素晴らしき哉、人生!のレビュー・感想・評価
全82件中、1~20件目を表示
キリスト教的、アメリカ的、ハリウッド的
主人公ジョージ:聖ゲオルギオス ドラゴンを退治し異教徒の村を救い、またディオクレティアヌス帝による大迫害により殉教した聖人。
ジョージの妻メアリー:マリア様
2級天使クラレンス
→「天使にラブソングを…」のシスター・メアリー・クラレンスの由来か。邦題に“天使”とあるし。
酒屋の主人ニック:聖ニコラウス サンタ・クロース(英語セント・ニコラウスのオランダ語読み)のモデルとなった聖人。
店名マティーニ:聖マルティヌス 自分のマントを物乞いに与えた“マントの伝説”の聖人。
→ニックの店でマティーニを飲んだ後、天使クラレンスが遣わされる。
薬局のガウワーさん、銀行家の意地悪なポッターさん、「トム・ソーヤの冒険」など、他にも色々意味があるのだろうけどざっと見て理解できたのはこれくらいだな~(・・;)
夢も絶望も奇跡もこの映画の中にある。
幸せも絶頂だった男が あるキッカケで堕ちた、 くじけた、落ちぶれた。 寒く雪の降る日 正直に生きた男の人生が あるキッカケで動いた 狂った歯車が動いた。 彼の存在は無だったのか? 生きる勇気と人の温かさと クリスマス イブの奇跡。 It's a Wonderful Life この題名が伝える素敵な物語。 ※
【”情けは人の為ならず。そして守護天使は何でも知っている。真摯に生きて来たが故に多数の友ある者は救われる。”今作は、【真なる人生の幸せとは何か】を見事なる作品構成、演出で描き出した逸品である。】
ー 素直に書くが、全く恥ずかしながら、今作は初鑑賞である。ー
■(多分、多くの人が知っているのだろうが、敢えて記す。)
幼い頃から、真摯で自分の幸よりは他人の幸を優先して生きて来たジョージ・ベイリー(ジェームズ・スチュワート)。
世界中を回り大学に行き建築家になる夢、愛する人と新婚旅行に行く夢、大きな立派な家に住む夢、という数々の希望を悉く様々な出来事により諦めながら、ジョージ・ベイリーは、他人の幸の為に生きて来た。
それでも、彼は愛するメアリー(ドナ・リード)と結婚し、ボロッチイ家ながら4人の可愛い子供にも恵まれて、幸せな人生を送っていた。
だが、ある日、父が経営していた小さな貧民に優しい住宅会社の社長を引き継いでいた彼であったが、彼の右腕の叔父のビリーが会社の8000弗を銀行に預けに行った時に、その金を紛失する。その金は、町の嫌われ者でジョージ・ベイリーに悉く嫌がらせをしていた町一番の金持ちのヘンリーの元に有った。
ジョージ・ベイリーは、その金が無い事で会社が潰れる事に悲観して、自分の人生に絶望し、橋の上から身投げしようとしていた。そこへ、天使を自称する奇妙な老人が現れ、彼が飛び込む前に川に飛び込む。その姿を見たジョージ・ベイリーは川に躊躇なく飛び込み老人を助ける。
だが、その後も「生まれなければよかった」と嘆くジョージに、奇妙な老人の姿をした2級天使のクレランスは彼が生まれてこなかった世界を見せるが、その世界の人達は親切心が無く、皆不幸な顔をして生きて居たのである。
◆感想<Caution!内容に触れています。>
・流石、名品と言われるだけあり大変に面白く、且つ【真なる人生の幸せとは何か】を見事なる作品構成、演出で描き出した作品であると思う。
・特に、前半から中盤で描かれるジョージ・ベイリーの半生が、2級天使クレランスが”ヨセフ”に相談した”計らい”で彼がいなかったら、という設定の中に、ジョージ・ベイリーが放り込まれるという設定と、ジョージ・ベイリーの半生の対比の演出が素晴しい。
・ジョージ・ベイリーが、【自分が生まれていなかった】町の人達の不寛容で、不幸せな姿を見て、”全てを元に戻して欲しい!”と祈ると、世界は元に戻っているのである。
そして、大喜びしたジョージ・ベイリーは、家に帰り、4人の子供達を抱きしめるのである。そこにジョージ・ベイリーの窮状を知り集まって来た彼に恩義がある町の人々が、行った事を描くシーンも、観ていると多幸感に満たされるのである。
<”情けは人の為ならず”という諺があるが、今作はそれのアメリカ版であろう。今作が、アメリカのクリスマスの際に、定番としてある時期放映されていたという事実も良く分かる逸品である。>
バックボーンはアメリカの寄付社会・共助の精神?
