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異常な状況下で結ばれた男女はやはり長続きしていなかったことがわかる『スピード2』。そのキアヌとサンドラが12年越しに結ばれるのか?病んでポンッ!とコケないことを祈るばかり・・・
もちろん韓国版『イルマーレ』がオリジナル作品。実は韓国版での主人公であったチョン・ジヒョンと元カレが一緒に写っていた写真が『猟奇的な彼女』のテヒョン君だったような気がしてしょうがなかったのですが、未だに確認できていません。もしそれがテヒョン君だとしたらリアルタイムパラドクスとしてとても面白い映画だったのですが、マニアックな楽しみ方をするのならハリウッド版の今作においても、『スピード2』のジェイソン・パトリックを登場させると面白かったに違いありません。何しろ役名がアレックスと、同じなのだから・・・
キアヌ・リーヴスは『マトリックス』ではコンピュータの異次元世界を経験したり、『ビルとテッド』シリーズでもタイムトリップを楽しんでいます。だから、タイムパラドクスを慎重に扱わねばならないと心得ているのか知りませんけど、誕生パーティで名乗ることをためらったところがいい表情でした。一方、サンドラ・ブロックといえば男を助ける役柄が多いのか、ここでも偶然を利用してポストに祈り続けます。もし失敗したら・・・そうなったらそうなったでしょうがないといった表情が冴えています・・・
脚本において、細かな会話のやりとりをチャット風にしたり、バーで流したキャロル・キングの名曲「It's too late」をサンドラ・ブロックの台詞に用いたり、ドストエフスキーやクラーク・ゲーブルの名前を父親像に盛り込んだり、小ネタとしては上手い使い方をしているものだと感心させられました。また、伏線として「説得」という小説でのテーマwaitingがいい具合に使われていて、脚本の上手さを堪能できたのですが、肝心なタイムパラドクスに関してはかなり無茶苦茶。木を植えたり、実はキスしたことがあったり、ニアミスどころじゃない大味な設定となっていたのが残念です。
たまたま『もしも昨日が選べたら』、『時をかける少女』と今作を立て続けに鑑賞したことになるのですが、時間を扱った映画はほんとに面白いものです。タイムスリップものなどの時間を扱った映画には必ず小物やある人物たちが全てを掌握しているような気がするのですが、この作品においては犬とポスト。前述したアレックスという名前の因果関係も面白いのですが、『スピード』におけるキアヌ・リーヴスの役名ジャックと犬の名前がジャックだという符合もシャレのつもりだったのかもしれません。犬が全てを知ってるはずです・・・