人生は、時々晴れ
劇場公開日:2003年6月21日
解説
タクシー運転手フィルは、スーパー店員の妻ベニー、老人ホーム清掃員の娘、無職の息子の4人家族。問題を抱えつつも穏やかな暮らしだが、ある日、フィルの息子が心臓発作で入院。それを契機に、各人がそれまで表に出さなかったさまざまな感情が噴出していく。監督は「ネイキッド」「秘密と嘘」でカンヌ映画祭はじめ各国の映画賞を受賞した英国の巨匠マイク・リー。俳優たちとディスカッションしながら映画を作る手法は今回も同じ。
2002年製作/128分/イギリス
原題:All or Nothing
配給:アミューズピクチャーズ
スタッフ・キャスト
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2016年12月30日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
人気のある映画は、必ずヒーローやヒロインがでてくる。それは、もう既定路線。
私が心底マイク・リーにいつも関心するのは、きちんとしていなくて、不器用で、だけど心の奥底にはとびっきりの深い情がある人間が出演するところ。
フィルもベニーも、上手く生きていけなくて、情けなくて、地味で目立たない。
だけど、心の深い部分はお互いへの愛情が占めている。人の歯車が合うなんて、ごく一瞬なんだから、気持ちを言われないとわからない時もある。
「人間はひとりで生まれひとりで死んでいく」
「人間は孤独すぎるわ」
といいつつ、マイク・リーはいつも人たらしの作品を私にプレゼントしてくれます。
2015年3月26日
フィーチャーフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
もう鑑賞してからかなり日にちも経っているが。
登場人物一人一人が何処かだらしない一面を持っていて、何気ない退屈な日常からの脱却を考えたり。どうしょうもない倦怠感に思わず死を意識してしまったり。
そんな何も良い事が無い現状にありながらも、ふとしたきっかけで家族の絆を確認出来たり。友人達の暖かい気遣いに心を洗われたり癒されたり。
ヒーローも現れないし派手なアクションや、決して宇宙空間に飛び出したりもしないのだが。こんな地味でもしっかりと人間が描かれている映画が大好きだ。
2013年7月24日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
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大好きな マイク・リー監督
家族の実情。
それに肉薄した映画です。
誰もが持っているのでは無いでしょうか?
世間にあからさまに出来ない一面が・・・
舞台はイギリス・貧しい集合住宅に住む平凡な家族。
物語は淡々と流れますが、そこには研ぎ澄まされた、日常が描かれています。
悲しみも、憂いも、喜びも、絶望も、再生も。。。
タクシードライバーの給料で生計を立てる4人家族
お互いに虚しさを抱いている夫婦。
おとなしく、まじめで、やさしいけど、不器用な姉。
無職でわがまま放題、反抗という形で、まだ母に甘える息子。
4人の思いはそれぞれ、互い違いな方を向いていた。
しかし息子が重病に倒れたことから、変化がうまれる。
息子が倒れ、連絡がとれない夫に妻は怒りをぶつける。
その中で、夫は<全てが嫌になった>と妻に言い放つ。
それから、夫は泣きじゃくり<もう愛は無いんだろ>といった。
<ずっと君は僕を愛していないじゃないか>
<愛によって繋がりを持った僕らに、その愛が無いなら、もう終わりだ>
依然、泣きじゃくる夫。
妻はそこで初めて、まだ愛されている事に気づく。
ずっと空虚だと思い込んでいた家族の愛。
それはずっとずっと、そこにあるのだ。
観た後、少し優しい気持ちになれる映画です