<映画のことば> 一人の人生は大勢の人生に影響を与える。 その者が欠ければ、すべてが変わる。 わかったかね? 君の人生は素晴らしい。 それを捨てようなど、大きな間違いだ。 もちろん、評論子も住んだことがないので、その雰囲気はわからないのですけれども。 しかし、時あたかも「寛容の季節」のクリスマス。 孤立無援のジョージは、アメリカ社会が内包している共助(寄付精神)に救われたということで「人生だって、捨てたものではない」といったところでしょうか。 「One for all、all for One」(一人は皆のために、皆は一人のために)というのは、本来はラグビーのプレー精神を表すことばと聞き及びますけれども。 いずれにしても、本作のバックボーンには、「寄付社会」「共助社会」としてのアメリカがあることには、多言を要しないと思います。 そして、父子二代にわたってジョージが経営していた住宅融資組合というのは、日本になぞらえて言えば、「無尽」の仕組みらしいですね。 「無尽とは、一定の口数と給付金額を定めて加入者を集め、加入者が積み立てた定期的な掛金に基づき、抽選ないし入札などにより、順番に給付を受ける仕組みのこと」(日本無尽株式会社のHPから:三菱UFJ銀行のグループ会社?) 関東地方では無尽あるいは無尽講、関西地方では頼母子講(たのもしこう)あるいは単に頼母子と呼ばれることが多いようです(Wikipedia)。 そうであれば、本来はまったくの他人同士人たちが構成する相互扶助の組織という感じのようですね。 本作でも、相互扶助という、アメリカの国民性を暗喩するアイテムなのだろうと思いました。評論子は。 本作は、評論子が参加しているデスカフェで、2017年版が話題になったので、その鑑賞の前提として、まず本作を鑑賞することにしたものでした。 2017年版は未観ですけれども。 聞いた評では、同作は、また本作とは違った視点から描かれているようです。 1954年という製作年次をも併せ考えると、本作も、なかなかの良作ではあったと思います。 (追記) 聞くところでは、アメリカ国民の年間寄付額は、日本人30倍ともいわれ、彼我には格段の差があるようです。 それでも、日本にも(ささやかながら?)寄付の精神が根づいていることを、忘れてはいけないと思います。 「報恩仕法」という考え方のうちの「推譲」というのがそれで、江戸時代の篤農家・二宮尊徳が広げた考え方と聞きます。 [至誠]誠を尽くすという心の持ち方 [勤労]「至誠」を行動で表した状態 [分度]己の分を知り、贅沢を慎む(分に従って度を立てる=自己の財力に応じて予算を立て、合理的な生活設計を行う) [推譲]至誠、勤労、分度に努めた結果として残った余剰を他に譲る。 別作品『飛んで埼玉』になぞらえて言えば、これは「神奈川県民」のバックボーンとも聞き及びますけれども。 そういう心がけは素敵だと、改めて思い起こさせてもらえた一本でもありました。評論子には。 <映画のことば> 友ある者は、幸せである。
キャプラ監督とジェームズ・スチュアートの名タッグによる言わずと知れ...
キャプラ監督とジェームズ・スチュアートの名タッグによる言わずと知れたクリスマス定番の名作。黒澤明やスピルバーグも好きな映画にあげており、『バック・トゥ・ザ・フューチャー2』のアイデアもここから。アカデミー賞作品賞や監督賞、主演男優賞など5部門にノミネートされるも無冠。ここ最近「伏線回収」が人気のキーワードだが、これほど爽快でハッピーに回収してくれる映画はあまりない。とにかく泣ける!
人生を捨てちゃいかん
70年前の映画です。 良い映画とずっと聞かされてるのに今まで観てませんでした。 いやはやもっと早く観るべきでした。 良い映画は何年たっても良い映画ですね。 会話のテンポもよく作品へどんどん取り込まれていくのが心地よい。 ストーリーもいつの時代にも心を動かせられる内容で 人生を捨てちゃいかん、自分を捨てちゃいかんと 思わせてくれました。
不朽の名作
この作品が作られたのはもう70年前のこと。 人間の本質や生きていくうえで大切なことって変わりがないんですね。現代でも通じるストーリー。いや、期待以上でした... 鑑賞を勧めてくれたひとに感謝。
往年の名作ということで、久々にモノクロ映画を観ました。たった一人の...
往年の名作ということで、久々にモノクロ映画を観ました。たった一人の存在がどれほど広い範囲に影響を及ぼしているのかが学べるハッピーエンド作品。実話や戦争映画を離れて、ただただ楽しむ映画も良いですね。
翼をありがとう!友よ!
