姿三四郎

劇場公開日:

解説・あらすじ

黒澤明の記念すべき監督デビュー作品。明治15年、柔術を志した三四郎は矢野正五郎によって柔道の素晴らしさを知り、その門下に入る。幾多の試練を乗り越え、一人前の柔道家になっていく姿を繊細かつダイナミックに描いた痛快娯楽作品。豪快な試合描写や嵐の決闘シーンが否応なしに見る者の心を高揚させる。戦後の消失により、残念なことに現存するフィルムは、公開翌年の44年に上映されたカットバージョンのみである。

1943年製作/97分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1943年3月25日

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映画レビュー

4.0まだまだ

2025年3月5日
PCから投稿

黒澤親分の処女作。
まだまだ後のKUROSAWAを予想させるものはありません。
カットされたところは字幕で説明なので、正当な評価はできませんが、まあまあといったところです。

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越後屋

3.0この男、ヒクソンに激似ッ!

2025年2月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

直木賞作家・富田常雄の同名小説を、黒澤明が映像化。

【ストーリー】
姿三四郎は、柔術家を志し、会津より上京した齢十七の若者。
神明活殺流に入門するが、複数人にて一人の紳士をおそう、卑劣な待ち伏せに参加させられる。
だが紳士は強く、小さな体で風のように立ちまわり、神明活殺流の門下生たちは、またたく間に全員が川に投げこまれた。
その紳士こそ、あらたに警察の武術指南役となった矢野正五郎。
強さにあこがれる三四郎は、その場で弟子入りする。
だが一本気で折れることを知らない三四郎は、たびたび町でケンカしては、正五郎と衝突する。
冷たく突き放しつつも、三四郎を見守る正五郎。
だが正五郎がおらぬ折、講道館に檜垣源之助という柔術家が乗りこんでくる。
檜垣は良移新当流の達人。
兄弟子がやられるも、三四郎は謹慎を言いわたされており、その場での敵討ちはかなわなかった。
やがて来たるであろう檜垣との対決を予感しつつ、三四郎は技をみがき、必殺の山嵐で、立ちはだかる柔術家たちを次々とうちやぶる。

黒澤監督のデビュー作。
自分が初めて見たクロサワ作品でもあります。
当時大ヒットしたそうですが、現在見られるのは、戦時中や戦後に検閲された、ツギハギの映像。
なんでそういうことするかなあ……。
カットされた映像は完全に散逸して、二度と見られぬと思われてましたが、その場面をふくむフィルムが、なんとロシアで見つかったそう。
旧満州で接収されたフィルムで、現在ではそちらをつぎ足した91分の映像が見られます。
元の79分バージョンは、話飛びすぎて、センスの欠片もない編集されてます。
「この部分は戦時中から戦後に失われた」
みたいな白地に字幕のみの画面が出たとき、こっちの頭も真っ白。
「は?」
ってなりました。
物語を愛さない者たちの手がくわえられたそのバージョンは、文字どおり「話にならない」代物でした。

原作の富田常雄は、講道館柔道の有段者としても有名です。
その父親は、姿三四郎のモデルだった西郷四郎ふくむ、講道館四天王の一人、富田常次郎。
創始者・嘉納治五郎の手足となり、柔道の世界普及に熱心に努めました。
自分原作小説が大好きで、もう何回読んだか憶えてません。
ストーリーでは三四郎が対戦相手をポンポン投げては殺すのですが、実際にあった観覧試合などは、それなりに穏当だったよう。
投げて殺しては、嘉納治五郎の「精力善用 自他共栄」の教えは、額縁に入れておキレイに飾った努力目標かい? ってなりますしね。
ちなみに原作では講道館を"紘"道館、映画は"修"道館と、架空の武道団体としています。
映画版は発音を変えたかったのでしょう。
対決相手の武術、神明"活殺"流は神明殺活流でしょうが、良移心当流、天神真揚流などは実在の武術名を出してます。
作中では、最終的に蹴散らされるライバル武術家あつかいですが、いずれおとらぬ立派な古武道です。
講道館とは、たがいに段位を送りあったりして鍛錬しあう仲で、そこまで殺伐とはしてない、と思います。

さて、主演の藤田進。
記事タイトルにもしたように、あのヒクソン・グレイシーに激似。
そう、ブラジリアン柔術の達人で600戦無敗(のちにあれは売り出すためのウソと当人が告白)で、日本の格闘家ふくめ世界中の猛者たちをボコリまくったあの、グレイシー柔術のヒクソン兄貴です。
桜庭和志が出てくるまで、日本人格闘家みんなが物陰にて、もののあはれにハラハラと打ち涙ぐみ袖をぬらした、あのグレイシー柔術の筆頭です。
その前身となる武術を伝えたのは、柔道家の前田光世。
正体は、勘当されて姿を消した西郷四郎である、みたいな伝説もありますが、真偽はさておき、姿三四郎役が激似っていうのは、格闘技ファンとしておもしろみを感じます。

いつか完全版、出てこないかな……と儚い望みをいだきつつ、原作本引っぱり出して、この文章を書きました。

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かせさん

5.0歴史的な名作

2024年4月14日
スマートフォンから投稿
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マサシ

4.0【痛快柔道活劇&純朴柔道家青年の成長物語。これは、面白いや!ヤッパリ凄いな、黒沢明監督は!】

2023年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

幸せ

■柔術家を志して上京した姿三四郎は、修道館の矢野正五郎の柔道に魅せられ弟子入りする。
 矢野の元で厳しい修行を重ねた三四郎は、「修道館の四天王」と称されるほど強くなるが、慢心による思い上がりから無頼の徒を相手に大乱闘を起こしてしまう。

◆感想

・初鑑賞である。

・素直に柔道の試合のアクションシーンには驚く。
ー 山嵐って、アンナに豪快な投げ技なんだ!-

・美しい女性の鼻緒が切れた時には、自分の手ぬぐいをちぎって直してあげる三四郎。だが、その女性の父親が対戦相手の村井半助(志村喬)と知って悩むも、試合になれば手加減なし。
ー 村井の投げられても、投げられても起き上がる姿。漢だなあ。そして、試合後には三四郎は村井を見舞うのである。それを快く受け入れる村井と娘の小夜の姿。-

<因縁の相手、檜垣源之助(月形龍之介)との薄が原での決闘のシーンの流れゆく雲や激しく吹く風の効果的な使い方や、ショットの見事さよ。
 今作が初監督作品とはとても思えないです、黒沢明監督。
 今作後、世界に名だたる凄い監督になった事が良く分かるデビュー作である。>

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NOBU

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