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この映画を不条理と言う感想が多いが、デイブの描写を思い返すと不幸体質と言うか、トラブルを呼び込みやすい要素を抱えていたことに気付く。
一度観た記憶だけで書き出すが、
冒頭のホッケーシーン。
ゴーリー役のデイブはセーブしてボールを必要以上に強く打ち返してしまう。
するとボールは穴に吸い込まれ、二度と取り戻せなくなった。
リスクがあるのに加減が出来ないタイプ?
息子の野球の帰りのシーン。
どん底に落ち込んでいるのを無理矢理褒めて、全く気を持ち直していない息子の様子に気付いていないデイブ。
俺の息子だから凄いはずなんだと励ますつもりが逆にプレッシャーを与えてる様にも見える。人の感情を察知するのが得意ではなさそう。
家で吸血鬼映画を見て不穏なことを言うデイブ。妻はどこか居心地が悪くなっている。それに気をとめていなそうなデイブ。そこは怖くさせちゃった?ごめんとか言った方がいいのでは。完全1人で見てるわけじゃないのだから。
少年を襲っていた男を殺してしまうデイブ。ホッケーの時と言い、やり過ぎるところがここでもか。半殺しにした後通報するだけで良かったのに。自分を襲った犯人達も通報後にそれぞれ死亡していた。
結果論だが、大袈裟に言えばやり過ぎ癖があり、家族と愛のある意思の疎通が出来ず信頼関係を築けない人が、旧友との激しい誤解をとけるはずは無かったのかなと。
もし誘拐暴行事件が無ければ、デイブは成長して慎重になりコミュニケーションも上達したかもしれないけれど。
でもジミーもまた自分の断ち切れなかった怨恨のせいで娘のケイティを失った。
親父であるレイのした事とブレンダンは関係無いと交際を許してあげていれば。ケイティは駆け落ちを計画せず。あの日友達とお別れパーティーに出かけず、殺されなかったかもしれなかった。
妻と仲直り出来、唯一身内に不幸が起こらなかったのはショーンだった。
常に冷静さを失わず、別居時に浮気のチャンスがあっても律儀で妻を裏切らなかった。
忍耐強く情深いので、ジミーのデイブ殺しに気付いても告発せず、二人の友情は壊れないのだろう。
正義感が強い人ほど見るのがつらい映画だ。
3人の妻も、考えてみると夫と似た者同士だった。
何より愛情第一で決断するジミーの妻、別居していても堕胎せず子供を産んでいた忠実なショーンの妻、そして夫の疑惑を遺族であるジミーに打ち明けるというやり過ぎたデイブの妻。。。
でもラストのパレードで孤独に周りをキョロキョロするデイブの妻の姿は悲しく痛々しい。
どんなことがあっても、命だけは失ってしまったら終わり。