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濃い兄弟愛について面食らってるレビューもあるが、劇中で
「なんで兄弟そろって戦場にいるんだ!?両方死んだら誰が家を継ぐんだ!?」
と他の兵隊が軍に憤ってるように、朝鮮は儒教規範に基づく家族意識が強く(日本でも本土と中華の冊封体制下にあった旧琉球王国の沖縄県では家族意識は結構違う)、また分断された国を兄弟に擬えてテーマにしてる側面もあるので、そーゆー文化なのねと割り切ったほうがいい
(中国人や韓国人、あと沖縄人が「日本人は冷たい」と嘯くことに対して日本人としては、特に前者2カ国に対しては「個人間の信用が成り立たない猜疑に塗れた社会に住んでおいて何のジョークよ?」と首を傾げるしかないが、実際に中華文化圏の人たちの家族や親戚の熱苦しい付き合い方を見てると、他人が信用できない社会だから家族が大事なのかな? 日本では誰もが社会規範に服従するという建前秩序に守られていて、血族で凝り固まる必要の薄い日本の庶民はドライに見えるのかな?と思わなくもない)
戦争の描写は他のレビューでもツッコまれてる通り
「なんで地上戦に米軍その他含む国連軍が出てこないの?」
「韓国だけで戦線を支えたような描写はアレじゃない?」
「ミートチョッパーの弾幕の中で兄弟愛に時間割き過ぎでは?」
と批判するべき点もあるが、
・平穏な日常が唐突に戦火に脅かされる緊張感と恐怖
・ウクライナように素人を徴兵して戦線を支える絶望感
・惨めな敗走からの包囲とそれを打開するカタルシス、米軍の上陸と豊富な物量に支えられた逆襲と復讐の興奮、かーらーの「どこの三国志だよ」と呆れる程の人海戦術で地平を埋め尽くす中共の参戦と退却の混乱、とドラマチックに二転三転する戦争の趨勢がヒロイックさを引き立てる
・血生臭い塹壕戦、戦車を押し立てた市街での掃討戦、高地での大規模な衝突など、出し惜しみの無いスケールで総力戦が描かれていて、上陸戦以降はプライベートライアンよりも鉄量が濃い
・北による村々の虐殺、それに対する南の報復、必死に軍に尽くしたのに守るべき家族を赤狩りで奪われる不条理と、当時の東西イデオロギーや南北両国に対する偏りが少ない
・脇役の兵隊達もキャラが立っており彼らの犠牲が悲壮感を引き立てる
・兄貴を含めて良演技。さすが兵役のある国は違うなど見どころは多く、兄弟愛の部分をドラマと割り切れば戦争映画としても十分に評価できる
あと「日帝時代は国のために戦った」というセリフが抗日運動のことなのか日本兵として参戦したことなのかは不明だが、とくに反日描写は無いので韓国に対して思うところのある自分でも楽しめた