情婦

ALLTIME BEST

劇場公開日:1958年3月1日

解説・あらすじ

 アガサ・クリスティの短編「検察側の証人」の映画化。主演のマレーネ・デートリッヒたっての希望で、監督にはビリー・ワイルダーに白羽の矢がたった。ワイルダーにとっては初の法廷劇だが、彼の作品特有の悪女は今作でも健在。ロンドンで、裕福な未亡人の刺殺事件が起きる。容疑の疑いがかけられたレナードは、ロンドンきっての敏腕弁護士ローバーツ卿に弁護を依頼する。しかし、唯一のアリバイを証言する妻が思いもよらないことを口にし……。

1957年製作/117分/G/アメリカ
原題または英題:Witness for the Prosecution
劇場公開日:1958年3月1日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第15回 ゴールデングローブ賞(1958年)

受賞

最優秀助演女優賞 エルザ・ランチェスター

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀主演男優賞(ドラマ) チャールズ・ロートン
最優秀主演女優賞(ドラマ) マレーネ・ディートリッヒ
最優秀監督賞 ビリー・ワイルダー
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写真:Photofest/AFLO

映画レビュー

4.0 【”検察側の証人”エンドクレジットで「結末を決して口外しないように」と流れるので、一言。二転三転する展開は逸品の法廷劇である。】

2025年10月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

難しい

■裕福な未亡人エミリー・フレンチ(ノーマ・ヴァーデン)が殺害される事件が発生し、腕利きの老弁護士・ウィルフリッド卿(チャールズ・ロートン)は彼女に取り入った商人で容疑者になったレナード・ボール(タイロン・パワー)から弁護の依頼を受ける。
 裁判が始まり、検察側の証人としてレナードの妻・クリスチーネ・ヘルム(マレーネ・ディートリッヒ)が出廷する。
 そこで彼女は状況証拠から圧倒的に不利であったレナード・ボールとの関係を口にするのであった。
 それは、彼女にはドイツにオットー・ヘルムという夫が居たが、ドイツを出るためにレナード・ボールと重婚して、国を出た事や、検察が証拠としていたレナード・ボールの有罪証拠を認めるのであった。
 だが、何故か腑に落ちない顔で自宅に戻ったウィルフリッド卿に、駅から電話が入りそこに赴くと、ある女が居て彼に手紙を渡すのであった。

◆感想

・序盤、中盤まではユーモア風味もある展開である。特に太ったウィルフリッド卿を気遣う看護婦プリムソル(エルザ・ランチェスター)との遣り取りや、階段を自動昇降機で上がったり下がったりする卿の姿など。

・レナードの妻・クリスチーネ・ヘルムを演じたマレーネ・ディートリッヒの、法廷での凛とした姿が、今作で描かれる事件の鍵となる所も、実に上手いし、二転三転するストーリー展開を支えていると思うのである。

<アガサ・クリスティーの今作の原作となった短編”検察側の証人”は、読んでいないのであるが、それ故にラストの展開はヤラレタ作品である。
 それと共に、ビリー・ワイルダー監督の手腕には毎回驚かされるばかりなのである。>

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NOBU

3.5 映画史上に残る、法廷サスペンスの傑作だ。

2024年11月16日
PCから投稿

老弁護士ウィルフリッド卿は、未亡人殺しの容疑者レナードを担当する。彼の妻でドイツ人のクリスチーネは、検察側の証人として、レナードに不利な証言をする、、、。

夫を守るはずの妻による、不可解で崩しようが無い証言。その先に、とんでもない仕掛け、大きな裏切り、衝撃的な結末が待っている。『検察側の証人』の映画化だが、アガサ・クリスティ作品の映画化の中でも、最高傑作の1つだ。

悪女を演じたマレーネ・ディートリヒ、弁護士役チャールズ・ロートン、レナード役タイロン・パワーと、登場人物も実に魅力的。同種のジャンルを決定づけたような、映画史上に残る法廷スリラーだ。

ビリー・ワイルダー監督が、ユーモアとウィットを考慮して翻案し、巧みな筋書きと明快な会話で、実に分かりやすく、退屈することなく描き切った、法廷サスペンスの傑作だ。

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岡崎仁

4.5 映画終活シリーズ

2024年9月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

1958年度作品
ワイルダー作品3作品目
過去作どれも、秀作揃い
60年代へむけて、「お熱いのがお好き」「アパートの鍵貸します」楽しみや

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あきちゃん

3.5 終盤に出てきた証拠で話が持っていかれる

2024年9月8日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

 中盤くらいまではよくある法廷ものという感じでストーリーが進む。終盤で被告の妻による偽証により、どんでん返しが来て驚かされる。しかし個人的にはそれ以上の印象はなかった。

 被告の妻による偽証で裁判の行方が大きく変わるが、素人の小手先の細工で、はたして紛争解決のプロである法曹を、実際に騙せるものなのか疑問がある。また、中盤まで散々証人喚問をしたり弁護士が弁論をしたりしたのに、終盤に出てきた証拠により、話が全て持っていかれる。そのため、途中までの証人喚問や弁論が、判決を下すのに結局あまり意味を成していない気がする。以上の理由により、個人的にはそこまで面白く感じなかった。

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根岸 圭一