あらすじ見て、天使ってどんなのかな…?と思ってたら
キュートなじぃさんや〜!!!!!!
若い女とかこまい子供かと思いきや、
も〜キュートじぃ
翼が欲しい天使のキュートじぃとか胸キュン動悸
じぃが現れてからはファンタジーに溢れてるけど、
それまでは流れゆく人生の中で自分の思った通りのストーリーとは違うけど、その中で懸命に正しく生きようとする様はヒューマンドラマである
私的にはじぃをもっと見たい
じぃが今までなんで翼を貰えなかったとか
翼が生えた瞬間とか貰えたあととかのじぃの話がみたい
意外とつまらなかった
アメリカではクリスマスイブのテレビ放映の常連だそうです。 今回テレ玉が放送してくれたので観ました。 それほどおもしろくはなかったが、Xを検索すると「感動した!」「泣いた!」の書き込み多し。私はニブイのか?
家庭という唯一無二の幸せ
とにかく温かい気持ちになれる素晴らしい作品だった。
冒頭ジョージという男を自殺から救う事が出来たら翼を授けようと二級天使のクラレンスが天から遣わされるシーンから始まり、何やらファンタジーの幕開けかと思えば中身はしっかりとした人間ドラマだった。
少年時代に氷った水に落ちてしまった弟を助けた代償に左耳の聴覚を失ってしまったジョージ。それでもアルバイトをしながら懸命に働き、雇い主のガウアーが間違って毒薬を処方してしまったのを未然に防ぐ活躍をする。
ジョージの父親は住宅金融を設立し貧しい人達の為に尽力するが、町のボスで銀行家であるポッターは強欲な男で彼を目の敵にしている。
このポッターという老人が物語中ジョージを苦しめることになる。
ジョージの夢は世界中を飛び回って大金持ちになることだったが、父親の死をきっかけに住宅金融の社長の座につくことになり、やがて世界に出る夢も、大学に行く夢も全て諦めざるを得なくなる。
金融危機が起こった時も、新婚旅行に使う為のお金を人々に分配し、自分の事を後回しにして貧しい人々の為に尽くす彼の姿に感動した。
裕福な生活が出来るわけもなく、廃屋同然の館を改装して質素な生活を送るジョージは、ポッターの元で働けば豪勢な暮らしが出来ると誘惑されるが、信念に基づいてこのチャンスを退ける。
しかし、人々の為に働くジョージに天のいたずらか、最大の試練が訪れこのままでは破滅というところまで追い詰められてしまう。
自分がいない方が世の中は上手く行くと自棄っぱちになったジョージは橋の上から飛び降りて自殺を図る。
そしてここで冒頭のクラレンスが登場するが、二級天使だからか色々と要領が悪いのがなかなか面白かった。
もしも、ジョージが存在しなかったら世界はどうなっていたか。
彼一人の存在がいかに多くの人に影響を与えたか、彼が人の為に動いた事によっていかに多くの人が救われたか分かるシーンが続くが、ジョージにとっては残酷な現実のオンパレードだった。
様々な夢を諦めたジョージにとって、たった一つ手に入れた幸せがメアリーとの結婚だったのではないかと思う。
弟ハリーの卒業パーティーで出会った二人が、互いに引かれていく姿は観ていて美しかった。
ダンスを躍りながらプールに落ちるシーン、その後にユニフォーム姿とバスローブ姿というアンバランスな格好で空き家の屋敷の窓ガラスを割れば夢が叶うと二人で石を投げるシーンが心に残る。
そして、恋人サムからの電話を二人で聴いている時の距離感の近さ、そこでお互いが意識しあっている姿、ついに結婚を決めるまでの流れが素晴らしかった。
新婚旅行が流れてしまった後に、親友のエスコートもあり、廃屋の屋敷で二人だけで立派な晩餐をするシーンも印象的だった。
そして、彼らの間に生まれた四人の子供達。彼らの存在がいかにジョージの心の支えになっていたかは計り知れない。
そして、ジョージが存在しない世界は、当然ながら彼らの存在しない世界だ。
未だに独身で図書館から出てきたメアリーは別人のように輝きを失っていた。
その姿を見たジョージはついにクラレンスに、元の世界に戻してくれと懇願する。
再び元の世界に戻ったジョージ。どん底まで堕ちて、その後にさらに最悪な世界を見てそこから戻ってきただけなので、事態は何も好転していないのだが、彼の胸の中は幸せでいっぱいだ。また愛する妻と子供達に会える。
結果的に彼が今までに貧しい人達に尽力したおかげで、彼に恩を感じる人達の心を動かし最大のピンチを乗り切る。
