こわれゆく女

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劇場公開日:

こわれゆく女

解説

精神を病んだ妻とその夫の愛と葛藤を描き、ジョン・カサベテス監督の代表作の1つとなった傑作ドラマ。

専業主婦のメイベルは、土木工事の現場監督を務める夫ニックや3人の子どもたちと暮らしている。精神バランスの不安定なメイベルは、ある晩ニックが仕事での突発的なトラブルで帰宅できなかったことを発端に、異常な行動を見せるようになり……。

カサベテス監督の旧友ピーター・フォークと妻ジーナ・ローランズが主人公夫婦に扮する。

1975年製作/147分/アメリカ
原題または英題:A Woman Under the Influence
配給:ザジフィルムズ
劇場公開日:2023年6月24日

その他の公開日:1993年2月(日本初公開)、2012年5月26日

原則として東京で一週間以上の上映が行われた場合に掲載しています。
※映画祭での上映や一部の特集、上映・特別上映、配給会社が主体ではない上映企画等で公開されたものなど掲載されない場合もあります。

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第32回 ゴールデングローブ賞(1975年)

受賞

最優秀主演女優賞(ドラマ) ジーナ・ローランズ

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀監督賞 ジョン・カサベテス
最優秀脚本賞 ジョン・カサベテス
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映画評論

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(C)1974 Faces International Films,Inc.

映画レビュー

4.0クロース・アップ

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:その他

興奮

知的

ジョン・カサヴェテス監督作品。

本作も顔のクロース・アップが多用されている。彼女の異常な振る舞いに引きつる顔たち。いつ場面が、家族が、彼女の精神がこわれていくのか。その緊張と弛緩の時間が流れていく。

彼女をヒステリーとして病理化することは危うい。彼女が壊れていく要因も理解できるからだ。夫婦の時間をないがしろにする夫。予定をドタキャンされて、その後すぐに大勢の同僚が家に来たら嫌だろう。さらに同族嫌悪ゆえか、冷たい義母。彼女を取り巻く環境も健全とは言い難い。
しかも彼女を治す心理的療法は現代からみたら間違いだらけのアプローチな気がする。

終わり方がいい。彼女は退院しても「症状」が完治したわけではない。興奮してカミソリを手にして、夫とのひと悶着で血を流すしまいだ。だが彼は彼女の傷を水に流し絆創膏を貼る。この優しさ。絆創膏で傷口を塞ぐように、彼の優しさが彼女の崩壊を塞ぐはずである。

パーティーの後片付けからベッドメイクをしてエンディングを迎える。これは日常への回帰だ。傷を抱えたままそれを修復する時間をもつ日常。彼女の崩壊がささやかな優しさで塞がれる日常を想う。

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まぬままおま

4.5人間の内面に潜む“孤独”や“狂気”を見つめたカサベテスの傑作

2023年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

興奮

 精神を病んでいく妻メイベルをジーナ・ローランズ、その夫ニックを「刑事コロンボ」のピーター・フォークが演じています。美しく陽気で、まわりを明るくするメイベルですが、あることを発端に、異常な行動をみせるようになっていきます。その姿に見る者は心をかき乱されずにはいられません。

 瞳の奥に宿る感情、顔の表情や身体の動きひとつで、リアルを超えた生々しさをローランズが表現。さらに、カサベテスの実験的な演出とカメラワークにより、心の揺れが見ていて痛いほど伝わってきます。

 メイベルはなぜ精神のバランスを崩してしまったのか。こわれゆくのは誰なのか。映画に対する見方が変わることでしょう。

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和田隆

3.5ジーナ・ローランズの鬼気迫る演技に引き込まれる。途中から、あぁそう...

2024年2月8日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

ジーナ・ローランズの鬼気迫る演技に引き込まれる。途中から、あぁそういうことか…と、出会ってはいけなかった2人のもう後戻りできない現実に気付かされ、切ない。

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mini

3.5カサヴェテス特集3作目、

2023年11月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

悲しい

怖い

寝られる

大分解り易くなって来た、カラーになったし。しかし今の所、作り手にドラマを描く意識はまるで無いようだ。人物群像を描く、そこに集中している。初っ端のスパゲティーのシーンは「フェイシズ」まんま、それも表情の変化を一切逃すまいとしているように見える。ローランズはそのリクエストに見事に応えたように見えた。
設定上では大変な日常だと思いますが、夫は根が粗暴でまずい対応が多々有ったと思います。

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共感した! 4件)
トミー