現金に手を出すな
解説
フランスの名匠ジャック・ベッケル監督によるギャング映画の傑作。初老のギャング、マックスと相棒のリトンは、パリの飛行場から5千万フランの金塊を強奪することに成功する。2人はこの仕事を最後に暗黒街からの引退を考えていたが、リトンがナイトクラブの女にうっかり口をすべらせたことから、麻薬密売のボス、アンジェロに目をつけられる。ジャン・ギャバンが初老のギャングを見事に演じ、ベネチア映画祭主演男優賞を受賞。
1954年製作/92分/フランス・イタリア合作
原題:Touchez pas au grisbi
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2022年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
1954年(フランス/イタリア)監督:ジャック・ベッケル。
原作はギャング出身の作家アルベール・シモナン
ジャン・ギャバンの魅力に平伏しました。
千両役者・・・本当にお金を払っても、一食抜いても観たくなる魅力。
だって観終わって「なんとも良い気分」で満たされるんだもの。
ジャン・ギャバンはちょうど60歳位ですね。
ギャングのマックスはオルリー空港で強奪した金塊5000万フラン分を、
自宅地下の新車のトランクに隠し、ほとぼりが冷めるのを待っていた。
そろそろギャング稼業からの引退を考えるマックス(ジャン・ギャバン)。
うっかり片腕のリトンにそれを漏らしてしまう。
更にリトンが愛人踊り子のジョジョ(ジャンヌ・モロー)に話す。
ジョジョはマックスと対抗する新興ギャングのアンジェロ(リノ・ヴァンチュラ)の愛人でもあった。
(ジャンヌ・モローは小さい役ながら、やはり曲者ぶりを発揮してます)
アンジェロにジョジョが伝えたことから、金塊の争奪戦の幕が降りるのです。
前半はマックスの日常や交友関係が描かれて静かに進みます。
ギャングさんの優雅な日常、酒に女にクラブ遊びとね。
マックスはモテるんだなあ、とにかく女に優しい。そしてマメ。
そして旧友のリトンとは腐れ縁で、これがマックスの泣きどころでしたね。
後半の30分は、急激にギャング映画の本領を発揮します。
リトンがアンジェロに拉致され、マックスはリトンと引き換えに金塊を渡すことを迫られる。
この金塊とリトンの交換シーンから、とんでもない銃撃戦に発展するのです。
ここがやはり見所でした。
機関銃を撃ちまくるジャン・ギャバン。
敵は機関銃+手榴弾ですよ。
夜間の道路で引き渡される金塊。
白黒画面に黒と白のクラシックカーが映えます。
金塊は渡されて、そこが着地点ではないのです。
ショッキングな展開をして苦く暗い筈のラスト。
ジャン・ギャバンの余裕の表情が、どこか救いになっています。
よく似た題名の「現金に体を張れ」とは、また違った犯罪映画でした。
理詰めで計画された「現金に体を張れ」より、エモーショナルに訴えてくる
「現金に手を出すな」
こちらの方が私の好み。
楽しかったです。
夜を走る車の車内や、室内を移動して映すカメラがよいが、やはり人質と金塊の交換の緊張、銃撃、車の炎上に興奮する。
とにかくジャンギャバンが超クールの一言!
ダメな相棒に振り回されるマックスと、抜けてるけど憎めないリトン。2人の関係性がとても愛らしい。
ラストの敵の車を奪っての銃撃戦もカッコよく、アクションシーンも十分に楽しめた。
おっさん2人がおソロのパジャマで寝るんじゃないよ!可愛いな!
2014年8月9日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ジャン・ギャバンの魅力を存分に味わうことのできる作品でした。彼の一挙手一投足が、なぜか優雅で、ワイングラスを用意したり、皿を用意したり、バターを塗ったり、上着をハンガーにかけたり、そんなひとつひとつの動作に魅了され続ける時間でした。
ただ動いているだけで観客を魅了してしまう存在というものを実感できる映画でした。