蝉しぐれ

劇場公開日:

解説

市川染五郎、木村佳乃主演の人情時代劇。舞台は江戸時代の東北の小さな藩。15歳の文四郎は、下級武士の義父・助左衛門を手本に剣術と学問に励んでいたが、父が藩の世継ぎを巡る陰謀に巻き込まれて切腹を命じられ、文四郎の生活は激変する。原作は人気時代小説家、藤沢周平の同名小説。監督は「オルゴール」「英二」の黒土三男。黒土は原作に惚れ込んで15年もの間、映画化を熱望、03年のTV版の脚本を経て、遂に監督として映画化を実現。

2005年製作/131分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2005年10月1日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第29回 日本アカデミー賞(2006年)

ノミネート

作品賞  
監督賞 黒土三男
脚本賞 黒土三男
主演男優賞 市川染五郎
主演女優賞 木村佳乃
音楽賞 岩代太郎
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(C)2005「蝉しぐれ」製作委員会

映画レビュー

2.5原作を読もう 読書が苦手な人はNHKのドラマ版を観よう

2025年1月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

萌える

2005年公開作品

2003年にNHKでドラマ化
その他一般の舞台や宝塚でも
藤沢周平の傑作らしい

原作は『たそがれ清兵衛』『隠し剣 鬼の爪』『武士の一分(いちぶん)』『山桜』『花のあと』『必死剣鳥刺し』『小川の辺』『果し合い』『三屋清左衛門残日録』『殺すな』の藤沢周平
監督と脚本は『オルゴール』『渋滞』『英二』『星めぐりの町』の黒土三男

原作は山形新聞の連載小説として発表された
藤沢周平が山形出身という縁だろう
彼の作品に登場する藩も地元庄内藩がモデルになっているケースが多い

親子二代に渡って藩の世継ぎ騒動に巻き込まれる藩士の話
あと文四郎とふくの結ばれぬ悲恋

この作品が公開される数年前にNHKで放送された内野聖陽主演の連ドラの方が評判が良い

10代の頃の淡い恋模様の描写が薄い

映画ではふくの大奥での暮らしがバッサリとカットされている

文四郎の友人役2人はなぜかお笑い芸人だが特に悪くはなかった
評判が悪いようだが僕はそれほど苦にはならなかった
ただせっかくお笑いの人を抜擢したのだが笑いどころが全くなかった
コントとか漫才的要素は皆無だった
映画でコメディアンがマジな役をやることはさほど珍しいことではない
古くは伊東四朗とか監督も務める北野武とか
海外に至ってはコメディアンからハリウッドスターになった俳優は枚挙に暇がない

佐津川愛美は当時17歳くらいだが今もあまり変わらない
むしろ当時は実年齢より幼く見える
佐津川愛美と木村佳乃は同じ役だがだいぶ雰囲気が違う
だからといって佐津川より一回り上の木村が10代の役までやるなんてできまい
それこそコントになってしまう

配役
牧助左衛門の息子でのちに郡奉行を務める牧文四郎に市川染五郎
文四郎の少年期に石田卓也
牧家の隣家である小柳甚兵衛の娘でのちに藩主の側女になるふくに木村佳乃
ふくの少女時代に佐津川愛美
文四郎の父の牧助左衛門に緒形拳
文四郎の母の牧登世に原田美枝子
文四郎の友人の島崎与之助に今田耕司
与之助の少年時代に岩渕幸弘
文四郎の友人の小和田逸平にふかわりょう
逸平の少年時代に久野雅弘
ふくの父の小柳甚兵衛に小倉久寛
ふくの母の小柳ますに根本りつ子
道場の席次5位高弟の矢田作之丞に山下徹大
作之丞の妻の矢田淑江に原沙知絵
文四郎たちが通った剣術道場の主の石栗弥左衛門に利重剛
奉行助役の相羽惣六に矢島健一
砧屋の酌婦におきみに中村優子
ふくに仕える小間使いのおみちに森脇英理子
村役人の藤次郎に田村亮
金井村の船頭の権六に三谷昇
助左衛門らの切腹を取り仕切った藩士の坂本に深水三章
ふくを警護する欅御殿の藩士の北村に田中要次
道場師範代の佐竹金十郎に佐藤二朗
助左衛門同様に切腹させられた関口晋作の父の関口晋助に大滝秀治
文四郎の先輩の青木孫蔵に大地康雄
江戸帰りの剣士の犬飼兵馬に緒形幹太
次席家老の里村左内に加藤武
小柳家の出世を文四郎に知らせる村人の伊代に藤貴子
砧屋の酌婦のおとらに渡辺えり子
大目付の尾形久万喜に麿赤兒
ふくを警護する藩士の磯谷主計に柄本明

