借りてしまうだろう。
不思議な魅力
いつか観たいと思っていた映画です
クリスマスシーズンということで特別上映?されていました
劇場で観られて嬉しいです
さて内容ですが、戦争映画であり戦争映画ではありません
反戦や戦争の悲惨さを訴える気は毛頭ありません
極限状態での性差を超えた人間関係を描く為に戦場が最適だったという感じです
俘虜収容所という絶対的な主従関係が発生する場で民族間の考え方の違い、宗教観といったものが激しくぶつかります
俘虜たちに日本の価値観を押し付けようとする日本人の言動は見るに堪えません
日本人を全く庇わない大島監督は素晴らしいと思いました
そしてそんな日本人と奇妙な感情を交わしていく(計算もあったでしょう)俘虜たち…
どんな環境、立場でも長く同じ時を過ごす事でヒトとヒトの関係が築けるという事でしょうか
あまりに有名なラストシーンが答えだと思います
そして登場人物たちの存在感…
なんだかぎこちない演技なのに圧倒的な魅力で惹きつけられます
ヨノイが何故メイクをしているのか最初は気になって仕方ありませんでしたが、最後はどうでも良くなります
(それにしても坂本龍一は何故か死にゆく軍人が似合う)
音楽の素晴らしさは語るまでもなく、不思議な雰囲気漂うこの映画、クリスマスシーズンには繰り返し観たくなる1本になると思います
男祭り。
今世紀初鑑賞&劇場初鑑賞。
登場するのは男ばかり。
それでも、どこか妖しく、美しく。
決して分かり易い映画ではなく、全てを把握したとは言えないけれど、悲劇的でありながら喜劇であり、その喜劇的側面が悲劇であり。
日本軍とその俘虜、戦後、その逆転。
人間、簡単に紋切りできるモノではない、ということが全体として伝わる。
多面性が人を形作っているのだ。
ぐさりと刺さる物語と音楽
この映画のすばらしいところは出演している各役の表情が輝いている点だと思う。
この面子を揃えて撮るということは、それなりのリスクもあったはずだし、そのリスクは想定もされていただろう。なにしろ、本業は違うところにある人たちばかりである。
それでも、いける、と踏んだ監督には確信があったに違いない。初々しくも切迫しながら演じる彼らからは生きていることの輝きが画面から伝わるような気さえする。
セリアズの回想が少し中だるみしているように思うが、ラストの歳月の飛ばし方は、ある意味で見ている側が試されているような、そんな潔さをおぼえる。受け取れ、と命題を突き出されているような。
ラストにやられた!
正直ローレンスの日本語があまり聞き取れなくて字幕つけてくれって思いました…
そして日本をよく見せないとこがいいなって思っちゃいました。
だから余計にちょっとした好意や優しさに気づくことができるんだな〜と。
そしてやっぱりラストの武さんは素晴らしかったです。これは逆に素人だから良かったんじゃないでしょうかねー。
どこかの少女漫画に出てくる禁断の男子校、だけど親爺版収容所編な雰囲気
総合:85点
ストーリー: 75
キャスト: 85
演出: 85
ビジュアル: 70
音楽: 85
戦時下の捕虜収容所という特殊な環境下を背景にした、日英の軍人たちの刹那的な生き方。人生の陰に埋もれた取り返しのつかないもの。どうしようもないすれ違いや、彼らの中に生まれる異様な感情。はっきりと描かれるわけではないのだが、そんな不思議な雰囲気に何か魅了された。
たけしをはじめとして出演者の演技力にはどうも簡単に褒められない部分もある。しかし登場人物の存在感という部分において見れば、奇妙な魅惑の雰囲気が出ていてなかなかの良作だと感じる。デビッド・ボウイはここでも怪しい魅力を放っている。坂本龍一のクリスマスというには冬らしくない、夜に溶け込む澄んだ音楽も素晴らしい。
若いころに見たときにはどこかを見落としたのか、映画の最後でビートたけしが笑顔で言う「メリークリスマス、メリークリスマス、ミスター・ロレンス」の意味がわからなかった。でも数年後に見直したときに、もうすぐ処刑されてしまう彼の、友情を感じたロレンスへのこれが最後の言葉なのだということがわかって、ちょっと寂しくなった。
30年ぶりで初めて映画館で見た
戦争映画かと思ったら戦場の捕虜収容所の話で戦闘場面は一切なかった。坂本龍一が一人だけメイクしていて変な存在感を発揮していた。デビッドボウイにほほにキスをされて腰を抜かす場面が面白かった。ビートたけしも非常に存在感があった。
デビッドボウイのトラウマがやたらと丁寧に描かれていた。有名な音楽がやっぱりとてもよかった。
高校生くらいの時にテレビで見てあまり意味が分からなかったけど、今見ても意図や意味がさっぱり分からなかった。分からないけど面白い変な映画。
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