最後は誰もが幸せな表情をしている。時にこの世は残酷で人の為に尽くした事が仇となったり、予期しない悲劇に見舞われたりする。
しかし、自分ではなく人の幸せの為に行動したことは、いつか自分の身を助けてくれる。やはり幸せは人の為に生きる事の中にあるのだと気づかされた映画だった。
ジェームズ・スチュワートの若々しさと、メアリー役のドナ・リードの可憐で意志の強さを感じさせる表情が素敵だった。
Very 定番
クリスマス定番です。 AFI感動100の一位ですが、それほどの圧倒的な感動というより、ホッとするような内容です。キャプラ先生お得意の軽妙な語り口にスチュワート先輩の誠実な人柄が傑作を生みました。
I wanna live again
毎年クリスマス前には観ることと決めている。若かりし日の初見時は、明るいハッピーエンドが印象に残ったが、それだけ。中盤の描写が少し冗長に思えたのもあるが、それ以上に、後半の深い絶望や資本に絡め取られた世界の闇の濃さを理解できなかったからであろう。三度目くらいからこの映画全体に通底する愛情の深さに触れることができ感動を覚えるようになった。今では冒頭の祈りのシーンから涙無しに見れない。 それまでも名作を数多く生み出してきたフランク・キャプラ渾身の深い人間愛とその信頼が作品を通して一貫している。誠実で善良な主人公ハリー・ベイリー(ジェームズ・スチュアート)の「もう一度生きたいんだ(I wanna live again)」は、映画屈指の名台詞であるどころか、凡ゆる、挫折に苦しみ絶望を歩んでいる人々の心に響き渡る、最高の言葉でる。そして家族と友こそは最大の財産である。身近な人々皆を大切にして生きていきたい、この映画を観た全ての人間にそう思ってもらいたいと思うような、古き良きハリウッド映画最高峰の作品である。
映画で泣いた。
図書館で観た。人目とか、カンケーなく、泣いた。生きることに、希望を与えてくれる映画。 何度でも見返したい。この映画に出会えて、良かった。 あと、観た後、意味もなく、ヒーホーって、したくなる、そんな映画です。
フランク・キャプラ監督の魔法‼️
「生まれてこなければよかった」と絶望する男に、見習い天使が彼の存在しなかった別の世界を見せてゆくことで、過酷な人生を生きることの大切さを訴えていく名作‼️ "どんな人間でも、たくさんの人生に影響与え、自分の何気ない行動が、誰かの未来を変えている・・・" なんて素敵なメッセージなんでしょう‼️キャプラ監督の理想的なアメリカンドリームがビシッと決まった作品ですね‼️爆発的な喜びのテンションを全身で表現するジェームズ・スチュアートの名演技も素晴らしいと思います‼️この作品を観てからは街中でチリンチリンという鈴や鐘の音を聞くと、どこかで天使が翼を手に入れたんだろうなぁと・・・
こういうエンドも、いいね
終盤勢いよく伏線を回収していくのが気持ちいい。 あとは、天使がとぼけたおじさんなのも面白い。笑 ゆっくりと少年時代から紐解いていく時間はちょっと退屈なときもあったけど、ヒューマンドラマとして丁寧だったと思う。 絶望の淵にいるときは、それが人生の全てだくらいに思ってしまうけど、今の時間は人生のほんの一部に過ぎないんだなぁと。 自分の行いが巡り巡って自分に返ってくる、その末のあり得ないくらいのハッピーエンド! 「そうはならんやろ」と思ってしまうくらいのハッピーすぎるエンドだけど、これはこれで、いいね。
さて、終焉を迎えつつある資本主義の次の姿は?勿論、新しい経済理論が必要
主人公が行っていた金融業は、現代の『サブプライムローン』だ。 1930年代の話なので、金融恐慌の真っ只中。 この主人公が生き残れる訳が無い。 さて、最後は正に『クラウドファンディング』。 つまり、この映画の描くところは資本主義の矛盾に翻弄される人生を意味しているのかもしれない。 共感できるのだが、不確かな上に、この家族が『共和党支持者』だと、壁にかけられた『リンカーンの肖像画』から理解できる。 つまり、共和党支持者の資本主義に於ける『経済的バブル』の対処方法と言った所。 この映画は75年前の映画。現代の姿をズバリ言い当てていると感じた。つまり、大団円はあり得ない寓話であるからだ。 さて、終焉を迎えつつある資本主義の次の姿は?勿論、既存の経済理論では無いと思う。
全82件中、1~20件目を表示