アメリカン・サイコ

劇場公開日:

解説・あらすじ

80年代、好景気に沸くニューヨーク。ウォール街にある証券会社のエリートとして誰もが羨む贅沢な生活を送るパトリック・ベイトマン。高級フラットに住んでデザイナーズ・スーツに身を包み、完璧な体型を維持するハンサムなヤッピー。社会的な成功をすべて手に入れたかに見えた彼だったが、物質では満たされない心の乾きを感じるようになっていた。次第に目立ち始める奇行、そしてついには殺人への衝動が抑え切れなくなり……。

2000年製作/102分/R15+/アメリカ
原題または英題:American Psycho
配給:アミューズピクチャーズ
劇場公開日:2001年5月3日

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(C)2000 BY AM PSYCHO PRODUCTION, INC.

映画レビュー

3.5中身も外見も消え失せた時に浮かび上がる“空虚な顔”

2020年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

怖い

知的

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岡田寛司(映画.com編集部)

0.5原作のエッセンスを1ミリも表現できてない愚作

2025年5月23日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

原作小説はブレット・イーストン・エリスの衝撃作。1980年代後半の空前の好景気時代のニューヨークで、ウォール街に勤める親が金持ちのヤッピー──エリートビジネスマンの主人公が語り手の一人称小説である。仕事をしてるんだかしてないのかもよくわからないが、異常なほどブランドとトレンドにこだわり、異様に鍛えた自身の肉体さえ主人公にとってはある種のブランドに過ぎない。友人らしき人間たちともマウントの取り合いに終始し、無内容な(読者にとっては)どうでもいい会話を繰り広げる。それが夜になると一転して、主人公は夜な夜な猟奇的で残虐な凶悪殺人を繰り返す。殺すのはもっぱらホームレスや売春婦といったエリートビジネスマンである自分より下の人間だ。そのような昼間のブランドの羅列と夜の残虐殺人の描写が主人公自身の語りによって微に入り細に渡って描かれるが、異常な主人公自身の語りが後半混乱してきて、どこまでが事実でどこからが妄想や幻覚なのかも不分明になってくる。主人公の中身のない空疎で空虚な人間性は、80年代後半のいわゆるバブル景気の中身のない空疎で空虚で虚無的な時代のメタファーである。一見華やかなバブル時代の醜悪な本質を凝縮した人物が主人公のパトリック・ベイトマンというわけだ。村上春樹も「作品としての評価は完全にわかれているけれど、社会的状況資料としてこれくらい自己犠牲的にシニカルで本質的な小説はちょっとない」と述べている。

しかし映画は原作の表層をなぞるばかりで、原作の言わんとする本質に少しも迫れていない。原作の衝撃的なラストも変えられてしまった。エリスが不満を表明したのもよくわかる。映画化されると知って、どんなすごい映画になるのかと期待したが、全くの期待外れで本当にがっかりした。再映画化の動きがあるようなのでそちらに期待したい。

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バラージ

4.0情報と消費の本質的な空虚さ

2025年3月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

いやー、面白かった。『ファイト・クラブ』とほぼ同時期?虚栄とはこのことなり、という生活の中で支配欲が殺人の充実感と結びついちゃった。でもそれもまた虚栄の世界では正面からは受け止めてもらえないという、無間地獄のオチもよい。『ウルフ・オブ・ウォールストリート』とは異なり、成り上がるという充実の機会すら与えられていない(なぜなら生まれたときから“上がり”だから)人(たち)の姿。/情報と消費の空虚さ、今はもっと身も蓋もない形で現れているような。「ヤングエグゼクティブ」も死語となりにけり。

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ouosou

3.0雰囲気を味わう

2025年1月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

名刺を自慢し合う件が大好きで、久しぶりに見たのだけど、アマプラには吹き替えしかなくて、
しかもその吹き替えが、
コントなどで見るイケてるアメリカ人の喋り方
の演出が入っててハッキリ言ってそれが寒かった。

でももしかしたらオリジナルでもそう言うイケ好かない
演出が入ってたのかもしれない。
英語が分からないのでなんとも言えないが。

名刺交換のシーンはやっぱり面白かった。
吹き替えで見て思ったのは、サイコホラーではなくて
サイココメディなんじゃないか?と言う事。

とにかくイケ好かなくて、台詞にもあるように
外見だけで中身がない。
結局本質も分からない。
この物語自体も特にテーマもなく、
淡々と頭の良いバカたちが内容のない話で盛り上がり
セックスでも興味あるのは自分の外見だけ
自分は大したヤツだと思ってるけど、
誰も主人公に興味がない。
オチも虚しさだけが残るものとなっている。

真剣に見るとなんじゃこりゃだけど、
コメディと思って観たらムカついてそして笑えました。

なんかたまに思い出して観たくなる作品です。

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奥嶋ひろまさ