不破万作と蛭子能収と芦名星も出演しているようだが確認できなかった

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野川新栄

4.5美しい藤沢世界、美しい日本

2023年7月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

泣ける

幸せ

萌える

ドラマも観ましたが映画に軍配。
キモになる場面を原作と少し変えてあります。
より効果をあげていて、そりゃあ、忘れられないよね。と共感し映画館で号泣。

子役とお笑いの二人が気にはなりますが。でも殺陣も泥臭く、無敵の剣士じゃないのがまたいい。この映画での木村佳乃の美しいこと…!

ラストの情景も素敵。
藤沢周平の文は本当にきれいで、それを映像化するのは大変だろうなと思うのですが見事にスクリーンに描き出してくれました。
私は大好きです。

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こまめぞう

4.0「文四郎さまのお子様は?」「未だ・・・」「いまだ・・・とおっしゃいますと?」「今田耕司」

2023年3月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 『たそがれ清兵衛』『隠し剣、鬼の爪』と続いた藤沢周平作品の映画化。今回は、山田洋次監督ではなく、黒土三男監督がメガホンをとった。どうしても山田作品と比べてしまうこの映画。短編、長編の違いはあるものの、原作者は同じなので、舞台となる海坂藩、下級武士、剣術に秀でている、父が藩内部の抗争で罪に問われる、嫁さんがいない、等々の設定は似ている。今回の決定的な違いは、庄内言葉を使わず、標準語(江戸ことば?)で通したことであろう。

 また、日本の四季を強調した自然の美しさは山田作品よりもこだわりがあるように思えるし、カメラアングルと人物の配置には独特なものを感じました。村人のために真摯な行動で尊敬されるが、家老の陰謀により藩との確執が浮き彫りにされ、切腹を命ぜられる父親。お家断絶は免れるが、辛苦の日々を味わう青年、文四郎。じっと耐え忍んで忠義を尽くす武士の魂と、幼馴染のふくとの想い出、それに幼き頃からの逸平と与之助との友情が交錯して物語は進んでゆく。いずれのシーンにも四季を感じる演出と、日本人が忘れかけている慎ましさと篤き友情が感じられる。

 市川染五郎も木村佳乃もいい味を出しているし、意外とよかった今田耕司とふかわりょう。脇を固めるベテラン俳優たちがまた迫真の演技なのです。子役たちの演技さえ良ければ最高の出来となったかもしれない。まるでおしんの幼少時代を思わせるふく役佐津川愛美だが、大人になって木村佳乃になるとは信じられないことも残念だった。

 好きなところは「腹が減ったな」が口癖の逸平。あの場面でも聞けたことで、一人で笑ってしまいました。すみません。周りにいたご年配の方々。

 最後に、一青窈 (ひとと よう)のイメージソングも聞かせてください!

【2005年10月映画館にて】

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kossy

3.5印象的だった佐津川愛美

2022年5月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

市川染五郎扮する牧文四郎の緒形拳扮する父は義のためにやったと多くを語らず切腹させられ文四郎は遺体を引き取った。親の敵である加藤武扮する里村主席家老から呼び出しがあり旧録に戻すと言われた。ところが木村佳乃扮する幼なじみのふくが殿の子を産みお家騒動のもとになるからさらってこいと言われた。果たして文四郎はどうする?

なかなかスリル溢れる時代劇。悲しい現実があっても幼なじみの間柄は他人を寄せ付けない麗しいもの。ふくの子供時代を演じた佐津川愛美がとても印象的だったね。

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重